見出し画像

過ぎたるはなお及ば猿

今日は暑かった。日中、カンカンに晴れた空から大粒の雨が降り注いできた時は流石に目を疑った。狐の嫁入りなどそうあるものではないとは思いつつ、なんやかんやで夏になると毎年1、2回は遭遇しているような気もする。最近はなんだか、自分の人生が一度終わりを迎えるかのような、不思議な静けさに包まれながら日々を暮らしている。もはやよくわからないのだ。己の自我に従って何かをするということがよくわからなくなってしまった。もちろん、自我は常に機能しているのだと思うのだが、どちらかと言えばそれは鑑賞者としてのそれであり、僕の体や直感は無意識に基づいて動いている。分別をわきまえた上で、ちょうどその合間にある見えない空間をなぞるかのように体は自然と動いていく。そして僕の自我は、それをただずっと眺めている。晴れと雨とが同時に支配する世界の中で、誰にも入り込むことのできない隙間に自我を入れ込んで、そこから世界を眺めている。そのようにしてこの夏を乗り越えていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?