AIはライターの仕事を奪えない
「フリーランスライターのブツクサひとり言」第14回
あくまで個人的な印象ですが、コロナ禍を機に「SEOライター」を名乗る人が激増しました。
SEOライターとは何ぞやというと、
検索上位に表示されることを意識したキーワードを使って文章を構成する書き手と、私は認識しています。
例外はあるものの、ほぼコタツに入ったまま書けるため「こたつライター」と揶揄されることもあります。
断っておきますが、SEOライターを否定する意図はありません。
今、生成AIの機能が飛躍的に向上していて、SEO記事ならば書けてしまうレベルに達しています。それを逆手にとって、AIで生成した原稿をそのまま納品するライターが現れて、メディアの編集者が頭を抱えています。
というのも、AIが生成した文章は必要なキーワードや情報が漏れなく入っていて、それなりにまとまってはいるのですが、やはりどこかしら不自然さをぬぐえません。一言で言い表すなら「人間が書いた文章ではない」ことが分かってしまう文章なのです。
それを人間が書いたように修正したり、情報に誤りがないかをチェックしたりする作業は、どうしても人間がやらざるを得ません。
やったことがある人は分かると思いますが、結果として「自分で書くほうが早くてラク」という結論になります。
とはいえ、AIの機能は日進月歩で進んでいますから、遠くない将来において人間が書くのと同等レベルの文章をつくるようになるでしょう。
そうなってくると、SEOライターの仕事は減っていくのが自然の流れです。書く仕事を今後も続けたいのであれば、今のうちから取材スキルを習得して、メディアに掲載できる記事を書けるようになっておくことです。
ライティングにおいてAIが人間に替われない分野が「食レポ」でしょう。他にも体験型の取材記事や、どこにも公表されていない裏話的な情報は、AIに対応できません。
なぜならAIは、既存の情報を寄せ集めてきて再構築することしかできないからです。人の「想い」にまでアクセスできないのが、AI最大の弱点です。
AIに仕事を奪われるかもしれないと戦々恐々としているライターさん。とくにSEOしかやったことがないライターさんは、思い切って外の世界へ踏み出しませんか。