現地取材って?
「フリーランスライターのブツクサひとり言」 第3回
ここ最近、
「現地取材に行ってきました」という投稿をよく目にするようになった。投稿主はもちろんライターで、歴も1年未満から数年に及ぶ人まで様々だ。
要は「初めて取材をしました」という内容を投稿している。じゃあ、それまではライターを名乗りながら何だったのかというと、いわゆるコタツ記事を書いていたようだ。
じつは私に限らず紙媒体からライターの世界に入った世代は、「現地取材」という言いまわしに違和感を覚える。
なぜなら取材は、必ず現地へ赴くのが当たり前だったから。つまり、わざわざ「現地取材」と断らなくても、取材をしたということはイコール現地を訪れたことを意味していた。
だから「取材ライター」という呼称にも、いささか違和感を禁じ得ない。
ところがインターネットが発達し、メールやLINEなど文字媒体での意思疎通が簡単になってくると、現地へ行かなくても情報が取れるようになった。それも「取材」といえば取材なので、現地へ赴く取材と一線を画して「現地取材」という言葉が生まれたのであれば納得できる。
どうにも腑に落ちないのは「コタツ記事」に対しての「現地取材」だ。この両者は、そもそも対極にない言葉だろうと思うのだが……。