麻雀健全化、未だ成らず

突然ですが、僕は麻雀店が嫌いです

何故なら風営法が適用されるせいで年齢が足りず入店出来ないから(現在17歳)

リアルで麻雀を楽しみたくても卓を購入するお金はありませんし、手積みでやろうと思っても一緒に楽しむ相手さえ見つけることができませんでした
一人さみしくモンスターブリッジに明け暮れております

更にTwitter(現X)を眺めれば、「どこそこで〇〇プロと対局した」「某月某日に〇〇プロとのイベントがあります！」など、非常に羨ましい投稿ばかり流れてきます

僕だってMリーガーの打牌を見たい、一緒に卓を囲みたい、某ヒットマンの大きさ(物理)を感じてみたいし、王子のご尊顔を拝したいのです

もっとも店舗でのイベントは、それ相応の参加料を皆様お支払いになられているわけだし
なんならプロの打牌は各種動画配信サイトやABEMAで簡単に見ることができます

「麻雀店にいきたければあと1年、大人しく待てばいいじゃないか、そうすればプロにも会えて、好きなだけ麻雀ができるぞ」
と皆さん思われることでしょう

さて、僕が麻雀店に行くことを邪魔してくる風営法なる法律
正式名称を「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」と言います
この法律において麻雀店は遊技場営業の四号営業に該当します
これは麻雀が
「設備を設けて客に射幸心をそそる恐れのある遊技をさせる営業（遊技方法自体が射幸心をそそる恐れがあるもの)」
にあたるからです
ざっくり言えば、「やろうと思えば賭博に使える設備で客に遊戯をさせるし、そもそもギャンブル性が高い遊戯なので念の為規制します」
といったところでしょうか

そもそも麻雀をやってて射幸心が煽られるかと聞かれれば僕は煽られませんが、思い当たる節はあります

オンライン麻雀で、ゲーム内通貨を賭けるモード

要はアレを現金でやるということなら多少は理解できます
300チップを払って倍満を和了したときの爽快感
あれがいわゆる射幸心を煽られてる状態なのでしょう

それはさておき
そもそも賭博自体が金額に関わらず違法なので麻雀を賭博に使おうという事自体考えるほうがおかしいと思うのですが、時たま摘発される店が出てくるあたり実情はもっと酷いのでしょう

更には高レート麻雀を題材にした作品も多く、「雀鬼」や「凍牌」などの映像化作品も多数放送されています(もっともこれらの作品はあくまでもフィクションなので、何を書こうが自由というのはあります)

しかし近年になって風向きが変わりました
Mリーグの発足です
Mリーグはその理念の一つに麻雀の健全化、ひいては頭脳スポーツ化を成し遂げオリンピック競技化を目指しているのは皆さんご存知のことでしょう

Mリーグはその出場資格に違法賭博との決別と定めており、これに違反すれば即時解雇などの厳しい処罰が下されることになっています

私は2022-23シーズンからMリーグを知ったため、2018年スタートで5年目ともなればさぞ健全化できているのだろうと思っていました

現実は厳しかった

僕は本質を見落としていました、違法賭博をしているのは麻雀プロでは無いのです
Mリーグ視聴者、ひいては麻雀ファンの中に居るのです
もっとも、視聴者、ファン全員が違法賭博をしているという事ではありません
麻雀とどう関わって来たか、3通りくらいに分類する事が出来ると考えています

1 Mリーグから麻雀を知った層
2 天鳳、雀魂と言ったゲームや家族麻雀といった遊戯として麻雀と関わっていた層
3 麻雀プロ(麻雀店での勤務、経営を含む)
4 主に麻雀店での遊戯をしていた層

この4が問題なのではと考えています
全ての麻雀店で違法賭博が行われているとは絶対に口が裂けても言いません
が、しかし
レートありの方がお店としては儲かるのはなんとなく皆さん理解できるでしょう
オンライン麻雀でも、1プレイあたりの場代が高めだが賭けて返ってくる課金通貨が多くなるモードがあるでしょう？あんな感じです

また利潤が上がればさらなる設備投資も可能で、自動配牌卓の導入や卓数の増加はさらなる儲けを生み出します

Xでも時々「レートありでのお店で打った」
「賭けてないMリーガーよりいつもレートありで打っている自分の方が強い」みたいな違法賭博を匂わせるポストを見かけます
もっともたかがXのポストなので信憑性なんて無いに等しいのですけども

「といってもまぁそこまでレートありで打つ人なんかこのご時世におらんやろ」
などと考えながら過ごしていたのですが

この前とある健康麻雀教室にお邪魔しました
基本健康麻雀なので僕より年上の方しか居らず、また講師の方もとても強い方だったので小さくなりながら麻雀をしていた時の事でした

各卓から漏れ聞こえてくる話を聞く限り、そこにいた生徒の8割が現在進行系でレートあり店で麻雀打ってて腰抜かしました

打っていると各卓からこんな言葉が聞こえてきます
「テンピンがどうたらこうたら」「昨日行ったら2万勝った」「あの店はメンバーが良くない、全然勝てなかった」「賭けないと強くなれないぞ」

帰り道、トボトボ歩きながら考えました

日頃レートありで打っている人は、言ってしまえば金と暇がある人々
別にレートは必要条件では無く十分条件です、ノーレートのお店でも打つでしょうし
各プロ団体のプロ・アマリーグにも参加する人も居るでしょう
そうして、レート麻雀で稼いだお金で有名プロのイベントに参加しお店に参加費を支払い、それが有名プロの出演料となり、巡り巡って会費として団体に納められる…(多少強引な意見ですが)

高レート麻雀描写が出てくる作品だって、別にその作品で初めてレートありの麻雀という概念が生まれた訳ではありません

そうならまず見る人の共感や憧れを得れませんしそもそも現実でレートあり麻雀がやられてなければあんなにリアリティのある描写は出来ないでしょう

もちろん、レートあり麻雀も表立って行われている訳ではありません
見えないところで、人目につかないところで
たまたま現代が情報化社会になっていて、そのうちのいくつかがネット上にも流れるようになっているだけ

レートあり麻雀を調べようと思って調べなければその手の情報は出てきません
レートあり麻雀店での対戦記や用語の解説をするサイトは確かにありますが
基本的に自分から調べなければ知ることも無く、また知ったとしても自分がやらなければ良いだけです

それにレートがあると言ってもそこまで高額というわけでもありません
大概が1000点を200円での計算や、大きくても1000点1000円までと聞きます

それよりも某通訳で一躍話題となったスポーツ賭博やオンラインカジノの方が大金を賭けることが出来て、違法性を感じさせにくいのも相まって手軽で身近な危険と言えるでしょう

また麻雀店で構成される、麻雀業共同組合などでは遵法営業や警視庁の職員を招いての営業講習会なども行っています

まぁサイト(東京都麻雀業共同組合)を拝見するかぎりどっちかといえば風営法の緩和の陳情や麻雀店の営業がやりやすくなるため活動がメインであんまり健全化は考えてなさそうなんですけど

そうして、レートあり麻雀は続いていき
時たま度の過ぎたレートで営業した店舗や反社会的勢力とのつながりがあった店舗が摘発される…この構図が変わることはないでしょう



結論から言えば、Mリーグや各団体の掲げる麻雀の健全化、オリンピック競技化は当分達成されないでしょう

「アジアで人気の頭脳スポーツです、オリンピック競技にしてください！！あ、でもこれ使った賭博は違法ですけど黙認されてます」
なんて実情でオリンピック競技化を嘆願してみましょう
IOCの頭のネジが2、3本外れることでもない限りこの状態でオリンピック競技化なんてできるわけがありません

現在日本にあるレート店の数やどれくらいの規模で、どのくらいの人数がと言った実態が調べようが無いのでなんとも言えませんが、それらの店舗での売上や利用者の金が間接、直接を問わずプロ団体やMリーグ機構に流れているとしたら
と、ここまでくると陰謀論の域ですし、プロ団体に対する誹謗中傷にもなりかねません
何よりプロ団体に参加者がどういう人間なのか全部把握しろと言ってもそれは不可能です
まさか何十人もスタッフをXに張り付かせて置くわけにはいきませんし、やってることがほぼストーキングです
8月24日 0700追記
そう思っていたのですが朝起きてnoteを見ていたら近代麻雀noteで井出洋介プロがオンレートの店に関わってた話をしててやっぱり麻雀界は一度更地にしなければという思いを強くしてます

プロの方が受ける仕事にしても、団体が所属プロ割り振るものでなく
団体はあくまでも個人事業主の集合体であり
どんな仕事を受けるのかは個人の裁量です
麻雀店主催の大会ともなれば過去の事例から団体を一度通すそうですが
それでも団体がプロ個人と各店舗の付き合い方に関してとやかく言うものでも無いのでしょう

（それはそれとして団体所属プロが賭け麻雀をして除名、みたいな記事や記録がほぼないのはなんでですかね、調べても堀内プロかザンリーグの人くらいしかでてこないんですけど
入会の段階でふるい落としてるのか、あるいは？）

ですがそうでなくても、一般的に麻雀店と
プロ団体は密接な関係にあります(悪い意味ではなく)
プロ団体が運営する麻雀店、というのが存在しないあたり暗黙の了解みたいな物があるのかもしれません
それ以上に、外部から見ていても風営法に縛られない麻雀というものを作るのが如何に難しいかはなんとなく察せてしまいます

いずれにしても高校生の身ではこれ以上調べようが無く、プロに直接聞くわけにも行かないのでこの辺で締めようと思います
プロになってこの問題をなんとかするため勉強を続けていますが、そもそもそんな人間がプロ団体に入れてもらえるのか

このnoteは完全にお気持ち表明です
しかしながら、Mリーグ機構と主要麻雀プロ5団体が本当に健全な麻雀、健全な麻雀業界を作る気があるのか
これは彼らが違法行為に手を染めているのではという意味では無く
自分たちとは違う実際に存在する健全ではない麻雀界というものをいつまで放置するのか、それとも元から是正する気がないのかという質問書でもあります
「賭け麻雀とレートありの店が滅んで囲碁や将棋くらい老若男女がなんの制限も無く楽しめるものになればいいのになぁ」個人の願望を文章化したものにすぎません、あしからず