＜卒業手記＞瀬戸内リトリート青凪に感謝を
この度、２０２１年５月末で瀬戸内リトリート青凪を卒業いたしました。
開業から約５年半の運営において、支えてくださったお客様やスタッフや関係者の皆様、大きなチャンスをくれた（株）温故知新の皆様、本当にありがとうございました。心よりお礼申し上げます。
安藤忠雄氏が設計した素晴らしい建築と、瀬戸内の島々を望む風景、前向きで優秀なスタッフ達、洗練されたお料理を提供してくれた料理人たち。
それぞれが重なって、まさに芸術といえる宿ができました。
ここに、応援してくださった皆様やお客様、仲間達に対して、大きな感謝と共に、思いを記せたらと思います。
開業から
２０１５年 夏、知人より 「安藤忠雄さんが設計した、元美術館をラグジュアリーホテルにする新規開業案件がある。開業メンバーで参加しない？」 とお誘いがあり、大きなワクワクを抱きながら愛媛松山に引っ越してきました。
やりがいある日々の一方で、元々ホテルではない遊休施設を再利用したホテル開業は、想像以上の困難苦難の連続でした。
前の記事でも書きましたが、人の問題や設備の問題など、常にスレスレの状態でした。
低空飛行を続けながら、開業から１年半後の２０１７年８月、総支配人というポジションへの挑戦権をいただくことができ、そこからチームであらゆる手を尽くしながら、挑戦と失敗を繰り返し、少しづつ今の形が出来上がっていきました。
小さな自信を手にしたミシュラン最高評価とワールドホテルアワード
なんとか黒字転換に成功し、オペレーションが形になり始めた２０１８年、思いもよらないニュースが舞い込んできました。
初めて発行される、ミシュランガイド広島・愛媛版にて、青凪が国内系初のミシュラン最高評価に選ばれたとのこと。
当時はミシュラン最高評価である、５レッドパビリオンは、日本では外資系シティホテルのみが独占しており、国内系ホテルはもちろん、リゾートホテルでも０件という状況の中、大きな話題となりました。
これを機会と捉え、１８年の末に現場のチームを集め”世界に挑戦するぞ”と宣言し、ワールド・ホテル・アワードにエントリーし、各国の審査員をホテルに迎えました。
皆の努力の結果、１９年〜現在までに複数のホテルアワードを受賞することができました。
↑ 出汁(だし)の魔術師と呼ばれた愛媛の伝説、伊藤料理長と
マレーシア クアラルンプール / Haute Grandeur Global Hotel Award 2019
↑ たくさんの賞をいただくことができました。
↑ １泊４日(笑)の怒涛の行程で行ったロンドンの授賞式 / Boutique Hotel Award 2019
オリジナル施策へのこだわりと挑戦
ホテル運営において、最もこだわったのが、社内カルチャー作りでした。
わがままを貫き、時に「ラグジュアリーホテルらしくない」との声を受けながらも、今までのホテル支配人がやっていなかったユニークな施策を行ってきました。
YouTuberのHIKAKINさんとのコラボ企画でホテル業界史上最大のバズを作ったり、各インフルエンサーとの協業イベントや、クラウドファンディングで資金を集めて芸術祭をやったり、地域のアーティスト達とコラボした DJ PARTYをしたり、スタッフのSNS運用を認めてお客様とのコアな繋がりを作ったり、自分たちの運営ノウハウを発信して同業様達とのコミュニティを作ったり、アカデミックな教育分野に挑戦したり。
とにかく自分たちが楽しめて、スタッフがワクワク成長できるように環境を作ってきました。
その結果、”こんなラグジュアリーホテル、他にないよ”という地位を (少しだけ) 確立し、お客様の層は富裕層を越えて広がり続け、コロナまで昨対比売上４０ヶ月連続増を達成。スタッフはイキイキと輝き出し、2020年の離職率は0％、2021年5月現在、一休.comの口コミランキングでは四国のホテル・旅館の両カテゴリーで１位を達成、4月は過去最高益となりました。
↑ヒカキン氏の動画では1300万回を超えるホテル業界最大のバズを起こす
↑クラウドファンディングで資金を集めて行った 文化音楽芸術祭 2019.10
↑ 瀬戸内のアーティスト達と地域の皆さんを繋げたPRIVATE PARTY
↑ DJもたくさんやらせていただきました (笑)
↑青凪茶会 2020.10 （この回は現場スタッフが主体的に企画運営を行う）
その先に作りたいもの
現在、成長したスタッフのスキルとマインドセットは本物で、現場は完全に自転しており、私はほとんど前線に立つ必要は無くなりました。（クレームもほぼ０でした）
そんな背景もあり、2020年中盤以降のメイン業務は ”仕組みの管理とスタッフの応援” となっていきました。
実験的に、平均所得が低いホテル業界の構造を破壊すべく、スタッフ個人で稼げるビジネススキルやお金の知識（副業や投資）などをホテルの研修プログラムに組み込んだり、スタッフへのGIVEの一環として毎日手作りの料理を作り続け、SNS上でもまかないGMとしてのブランディングを確立したり。(笑）
などなど、ますます普通のホテルとは一味違ったスタイルを作り込んでいきました。
私が最後にできるGIVEと、新しい挑戦
2021年4月、コロナの緊張が緩和しない中、過去最高益を達成。
なんとなく全てを達成した感もあるこのタイミングで、２つの選択肢があると考えました。
一つ目は、この心地よい環境に浸かって高給取りのまかない支配人を続ける。
二つ目は、新しい挑戦の場に身を投じ、支配人のバトンをメンバー引き継ぐことで、スタッフ達に成長と出世のチャンスを与える。
色々と考えてた結果、やはり私は新しい挑戦を選ぶことにしました。
今までそうだったように、挑戦は純粋に人生の楽しみであり、最もやりがいがあると思うからです。
そして、２番手として開業から共に頑張ってきた女性マネージャーが、支配人を引き継ぐという決意を示してくれました。彼女や、今のスタッフ達であれば、青凪はこれからも繁栄し続けると信じています。
６月からは、全く新しい挑戦が始まります。
ホテル業界の常識を根底から変えるかもしれない、過去最大級の挑戦です。
新しい仲間と共に、本気で新しい世界を創るぞ！という気迫で挑みたいと思っています。
良いものを作っていきますので、応援いただけますと幸いです。
青凪では最後となりましたが、皆様本当にありがとうございました。
引き続き、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
2021年5月吉日 吉成太一
【瀬戸内リトリート青凪 主な実績】
2016年 上半期 一休.com 中国四国ランキング１位
2017年 高級ホテル・旅館サイト relux 中国・四国 年間ランキング１位
2018.3 youtuber、HIKAKINとコラボ企画。動画は１３８０万回以上再生される（２０２１.５現在）
2018.4 ミシュランガイド愛媛・広島2018版にて、国内ホテルブランド初の最高評価（赤の５つ星）を獲得。リゾートホテルとしても日本初。
2018.7 中国最大手旅行サイト Ctrip 日本ベストデザインホテル受賞
2019.2 World’s Best Lifestyle Hotels 選出
2019.5 トリップアドバイザー エクセレンス認証
2019.6 一休.com 2019 口コミアワード 西日本１位
2019.6 yahoo!トラベル 2019 口コミアワード 西日本１位
2019.6 Fobes 世界のインフィニティプール 12選に選出
2019.6 booking.comが選ぶミニマリストの宿 世界7選選出
2019.10 瀬戸内リトリート青凪 文化音楽芸術祭を企画・運営
2019.10 World Luxury Hotel Award 2019 "best design hotel in Japan"受賞
2019.10 Haute Grandeur Global Hotel Award2019 ”Best General Manager in Japan”をはじめ、合計7部門を受賞
2019.11 Boutique Hotel Award 2019 "Best design hotel in Asia"受賞
2020.3 Global100 - World Luxury Hotel of the year 2020 受賞
2020.5 Galatian Global Hotel Award "best Architecture / golf resort in Asia 受賞
2020.8 コロナ禍の中、過去最高売上達成
2020.5 Galatian Global Hotel Award Winner / the most prestigious Architecture Hotel and Regional Winner in Asia
2020.10 Design Travel / D mark review 愛媛県らしい宿部門 受賞
2020.11 Lawyer International - Legal 100 / World Luxury Hotel of the Year
2020.11. M＆A TODAY GLOBAL AWARD 2020/ ” World Luxury Hotel of the Year ”
2021.4 一休.com / 四国口コミランキング 旅館・ホテル １位
2021.4 Luxury Lifestyle Awards 2021 / The best Luxury Hotel in Japan受賞
2021.4 過去最高益達成
など
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