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2025年度(令和7年度) 筑波大学 情報学群 情報メディア創生学類 3年次編入 合格体験記

この度、R7年度筑波大学情報学群情報メディア創生学類に合格しました。ちょらと申します。僕自身先輩方の編入体験記に非常に助けられた身なので、来年以降の受験生の皆さんに役立てればと思い、体験記を書かせていただきます!


自己紹介

席次

高等専門学校の電気情報工学科出身です。
1年:11/42
2年:5/42
3年:1/42(同率)
4年:3/42

併願大学

併願大学は以下のとおりです。
千葉大学 工学部情報工学科(推薦) → 不合格
岐阜大学 工学部電気電子情報工学科情報コース(一般) → 合格
筑波大学 情報学群情報メディア創生学類(一般) → 合格 (第一志望は情報科学類でしたが、合格したのはメ創でした。)

千葉大が5月末、岐大が6月中頃でした。6月末に千葉大の合格発表があり、ここが合格なら筑波を受けず終了する予定でしたが、あまりにもうまくいかなくて不合格となり、筑波大を受験しました。

その他

帰宅部寮生
基本情報技術者試験合格
(TOEICは後述)

志望理由

  • 人工知能を扱った研究を、もっと深く大学で行いたい

  • 高専での成績が良く、この状態で就職するのはなんだか勿体ないというか、もっと上を目指せると思った

  • 高専からの就職は専門職となり、将来の稼ぎが見込みづらいと思った

  • 勉強や研究はどちらかといえば好きなので、大学へ進学してもまあやっていけそうだと思った

見ての通り、「特定の研究がやりたい」という強い意志があるわけではなく、かなり漠然としています。僕のやりたい研究は人工知能であり、AIなんていうのは今やどの大学にもあるので、とにかく周りのレベルが高い大学が良いなといった感じでした(その大学に受かるとも限らないですし)。おかげで面接が下手くそすぎて推薦に落とされます。もっと具体的な理由があるべきだと強く思います…
他の大学の話は、余裕があればまた別記事で書きたいと思います。

試験概要

情報科学類及び情報メディア創生学類の編入試験は、英語、数学、情報基礎の3科目、各100点ずつの計300点となります。
英語はTOEIC公開またはTOEFLのスコアを事前提出
数学は微分積分と線形代数が大問1つずつ
情報基礎はC言語を利用した様々な問題(データ構造とアルゴリズムが主)の大問2つ
で構成されます。

英語に関しては、TOEIC730点以上であれば100点との噂があります。過去の先輩の体験記などで裏付けられているのでほぼ間違いないですが、大学側の裁量でいくらでも変わりますので注意してください。
合格者ボーダーは、毎年250前後とのことです。試験の難易度によって変化しますが、270点を目指すくらいがいいでしょう。

合格者は情報科学、メディア創生共に昨年から4人ずつ増え14人ずつ。ですが毎年定員より多めに取ってくれます。今年はもうちょっと取ると思っていたのですが思ったより変わりませんでした…

行った勉強

高専1年~4年夏

友達とゲームして遊んで、テスト1週間前に勉強して徹夜で乗り切るだけでした。友達は夏休みから勉強を始めていましたが、なんとかなるだろと思って勉強しませんでした。怠惰すぎるので、おすすめしません。

4年秋

夏休み後半(9月)から、11月にTOEICを受けることにしたので英語の勉強をしました。使った書籍はかの有名な金フレではなく、同じ著者のTEX加藤さんによる金のセンテンスを使いました。単なる単語帳で覚えるのはあまり得意ではないことから、文からそこに使われてる単語を覚える形式の本となっています。

金フレに収録されているすべての語を収録しつつ、更に高レベルな単語まで網羅されています。素晴らしい内容の本であることは間違いないですが、金フレと違いレベル分けされていないです(後半にいくにつれ難易度が上がる傾向はあります)。なので少し難し目で、最初からこれを触るのは少し推奨しづらいです。一旦金フレをやってみて、向いてないと思ったらセンテンス触る感じで良いかと思います。

僕の学校では4年生が高専祭(文化祭)でクラスの出し物をする、という行事があり、これに10月をすべて持っていかれました。直後に1週間の研修旅行で九州とユニバを満喫し、これが終わった11月中頃、ついに数学の勉強を開始します。

まずはやっぱり皆最初に手をつける、編入数学徹底研究を始めました。これは夏から勉強してた友達に勧められたためです。学校の図書館で借りれると聞いたのですが、なんとなく新品が良かったので買いました。

1周目はとにかく例題で初見殺しされ、類題で初見殺しされ続ける感じですが、周りに聞いた感じ皆そうなので心配しなくていいです。だんだんわかるようになっていきますので。
僕はこれをわんみんさんというYouTubeの解説を聞いて取り組んでました。わかりやすく、スッと入ってくるので非常におすすめです。

章末問題もついていますが、後述する過去問特訓のB問題とC問題の間くらいの難易度でくそ難しいので、1周目でやってしまうと萎えます。おすすめしないです。

11月にTOEICを受け、結果はL335、R320の655点でした。そんなもんかなといった感じです。目標は730点だったので、このまま継続して英語をやることになります。

4年冬

徹底研究の1周目を終え、そのまま2周目を開始します。2周目では極力例題や類題を答えを見ないで解いて、後のためにわからなかった問題にマークしながら進めました。
章末問題も解答を見ながらなんとなく理解して解いてました。ノーヒントではほぼ無理でした。結局3周目では章末はやらないのですが、一度は解いておくと視点が増えるかと思います。

同時進行で、引き続きTOEICの勉強をしました。abceedという書籍と連動したアプリを使ってセンテンスの文をオーバーラッピングしたり、ひたすら単語の復習をしたりしていました。
単語の復習ですが、人というのはすぐに忘れてしまう生き物なので、何度も何度も前に戻ることが重要だと思います。新しい単語を学ぶことより、前に覚えた単語を絶対に忘れないようにすることを意識していました。最終的にセンテンスの300くらいまでしっかりやって、3月のTOEICに臨んだ覚えがあります。

4年→5年の春

このあたりでは一旦数学をやめ、TOEICに全振りしました。2週間ほどかけて学校の図書館で借りてきたTOEIC公式問題集7~9をやりました。通しでやったのは2つくらいで、それ以外は休憩を挟んでいたと思います。解き終わったらリスニング音声をオーバーラッピングしたり、間違えたリーディングを見直したりしました。

こんな感じの勉強により、気づいたらリスニングも前よりわかるようになってきて、リーディングも190くらいまでは正答率高くいけるようになりました!

そしてTOEIC本番でLR両方380の760をとり、英語は終了しました。
LとRが同じ点数の人はあまりいない気がしますが、これはリーディングがもともと得意だったからだと思います。

TOEICの有名な書籍としては、もう1つでる1000というこちらもTEX加藤さんの書籍がありますが、個人的にはあまり効果を感じないです。TOEICは単語さえわかればLもRも解けるようになると思っています。Part5と6のためだけに多大な時間をかけるのは無駄になってしまいそうだと思いました。
これは非常に個人の意見が強いので、鵜呑みにはしないでください。実際にでる1000で点数が上がった方も多くいらっしゃいますので。

あと、公式問題集はなるべく新しいものをやりましょう。明らかに最近のTOEICは難易度が上がっています。レベル感を合わせるために、最新のものをやるべきです。

さて、この後燃え尽きます。4年の成績が3位で千葉大の推薦要件を満たし、筑波大と千葉大に大きく差がないので、よっぽど受かるだろうと思い始めて勉強をしなくなります。疲れちゃったんでしょうね。

5年4,5月

燃え尽き期は春休みと共になんとか抜け出し、新年度が始まりました。
4月の間は千葉大の出願書類の作成に結構時間をとられましたが、一応少しずつ編入数学過去問特訓をやることにしました。
こちらは徹底研究と同じ著者の本であり、演習用の問題が多く用意されています。難易度別にA問題からC問題までありますが、筑波のレベルであればB問題までで大丈夫です。ベクトル空間だけはCもやると理解度が上がるらしいです。(僕はやってないですが)

徹底研究で蓄えた知識を活用する、非常に刺激を得られる書籍なのでこれもおすすめです!もっと時間があれば2周以上絶対にやるべきだったと思います。

5月からは千葉大の口頭試問対策として、徹底研究の3周目とまさかの物理を勉強することになりました。
3周目はとにかく基礎を固めて、本質的な理解をすることに努めました。ベクトル空間や固有値、解析学だと重積分の分野は本質理解があるとかなり問題を解きやすくなりますし、完全暗記に比べて思い出しやすいです。

筑波大には関係ないですが、せっかく物理のエッセンスで力学と波を総復習したのに電磁気が出て絶望しました。しかも口頭試問なのに記述式。ここで筑波に行く覚悟を決めます。

5年6月前半

岐大の過去問をひたすら解いていました。岐大の試験科目も筑波と全く同じ(岐大は確率統計が入りますが)なので、この演習もかなり役立ちました。答え合わせは友達と一緒に解いて見せ合う形で行いました。人と一緒にやるのはモチベーションにもつながるし、友達と話すことでストレス解消にもなりますから、一石三鳥くらいあります。人生で一番友達に感謝した期間でした。

また、ここまで情報の勉強の話が全くありませんでしたが、筑波大の過去問を見て高専での知識量で問題ないと判断したからです。僕は情報については岐大と筑波大の過去問を解くこと以外に本当に何もしていません。

受験直前

筑波大の過去問をひたすら解きました。岐大の時もですが、極力プログラムは実際に動かしてみることで理解しつつ、答え合わせをしました。プログラムは書くことが一番ですね。

数学に関しては、この段階でも初見で完答できるような問題はほぼありませんでした。受験とはそういうものと割り切って、あまり悩まないようにしていました。一緒に筑波を受ける友達に教えたり教えられたりしているうちに理解が深まりましたね。

最後、行きの新幹線で一応ε-N論法の動画を見て多少理解し、ホテルで徹底研究のまとめページを眺めて寝ました。

当日

緊張はあんまりなかったです。全員◯すくらいの気持ちで毎回やってました。前日友達と下見に行ったので迷わなかったです。情報学群の春日地区は駅から近くて楽ですね。たまたま出会った同じ学校の他学類を受ける人たちはタクシーに乗ったらしいです。大変。

数学1

極座標変換した三重積分で、球の一部分の体積を求める問題。
ヤコビアンだけで2/3解けるので簡単でしたが、最後の体積を求めるときに範囲をよく見ていないと1/8かけ忘れて誤答になるので、注意しました。ここに気づけたことが合格の決め手だと勝手に思ってます。
体感10割

数学2

2次形式の行列から色々求める問題。
最初の2問は簡単でしたが、3番の楕円面の条件が全くわからず、4番は固有ベクトルを求める時間がなくて落としてます。
体感5割

情報基礎1

ニューラルネットワークの単純パーセプトロンを使った問題。
かなり長々と問題が書かれており、しかもニューラルネットということで難しいかと思いきや、やることは問題文に従ってプログラムを書くだけ。
簡単めでしたし、楽しかったです。
体感10割

情報基礎2

バケットソートと基数ソートを、キューを利用して実装する問題。
こちらもそこまで難しくはなかったのですが、1も2も簡単で疑心暗鬼になり、多めに時間を取られてしまいました。
体感10割

詳しくは、来年大学から公式に公開される問題を参照してください。
なんだか昨年から全体的に易化している気がします。易化していると簡単な問題を落とさないことがとても重要なのと、TOEICが大きく響くと思いましたね。
体感は上記のような感じですが、第一志望からは落ちているのでおそらく情報基礎の計算量のあたりをいくつか間違えているのだと思います。

振り返って

合格できて本当に良かったですが、反省点はかなり多い受験生活だったと思います。取り掛かりは遅いし、TOEICを3月までやっているし、過去問特訓は1周しかしていない。易化傾向でなかったらコロッと落ちていた気がします。
皆さんはこれを教訓にとにかく早くから勉強してください。時間なんてあればあるほど良いです。勉強を始めたら本番まで一瞬ですからね。

開示が来年5月にありますので、開示できたら追記したいと思います。もしかしたら大学生活のことも記事で書くかもしれません。

何か他に質問があれば、Twitter(X)@tyorasa1254まで連絡ください、いつでも対応できます!

非常に長文でしたが、ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。これを読んでいる受験生の皆さまの合格を、心よりお祈りしております!

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