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【SLAM DUNK Gl】103話「窮地の果てに」
ヒマラヤ山脈に挑んだ仙道彰とハリー・テ―ヒル。
そこで急な天候の悪化により、雪崩に巻き込まれてしまう。
転げ落ち崖に転落したが、不幸中の幸いなのか、ハリーの下半身が雪によってブレーキがかかり氷と雪に突き刺さる形で転落を免れている。
そして仙道はハリーに抱えられるような状態で転落を免れている。
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「アキラ!! 起きろ!! 大丈夫か!?」ハリー
「・・・ハリー、、、、。ここは?」仙道
「崖からの転落をギリギリ免れている。氷と雪に体が突き刺さってるおかげだ。」ハリー
「ハリー! 俺は 大丈夫だ!」仙道
「アキラ、、。この寒さで感覚がない。心配するな。しかしこのままでは二人とも時間の問題だ。」ハリー
「アキラを俺のパワーで崖の上に投げる。それで休憩所まで行って救助隊を呼ぶんだ!」ハリー
「ハリー、、、。」仙道
「アキラ。下半身を雪で固めてくれ。投げた瞬間、崩れて転落したら二人とも終わりだ。」ハリー
「ハリー、、、。すまん。」仙道
仙道はハリーの体を雪で固めた。
「ハリー! 必ず 助けを呼ぶぞ!」仙道
「アキラ! お前を信じてる。お前は信じられる男だ!」ハリー
「ハリー! 死ぬなよ、、、、。」仙道
「オーライ! ワン ツー スリー!!
Go!! アキラ!! GO!!」ハリー
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ハリーの剛腕で仙道は崖の上とあがった。
「ハリー!! サンキュー!
後は俺に任せろ!!」仙道
仙道は、必死に走った。
その形相は今まで見せたことのない顔だった。
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救助隊を呼ぶことに成功し、ハリーと仙道は無事、救助された。
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二人は入院となったが幸いにも仙道は後遺症もなく退院となった。
しかしハリーには後遺症が残った。
凍症による麻痺、左足の切断と左指の感覚を2本失った。
「ハリー。リハビリは順調か?」仙道
「おー アキラか! 順調だ! 早く退院したいもんだぜ。」ハリー
「そうか。退院が決まったら 教えてくれ。」仙道
「OK! まだまだ 俺は やれることをやるぜ!」ハリー
「(やれることを やるか、、、?)」仙道
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ハリーの言葉に仙道は心を動かされた気がした。
やがてハリーはリハビリをやり遂げ、退院の日を迎えることとなる。
「ハリー。 退院 おめでとう! 退院祝いに持ってきたものがあるんだ。」仙道
「おー サンキュー 何だ?」ハリー
「ふ あわてるこたーない。」仙道
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あのコートでの仙道彰の笑顔と言葉がそこには存在したように見えた。
「さあ いこーか。 ハリー。」仙道
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仙道が車いすのハリーを連れてきた場所はバスケコートだった。
「ハリー。バスケットボール 知ってるか?」仙道
「退院祝いは、とりあえずこのボールとリストバンドだ。」仙道
「アキラ お前 まさか バスケットボールを、、?」ハリー
仙道はもう数年も履いてこなかったバッシュを取り出した。そしてハリーからパスを受けると、そのスキルを披露し、ボールを地面にたたきつけ、飛び跳ねたボールをキャッチしそのままダンクを決めた。
「バン!!」 「ギシギシシ」
リングのきしむ音が響いた。
「はっはっー アキラ!! なんだ お前は!! こんな姿を隠していたのか!!」ハリー
ハリーは仙道の姿に魅了された。元気ももらい最高の退院祝いだと笑った。
仙道彰のバスケットにおけるカリスマ性は異国でも発揮したのである。
「ハリー。俺は日本でバスケットボールをしていたんだ。」仙道
「ハリー。車いすバスケっていう競技があるらしい。やってみないか?」仙道
「OK! アキラが魅了された競技だ! おもしれーに決まってる。やらない理由はない!」ハリー
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日本を離れて以来、バスケは仙道にとって日常にあるものではなかった。たまにやることはあっても自分始動ではなかった。異国での出会い、親友を通じて、仙道にほんの少しだけバスケが日常に戻ってきたのである。
そして仙道はジャンプシュートを決めた。
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「おー アキラ! どうやるんだ?」ハリー
「うーん。どう言えばいいかな!?」仙道
ハリーの体は健常者ではない、それ故に仙道の感覚で物事を説明するのは理にかなっていない。中々、入らなかった。
「難しいもんなんだな! アキラは相当、打ち込んできたんだな。」ハリー
「ハリー わり― 打点が違うよな(笑)」仙道
仙道は、地面に座って、シュートを放った。
「あれ? 外れた はは こりゃ 難しいぞ(笑)」仙道
「練習が必要だな!」ハリー
この後、仙道はハリーにバスケを教えることとなるが、それはそれ以上でもそれ以下でもなかった。眠れる天才はまだ完全に目覚めてはいなかった。
続