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文系でも出来る「定量・定性mix報告書」のすすめ

こんにちは。デザインマネジメントファームCOLOGUEでデザインリサーチをしております藤井です。数字が苦手な文系な私でも作れる、定量・定性mixの報告書(レポート)の作成方法を共有したいと思います。

定量分析が苦手(文系)

私、私大社会学部卒のTHE文系です。そのため数字・数学・どちらも結構な苦手意識がありました。しかし「定量データ」は大変インパクトがあるので、どちらも扱えてこそリサーチャーだ!と心を改めて、近日は統計ソフトを用いながら定量分析の学習・実践を行っています。

そもそも、定量と定性とは何か

定量データ:数値化できる(ex.5段階評価や時間、人数など)
定性データ:数値化できない(ex.自由回答や観察データなど)


定量・定性mix報告書のメリット

mix報告書をつくりはじめてから、感じているメリットを先にお話します。

事象を立体的に捉えられるので、優先順位をつけやすい

定量データは大まかな傾向を掴むことができます。たとえばAという課題を全体の50%が抱えているなど、スコープの範囲における全体像が分かります。しかし、Aという課題の要因は何か?などの細かな分析をすることは難しいです。大きさや長さなどの「形状」を捉えるような感じ。

一方、定性データは細かな背景やデータ同士のつながりを考察できます。たとえば、Aという課題を抱えている人は〇〇というテーマについて語っていることが多い。Aという課題の本質はBという課題かもしれない、など。イメージ的には「テクスチャ(質感)」や「動き」を捉えられるような感じ。


内容ではなく「結果」に、具体的にフィードバックがもらえる

報告書をもとにした対話では「なんか良い結果っぽいね」ではなく「〇〇という層が前向きにとらえてくれて嬉しいですね」など具体的な対話ができることがmix報告書のメリットだと思います。


定量・定性mix報告書の作成方法

では、物事を立体的に捉え、定量と定性をmixする方法を検討していきます。データの収集方法は自由ですが、収集しやすいのはインターネットを介したwebアンケートやインタビューなどでしょうか。

1.報告書の目的を設定する

データの収集の前に、報告の目的を設定します。例えば「来年度のイベント実施を役員に検討してほしい」などです。目的達成のためにどのようなデータ(証拠)が必要か?と自分自身に問いを立てて、データを収集していきます。

できれば、証拠の「仮説」も立てられるとなお分析しやすくなります。例えば「参加者は、イベントが仕事に役立ったと感じるだろう」などです。一人で考えるのが難しい場合は、誰かと話してみると仮説が立てやすくなります。


2.データを分析する

データが集まったら分析です。1で立てた仮説が正しいか検証していきます。検証の方法や解釈は、状況によってさまざまです。

定量データの分析方法例

・t検定(平均値を確認する)
・相関分析(関係性を確認する)
・回帰分析(結果と要因の関係性を確認する)
・因子分析(特に影響力のあるものを探す) など

2018、小宮あすか・布井雅人、
「Excelで今すぐはじめる心理統計 簡単ツールHADで基本を身につける」講談社より引用。
これは単回帰分析です

仮説の検証をする意識で分析を行っていきます。上記のレポートは「弊社のビジョンの理解度が高い社員は、社内アワードに関連性を見出しやすいのではないか?」という仮説の検証を行っています。

詳しい分析の仕方はこちら↓を参考にしました。excelで統計分析ができます!本の通りにポチポチすれば、文系の私でも簡単にできました!

定性データの分析方法

・分類法(上位下位関係性分析など)
・KA法
・ジャーニーマップ・問題シナリオ
・ワークモデル分析
・ペルソナ法

2016、安藤昌也「UXデザインの教科書」P134、丸善出版より引用

定性データの分析法については割愛します。今回例で出しているレポートは分類法を用いています。


3.データを見やすくする

上長からの又聞きですが、定量データの表現方法は円グラフか棒グラフがわかりやすいそうです。定性データはグループごとにまとめて、重要なコメントは抜粋を行います。

左が定性データのまとめ、右が定量データの円グラフ


4.提言や次回のアクションを記述する

分析をしても、報告書の目的を達成できなければ意味がありません。自分なりに得られたことから考察をして、報告する相手に分かる言葉で表現して伝えます。

わかったことをもとに考察を書きます。

Mission complete!お疲れ様でした!

文系でも、定量分析を諦めないで!

お読みくださりありがとうございました。
文系でも、数字に苦手意識があっても、定量・定性mix報告書はつくれます。両方があることで物事は格段に捉えやすくなると思います。食わず嫌いをしないで、定量・定性mixにチャレンジしてくださる方が増えることを祈っています。私ももっと勉強します。(もしオススメ!な書籍ございましたら、ご紹介ください…🙏)

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