マギアレコード総合同人誌「チコの星」発刊のお知らせ
初めまして!
当会はマギアレコード中心の同人誌発刊を目指す
サークル「チコの星」です。
1.寄稿募集要項
発刊時期(予定):2022年C101(冬コミ)
内容:マギアレコードに関する未発表の創作物すべて
(文章形式の場合、400字~)
・論考
・2次創作小説
・エッセイ
・コラム
・データベース
・イラスト
その他なんでも受け付けております!
謝礼:完成品を1部贈呈
第1稿締め切り:11月6日(日)
送り先・お問い合わせ先:
tychostar.magiarecord@gmail.com
もしくはsayopia(Twitter:@sayopia_)のDMまで。
お気軽にご連絡ください。
コンセプト説明などを以下で書いています。
少し長いですが、よかったら読んでいって下さい!
2.なぜいま、『マギレコ』なのか?
マギアレコードとは何ぞや?という方のために、まずは『まどマギ』の方から軽くご説明します。2011年に放送されたテレビアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」(以下、『まどマギ』)は、蒼樹うめ先生手掛けるかわいらしいキャラクターデザインと、虚淵玄が脚本を担当した残酷かつ重厚なストーリー展開、新房昭之監督とシャフトそして劇団イヌカレーのタッグによる独自の映像演出の組み合わせで、社会現象とも呼ばれるほどの熱狂を見せました。第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞したほか、2013年に劇場公開された『【新編】叛逆の物語』は深夜アニメ枠として初めて興行収入が20億円を突破しました。私はリアルタイム世代ではないので当時の情勢は文献から垣間見る事しかできませんが、現在に至るまで巨大なインパクトを残し続けている作品といって間違いないでしょう。
『まどマギ』の放送10周年を迎えた昨年2021年には、全国で10周年記念展示会が開催されたほか、正統なる続編として『ワルプルギスの廻天』が発表されました。たった30秒の予告動画なのにも関わらず200万回以上再生されていることからも、多くのファンが期待を寄せていることがわかります。
時を遡ること2017年――『叛逆の物語』から4年――、『魔法少女まどかマギカ外伝 マギアレコード』(以下、『マギレコ』)がスマートフォン向け魔法少女RPGとして配信開始されました。制作はアニプレックス、開発はf4samuraiが担当し、キャラクターデザインも蒼樹うめ先生をはじめとする多くのイラストレーターの方が協力されています。2020年からは『まどマギ』を担当したシャフトの制作でテレビアニメ版(以下、『アニレコ』)も放送され、アプリ版第1部の内容が映像化されました。
そんな『マギレコ』ですが、客観的に見て『まどマギ』ほどの熱狂は見せていないというのが現状です。『マギレコ』ではランキング形式のイベントが定期的に開催されています。試しに初日に少し成績を落として参加するとわかりますが、最上位層以外はほとんど参加していないのが実態であり、アクティブユーザーで賑わっているとは言い難いです。フレンド欄を見てもログインが数か月前になっている方が少なくありません。売り上げが全てというわけではありませんが、試しに同じアニプレックス案件である『Fate Grand Order』(以下、『FGO』)と比べてみるとその差は大きいです。主要登場人物5人で完成度の高い物語を展開した『まどマギ』に比べてキャラクターが多すぎると思われているのか、あるいは単に『まどマギ』の設定を借りた二次創作だと思われているのか、その理由は判然としません。
10周年を迎えた本編の盛り上がりとは別に、『マギレコ』の先行きは非常に不透明であると言わざるを得ません。現在『マギレコ』は第2部のストーリーが大詰めを迎えており、第3部の制作予定があるのかは発表されておりません。
元々、『マギレコ』の制作経緯は
と説明されます。では、『マギレコ』は本当に本編の新作が完成するまでの「時間稼ぎ」でしかなかったのでしょうか。あるいは、『Scene0』の「お膳立て」をするための作品でしかなかったのでしょうか。
曲がりなりにも『マギレコ』をプレイしている私には、そのような意見は異なると、自信を持って断言できます。メインストーリー第1部では、願いを忘れた魔法少女=環いろはの妹探しが、魔法少女システムへの反抗の試みに巻き込まれていく物語が展開されました。これは鹿目まどかといういわば「規格外の願い」が使えない場合、どのようにキュウべえと関わっていくかという話でもあります。現在進行中の第2部では、システムへの反抗という継続軸がありながらも、各地からそれぞれの信条をもった魔法少女グループが集結し、魔法少女としてあるいは人間として生きていくとはどういうことかを巡る物語が展開されています。『まどマギ』ではほとんど描かれなかった「社会」の存在が重くのしかかってきたり、新たな概念とでも呼ぶべき存在が仄めかされたりなど、目が離せません。魔法少女ストーリーでは主に各魔法少女の契約の背景が明らかになります。季節毎に開催されるイベントストーリーでは単なる新実装キャラクターの紹介の範疇にとどまらず、ゆるいものからメインストーリーに関わるシリアスなものまで魔法少女たちの生きざまが記録されていきます。
さらに、今年の春にいったん完結した『アニレコ』も非常に重要な作品です。そもそも、5人の少女の話に集約させた『まどマギ』では時間遡行という強固にメタ的な能力を持つ暁美ほむらと、文字通り「女神」となってしまった鹿目まどかという、いわば「ネームド」な登場人物たちの関係性が物語―世界を駆動する軸となっていました。その傾向は『叛逆の物語』においても同様であり、今度は暁美ほむらの方が「悪魔」になるという、いってしまえば神話のような展開を迎えています。一方、『マギレコ』ではソーシャルゲームの形式上各魔法少女に個別のストーリーが与えられており、これは「アンネームド」な少女たちの物語――『まどマギ』最終話では駆け足でわずかに描写されるにとどまった無名魔法少女たちの物語――を「ネームド」に受け止めていく行為に相当します。
そんな『マギレコ』内でも「アンネームド」なままの魔法少女―黒羽根と呼ばれる―は存在し続け、彼女たちの悲嘆や後悔、憎しみはくすぶり続ける問題として残り続けていました。『アニレコ』ではそれを受けてオリジナルキャラクターとして黒江という魔法少女が登場し、この「アンネームド」問題―「ネームドはアンネームドを救えるのか?」―に真っ向から取り組んでいました。その結果はハッピーエンドとは言い難いものでしたが、非常に挑戦的な試みだと評価できます。加えて、アプリ版の黒江(簡単にいってしまうと『アニレコ』は『マギレコ』とは別の世界線ということになっています)にまつわるストーリーでは、この問題に対し非常に真摯な回答を加えようとする姿勢が見えます。
少し『まどマギ』の話をしましょう。ゼロ年代文化の総決算と評されることもある『まどマギ』ですが、その後作品批評が(少なくとも商業媒体においては)若干の後退をみせたことにより、後続世代から見ると一体全体何が「総決算」だったのか、その正体はきわめて散逸してしまっています。ほむらによるループの要素でしょうか。あるいはバトルロワイヤル要素でしょうか。なぜそれらの要素が当時の人々をあそこまで熱中させたのでしょうか。そもそも魔法少女とは何だったのでしょうか。本同人誌の射程はあくまで『マギレコ』にありますが、副次的に『まどマギ』を振り返る契機ともなるでしょう。『マギレコ』を論じることにより、『まどマギ』からの10年とは何だったのか、そしてその先はどうなっていくのかーー大仰に言ってしまえば、それらの問いに近づくことができます。
もはや詳細に論じる余裕はありませんが、12話という最小限の話数で物語を展開した『まどマギ』では「何を願ったか」(そしてその反転として絶望に至る)が最も重視されていたのに対し、『マギレコ』では「願った後にどう生きていくか」が最も重視されていると私は考えています。そう、『マギレコ』は『まどマギ』の「外伝」であるにも関わらず、重厚な作品世界として完全に独立した魅力を持っているばかりか、「本編」そのものを脱臼させてしまうかのような力を秘めているのです。そして私の見立てでは『まどマギ』と『マギレコ』は決して対立するものではなく、むしろお互いに補い合うような関係にあります。『まどマギ』との対比から『マギレコ』の魅力を発見することはもちろん、『マギレコ』から遡ることで『まどマギ』を再評価することも十分に可能です。こうしたアプローチを取ることにより、結果的に『マギレコ』『まどマギ』から何某かのクリティカルな視座を取り出せれば良いと思います。
評論系の筋に偏った話題を展開してしまいました。が、本来作品の魅力はどのように読み解けるかなどといった尺度で測れるものではなく、個々人の心にどれだけ刺さったか、それだけですし、それだけであるべきだと私は思います。評論・2次創作・コラム・エッセイ・イラストなどは全て表現形式の違いでしかありません。ここまでの文章で誤解を招いていたら大変申し訳ないので強調させて頂きますが、本同人誌は『マギレコ』に関する「ありとあらゆる」創作物を歓迎いたします。『アニレコ』のみの視聴や、『まどマギ』放送当時を知る方から見た『マギレコ』の印象などでも全く構いません。ほんの少しでも『マギレコ』に関するものでしたら大丈夫なので、なんでもお気軽にご相談頂ければと思います。
そろそろ結びに入りましょう。『マギレコ』がこのまま終わってしまうのか、あるいはこの先も続くのかはわかりません。たとえ終わってしまうとしても、『マギレコ』を「誰も知らない 私たちの物語」で終わらせてしまって本当によいのでしょうか。私たちに出来ることは何も無いのでしょうか。そんな事はないはずです。二葉さなが示してくれたように、物語には力があります。そして、佐鳥かごめのように、私たちにもまた、諦念に呑まれずに彼女たちの物語を少しでも広めていくことが出来るはずです。
以上を踏まえ、本同人誌のコンセプトは
「マギアレコードの魅力をより広く伝える、開かれた本にする」
ことに定めます。ここでの「開かれた」というのは現在の「『マギレコ』を知らない人が読んで『マギレコ』に触れたくなる」ということを指すと同時に、未来に向けての射程も含めています。『マギレコ』がサービス終了してしまった遠い未来では、運が良ければシナリオブックの類は入手可能かもしれませんが、当時のプレイヤーがどんなことを思ってプレイしたのかという記録は残りづらいでしょう。たとえ今は難しくても、『マギレコ』が再評価されうる基盤を作っておくこと。
こうした目的をもって、「マギアレコード同人誌『チコの星』」の発刊を宣言致します。
最後までつたない長文をお読みいただき、ありがとうございました。
ご興味を持って下さる方がいらっしゃいましたら、先述のアドレスもしくは代表のDMまでお気軽にメールをお願い致します。ご連絡お待ちしてます!
*サクカです。
ネタバレ注意!!!
*12章前編を既にプレイ済みの方へ
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これは完全にタラレバですが、12章前編の展開は、我々モキュが最初にミラーズいろはのボウガンを神回避していれば万事解決していたはずです。その前にも我々はイブに飛び込んだり暗号を運んだり色々していた訳ですが、見せ場がある割に振り返るとあまり活躍出来ていません。そういった意味で、あの絶望的展開の責任の一旦は我々モキュにあるとも言えます。
色々と格好つけて書いていましたが、要するに
「いろは達が頑張ってるんだから、モキュ達の側でも『むすんでひらいて座談会~第2部をまとめて~』を開催するべきなのでは?」
というコンセプトです。それが結果的に『マギア レコード』になって作品の魅力を広めるのに貢献できれば、もしかしたらそれが『ほんとうのさいわい』かもしれませんね。初期かごめちゃんを思わせるポエティックな文で締めたいと思います。よろしくお願いいたします!