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メキシコのジャズ事情①

メキシコにいた間、本や友達に尋ねていくつかジャズメインのヴェニューを訪れ、結構面白い経験ができたので綴ってみようと思う。

けどまあ一体どんな人がこの記事に辿り着くのだろうか。メキシコに来てしまった音楽好きのバックパッカーか、タコス屋を始めてBGMにジャズなんかいいんじゃないかと思い始めたオーナーくらいしかこの記事にヒットする人を思いつかないが、まあ「メキシコ ジャズ」なんて検索する人は全員友達になれそうな気がするので気楽に書いていきます。

ZINCO JAZZ CLUB (メキシコシティ)

たぶんメキシコシティのジャズ好きに聞いたらすぐに名前が挙がるだろうジャズクラブが「ZINCO JAZZ CLUB」。シティの中心部にある重厚な造りのビルの半地下に入っている名店。ロンリープラネットにもしっかり載っていたので結構な知名度なんだと思うし、日本でいえばblue note Tokyoのような立ち位置なんだと思う。現地の音楽好きの兄ちゃんに聞いたら「ああZINCOね、知ってるよもちろん。行ったことないけど」みたいな。

でそういうカッチリしたとこはどうも面白味を感じなかった(屋上のビアガーデンみたいなところに通っていた)のでシティに来てからしばらく足を運ばなかったのだけど、平日ここしかライブやってるとこが見つからなかったときにまあ一回行ってみるかと思い立ち、店のあるZinco de Mayo通りに向かってみた。

店は特に看板もなく、1つの窓も付いていないのでドアの上に小さく書かれたZINCOの文字に気づかなければ普通に素通りしてしまいそう。薄暗い地下への通路を進むと正装の女性が今日の出演アーティストと料金を伝えてくれる。で300ペソ。
だいたい1800円(当時)くらい。鬼安い。店の雰囲気とか知名度からすると鬼安い。
けどそのときの、金銭の基準が完全にタコス何個分かになっていた自分からすると「タコス30個分!?法外な値段じゃねえか!」ってことで一旦は退散。
それで通路からまだ日が落ちきる前の外に出ると、ちょうど壁の奥からスペイン語の女性ヴォーカルの甘い歌声が。タコス脳が一気に冷めた自分は再び通路を進みタコス30個分と引き換えにZINCO JAZZ CLUBに初潜入した。

店内は平日の夜にも関わらず大盛況。重厚なバーカウンターと色温度高めのライトに照らされた店内はシティでは相当ハイクラスの風格。
カクテルもかなり揃っていたしフードメニューも充実していたんだけど、300ペソで痛手とか思ってるけちな旅行者が頼むはずもなく、とりあえず血迷ってホットコーヒーを注文すると、空いていたカウンターの隅で演奏に耳を傾けはじめた、、
(つづく)






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