日向坂文庫2021#7(高本彩花×知念実希人『黒猫の小夜曲』)
noteを開いていただきありがとうございます。
こんにちは、ちゃすいです。
今回は高本彩花さんが表紙になる知念実希人さんの『黒猫の小夜曲』の感想について書いていきたいと思います。
亡くなった人の魂を「我が主」の下へ案内する、とある優秀な死神。
とある日、彼は地上に残る魂、地縛霊のために奮闘していくことになります。
そして、その中で高貴な「道案内」でありながらも、人間らしさを身に宿していく物語。
とあらすじはこんな感じでしょうか。
個人的にはぜひこの死神の変化に注目して読んでいくのもありかなと思い、上のようなあらすじを書いてみました。
ちなみに裏表紙のあらすじは以下の通りです。
黒毛艶やかな猫として、死神クロは地上に降り立った。町に漂う地縛霊らを救うのだ。記憶喪失の魂、遺した妻に寄り添う夫の魂、殺人犯を追いながら死んだ刑事の魂。クロは地縛霊となった彼らの生前の未練を解消すべく奮闘するが、数々の死の背景に、とある製薬会社が影を落としていることに気付いてー。迷える人間たちを癒し導く、感動のハートフル・ミステリー。
うーん、なるほど。
クロの目線に立ってあらすじを書くとこうなるのか~。
最後のハートフル・ミステリーていうのが個人的に好きですね。
確かに内容としてはミステリーの要素が多いので、謎を考えつつ読んでいくのもいいでしょう。
同時にハートフル、つまり心が満たされるという点に人間らしさが入っている気がします。
人間は往々にして誤った選択をする愚かな存在です。
しかし誰かを想ったり、助けようとしたりとするいい面もあります。
そんな一面に心を惹かれたのでしょう。
クロは最後、天界に帰るのを拒否し地上に居続けることを選択します。
ふとこの作品を読んでいて思い出したのですが、どこかの小学校だったか中学校だったかで、自由な学校ではなく、自由になる練習をする学校があった気がします。
何でもかんでもOKというわけではなく、人は誰かと一緒に過ごすために何らかの制約やルールの中にいます。
その中でも、時にはルールを改訂することも視野に入れつつ、ルールの中で自分のやれることを探す。
やりたいと思ったことをルールと折り合いをつけながら、できる形で実行する。
そんなただ従うだけでなく、意思をもって行動する。
そんなところもまた人間らしさを取り入れた瞬間だったのかなとふと思いました。
少し話が変わりますがタイトルにあります、「セレナーデ」っていう言葉の意味はご存じですか?
この小説を読むまで知らなかったのですが、というかDASADAのセレナーデパイセンのイメージが強すぎて、日本語が「小夜曲」となっていることに違和感を覚えていました。
ですが、意味を調べてみるとなるほどっと。
もともとラテン語で「穏やかな」を意味する serenus を語源とするらしく、現在では夜に恋人のために窓辺で歌うことや、奏でられた愛の歌を意味するそうです。
猫ゆえに窓辺っていうところや、最後意識を取り戻した白木麻矢を見守り続けるという点で愛、なるほど、だからセレナーデというタイトルがついてるんだなと納得しました。
こっからは憶測ですが、DASADAにおいて加藤史帆さんがセレナーデ先輩を演じましたが、もしかして「男友達だから」という曲(これは恐らくセレナーデに該当すると思います)を歌っていたからでしょうか?
もしそうだとしたら、DASADAのキャスティングした方は加藤史帆さん推しだったのでしょうかと勝手に憶測してしまします(笑)。
(あっ、すでに既出の内容だったら申し訳ないです)
とまあこんな感じでしょうか。
サスペンスとも人情物語とも色々楽しめる作品でした。
以上最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは失礼します。