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日向坂文庫2021#20(佐々木美玲×あさのあつこ『一年四組の窓から』)

noteを開いていただきありがとうございます。
ちゃすいです。

今回は佐々木美玲さんが表紙となる、あさのあつこさんの『一年四組の窓から』の感想を書かせていただきたいと思います。

まずは登場人物について。
・井嶋杏里:芦藁第一中学校に1年の夏に転校してきた子。祖母と母との3人暮らし。
・市居一真:芦藁第一中学校の1年生。
・里館美穂:杏里の隣の席の子。
・前畑久邦:一真と幼馴染。




1.あらすじ

とある日、杏里は中学1年の夏に芦藁第一中学校に転校することになった。
転校して数日たったある日、空き教室である1年4組で過ごしているとそこに一真がやってきてくることから4人が出会うことになる。
しかしその裏ではそれぞれの葛藤があり・・・。




2.感想

いやー、中々甘酸っぱい作品でした。

野々村桃花が木谷修也に恋をしており、杏里が修也に、桃花の代わりに手紙を渡すシーンや、美穂は一真のことが好きなのに、一真は杏里のことが好きであるというこの三角関係は読んでいて苦しいなと感じました。

特に後者の三角関係については、読んでいてどうなるのかなと不安になりながら読み進めていました。
結果的に美穂は自分が好きな人を取られるから恨みたいけどでも、友達である杏里も失いたくないという葛藤に悩まされながらも、現実を受け入れます。
好きな人が取られることよりも友達を失うことの方が怖いと。

なんとなくですがわかる気がします。
友達を失うことで、自分の居場所が失われる感じがするんですよね。
美穂も以前、友達から仲間外れにされたことがあったというので、もしかすると友達を失った怖さをしっているからこそ、杏里を失いたくないという思いがあったのでしょうか。


ただこの友達というのがまた曲者で、どういう関係性が友達なのかという問題があります。
作中では自分の内になる感情をしっかり伝えることができ、また相手の想いをきちんと受け止めることができるのが友達であると。
感情を伝えるために、喧嘩したり言い合うこともあるけど、それでも肩を並べて歩いたりできるという。

確かに言いたいことがあるけど言えないのは辛いですし、わだかまりの原因になります。
それゆえ言いたいことが言い合えるのはいいことだなと思います。
と同時に、どうすればそんな関係になれるのかなと思います。

恐らく最初はお互い言いたいことが言えないけど、だんだん言えるようになる。
その境目はどこにあるのか。
この人になら言っても大丈夫だと思わせる安心感や信頼感を与えられるか(受け取ることができるか)というところでしょうか。

そうでないと言えそうにないですからね。




とまあ今回はこんな感じでしょうか。

自分の中高生時代のことを思い出したり、友達を大事にしようと思わせてくれる作品でした。

それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

次回も読んでいただけると幸いです。

失礼します。


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