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日向坂文庫2021#14(東村芽依×藤岡陽子『晴れたらいいね』)」

noteを開いていただきありがとうございます。

ちゃすいです。

今回は東村芽依さんがカバーとなります、藤岡陽子さんの『晴れたらいいね』の感想を書いていきたいと思います。


まず本を読んでの感想として、裏表紙のある本は読む前にちゃんと裏表紙のあらすじを読まないといけないなと思いました。

最初2,3ページを読んでいるときは、寝たきりになったおばあさんが目を覚ましたけど、家族とかがいなくて寂しくなっているのを主人公である紗穂が献身的に支えていく物語かと思っていました。


しかし実際は、戦中にタイムスリップする物語でした。
なので最初この小説はなんの物語なのかまったく理解できませんでした。
途中で修正する力をつけないといけませんね。


さてこの物語では国のためには死ぬこともいとわず、捕虜になることは許されない当時の人々と、平成の考え方、捕虜になってでも生きよう、日本に帰って会いたい人に会い、やりたいことをやる、という未来への希望持つ人々の対比が鮮やかに描かれていました。

前者においては、岩代伍長の「月月火水木金金」という言葉や、自決するための手榴弾と、国のために働くことが美徳とされている点や、滅私奉公という言葉がまさに象徴的でした。

一方で、紗穂は命が尽きるまで、命を守ると、また「誰が始めたかわからない、誰のためなのかもわからない、こんな戦争なんかで死にたくないんです」という言葉を残します。

まさに個人の生命や尊厳、平和を重視する姿勢が見て取れます。


世界の国際関係やパワーバランスなどから見ると、なんのための戦争かというのもある程度見えてきますが、まあ今回はその辺りのことは置いておきましょう。


各個人の目線からすると、ほんと何のための戦争なのか。
滅私奉公に代表される姿勢を持つ軍人らの中で、命や尊厳といったものを重視し、最後まで生きる希望を失わまいとする紗穂の意志の強さは脱帽しかないです。

恐らくですが、紗穂が最後まで生きる希望を失わなかったのは、理解のある佐治軍医、厳しくも部下想いの菅野婦長、紗穂に最初から最後まで寄り添った美津の3人がいたからでしょう。

どんな苦しい時でも誰かの助けがあるだけで人は頑張れる具合が変わってきます。

勝手な憶測で書いてますが、常に支えとなる人がいることの大切さを重要性を感じることのできる作品であったなと思います。


さて、個人的にこの作品を読んでいて疑問だったというか、先に述べたような勘違いのためもあるのですが、タイムスリップ先がメインの話と分かるまで時間がかかってしまいました。
そのため、ずっと佐治軍医が長谷川先生なのでは?と思いながら読んでしまっていたのですがどうなんでしょう。

まあ違うとは思いますけど、人柄の良さがどうしても長谷川先生も一緒にタイムスリップしたものと思い込んでいました(笑)。

まあ佐治軍医はタイムスリップした長谷川先生でないなら、佐治軍医はなぜあそこまで寛容だったのでしょうか。

どうしても戦時中の人となると、全員岩代伍長のような人を思い浮かべてしまいます。
偏見ですかね。

戦時下の教育を受けながらも、個人を大切にした人もいるということは忘れない方がいいかもしれません。



と今回はこんな感じでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

次回も読んでいただけると幸いです。

それでは失礼します。


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