20240124-20240914
きみの色を観た。美しいアニメーション。
自分の感受性の低さからか正直なところ作品と波長が合わない感じがあり、深く理解できていないところはあるがそれはそれとして好ましく思うことのできるアニメーションでよかった。
言語化がむずかしい映画だったがおれはこの映画を引力と日高敏隆先生の提唱するイリュージョンがテーマの作品だと感じていて、両方のテーマがすでにリズと青い鳥とたまこラブストーリーで描写されているものではあるのだけどそれを更にミクロの視点で描いているように思う。
みたいなことを書こうとしたが面倒になったのと山田尚子作品語りをするオタクが京アニ作品だけを引用しモダンラブ・東京や平家物語を引かないのってしょうもないよなと思ったのでやめておくことにする。探せばいくらでもそういう感じの感想はあるでしょう。知らんけど。
きみの色、トツ子の持つ共感覚のイメージが言葉では他人に伝わらないのに音楽の形を持つと多くの人々に伝わっていくというライブシーンがかなり美しく、音楽の力を信じていてグッとくる。そして劇中で多く対話してきたシスター日吉子には「水金地火木〜」がイマイチ響いていないというのもいい。シスター日吉子は言葉でトツ子を理解することができているのでわざわざ音楽を通して理解する必要がないことを表していて……。あと別にトツ子の音楽は趣味に合わないことを表していて。
シスター日吉子、「反省文〜」みたいなニュー・ウェイヴっぽい曲は好きだが「水金地火木〜」みたいな相対性理論っぽいポップ・ソングは好きじゃないんだろうな。前2曲が終わったあと「水金地火木〜」が流れたあとの踵の返し方がクラブで楽しく踊っていてふと辛い瞬間が訪れたときのおれそのものでいい。
閑話休題。劇中、めちゃくちゃ美しいシーンでBorn Slippyのほんわかしたアレンジが流れてきて思わず笑ってしまったと同時にトレイン・スポッティングのラストシーンと同じ美しさがあるなと感じたうえで山田尚子と牛尾憲輔のインタビューを一通り読んだらトレイン・スポッティングへの言及と
という発言があってよかった。間違ってなくて。
映画『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編』を観た。完全神回。
保守的なオタクなので横田拓己神キャラデザじゃなくなった虹ヶ咲を受け入れられるかずっと不安だったが虹ヶ咲の持つ魂の部分は全く変わらないアニメで本当に良かった。
アニメ2クールとOVAを踏まえてニジガクのみんなが成長していることがこの上なくいい形で描写されていて河村監督は本当にアニメがうまいなと思う。近江彼方さんが卒業を前に自分の進む未来をワガママに選ぼうとしていたり、たった一人の幼馴染のためのスクールアイドルになろうとしていた上原歩夢さんがこれから先の未来にスクールアイドルになるであろうすべての人達を祝福するためのスクールアイドルへと進化していたり……鐘嵐珠さんが語る上原歩夢さんへの想い、高坂穂乃果さんがSchool Idol Movieで捧げた祈りと、日野下花帆さんがルリ・エスケープで大沢瑠璃乃さんに語った言葉と全く同じで、劇場で堪えきれずウーウー泣いてしまった。スマンおれ……やっぱりラブライブ!が好きだ!
ゲストキャラもかなり良い。赤嶺天さんの歌って踊らない、三線を演奏するスクールアイドルというキャラクタ像、素顔を出さないスクールアイドルを描写してきた虹ヶ咲だからこそできるスクールアイドルという概念の拡張で……。
それはそれとしてスクールアイドル・グランプリの各所でライブができる設定、あまりにもバカでおれがラブライブ!に求めていたトンチキさで本当に嬉しかった。遊戯王のバトルシティ篇みたいでかなりユニーク。
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