新人研修×フルオンライン オンラインでの学びを成功させるための3つのポイント(2)
前回から引き続き、オンラインでの学びを成功させるための3つのポイントの2つ目です。
2.Online Learner Competencies
学習空間がオンラインになり、物理的に周囲に人がいない状況となりました。そのような中、効果的な学習を継続していくには、今までの集合研修とは異なる資質が求められます。ここでは、コロナ禍2020年12月に実施された「18歳意識調査 - 教育格差 -」を引き合いに、オンライン環境での学習者に求められるコンピテンシー(行動特性)を示します。
Agile Japan 2021 内での以下 問いかけへの反応は、、、
参加者視点で、研修がオンラインの場に移って
A. 学びが深まった
B. 微妙だなぁ
A. 学びが深まった 93 % でした。
さすが、参加者の主体性が試される・引き出される Agile Japan に参加しているだけある
18歳意識調査 - 教育格差 -
日本財団が2020年12月に実施した、教育格差 に関するアンケートによると。コロナ禍に実施されたアンケートということもあり、教育の場がオンラインへ変化し、それに対応できるか・できないか が教育格差 として表れている。
https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/eighteen_survey#anchor33
教育格差の具体的な内容として1つ目に、学習環境の差に関して調査されている。学習環境の差に関して、格差があると感じた理由として「集中して勉強できる環境が家庭になかった」が1位となっている。(要約版pdf P. 5, 6)
オンライン学習では、使用するデバイス(PCやタブレット)の性能や、インターネット回線の品質、ビデオ会議でのコミュニケーションをより円滑・効果的にするための周辺機器(デュアルモニターなど)、学習に利用する機材環境が学習効果に大きな影響を及ぼすことは、2020年、2021年の実践からわかってきた。日本財団の調査においても、学習環境に格差があると感じた理由の4位に「家庭や学校のデジタル環境の整備に差があった」があげられている。(要約版pdf P. 6)
私が実施している、オンライン環境が学習に及ぼす影響アンケートでは、個人の学習デバイスや物理的空間が学習に良い影響を及ぼしたという以下のようなコメントも散見された。
・ 普段使い慣れた自分のPCで学習できる
・ ひと目を気にせずに、集中・リラックスできる
・ 自分好みの快適な温度で学習できる
この結果から、オンラインでの学習をより効果的なものにするには、個人の学習インフラ(物理的な基盤)を整えることが、前提として大切になってくる。
日本財団の調査では、教育格差の原因として考えられるものは?というアンケートい対して
・ 家庭の経済力(1位 25.3%)
・ 学校の指導力(2位 14.9%)
・ 教育環境の地域差(4位 9.4%)
・ 家庭や学校のデジタル環境の差(5位 9.4%)
などが答えとしてあげられている。これらは学習者を取り巻く外部要因と捉えることができる。
教育格差の原因と考えられているもののなかには、外部要因だけでなく、以下のような学習者の内部要因もあげられている。(要約版pdf P. 14, 15)
・ 本人の努力(3位 12.1%)
・ 本人の資質(7位 2.8%)
「本人の努力」と回答した人のコメントでは。
・ 「環境があっても本人のやる気がなければ無駄だから。」
・ 「自分が勉強するかしないかで、勉強できる人とできない人に差が生まれるから。」
「本人の資質」と回答した人のコメントでは。
・ 「学びたいという意識がない」
・ 「本人の意欲の差」
・ 「勉強意欲と将来への危機感」
研修を ”受ける” から 研修へ ”参加する” へ
以下の書籍では、オンライン環境下での学習者に求められるコンピテンシー(行動特性)が示されている。
コンピテンシーは、次の3つの大きなブロックで構成されている。
・ 個人の属性や知識・スキルのドメイン
・ 学ぶことに関するドメイン
・ 相互交流に関するドメイン
今回は、2つ目の「学ぶことに関するドメイン」に含まれるコンピテンシーを取り上げる。
・ Be a active learner.
・ Be a resourceful learner.
・ Be a reflective learner.
・ Be a self-monitoring learner.
・ Apply learner.
書籍では、各コンピテンシーに対して説明が付け加えられている。
受け身で授業・研修へ出席している状態では、学びが促進されない。
授業・研修の活動に積極的に関与していくことが、学びを促進する。
学習者が授業・研修の活動に関与する、機会や余白を、授業設計に含める必要がると考える。
最後まで読んで頂きありがとうございます。