ザ・ゴーレム(2018年製作の映画)
The Golem
鑑賞:2020/08/05、記事公開:2020/08/15
監督:ドロン・パズ、ヨアヴ・パズ
人造人間ものということで鑑賞。イスラエル映画というところも興味深々。
映画はそれなりに面白かった。
言語は英語。
舞台が1600年代で、それくらいの村の暮らしが見れてよかった。ペスト医師の扮装をした村人なども面白い。
当のゴーレムは、宗教や村民の暮らしの中にある様子が表現されていてよかった。CGの扱いもリアリティ優先で派手さはないが説得力は感じた。
ドラマは村を守るユダヤのカバラ秘術によって使役されるゴーレムと子供をなくした母親の二つが大きな素材。それを村の伝統や危機などと合わせて見せている。
ユダヤ教の生活など知らないことがいろいろ表現されていて興味深かった。
※※ネタバレアリ※※
ゴーレムの強い見せ方は、ターセムの「インモータルズ」ぽい感じ。
そのものの強さよりも被害を受ける方を派手に描く感じで、子供の姿とはいえ恐ろしさを表現している。おそらくはこの辺がやりたかったところで、勝算のあったところではないだろうか。筋としては、教義と伝統的な村のあり方と個との軋轢がベース。これはあんまりユダヤ教の世界観には見えない、おそらく欧米的価値観目線で、そんな大事な要素ではないけどイスラエル映画を期待したのに普通な気がしてちょっとがっかり。ただ制作サイドの興味はおそらくヴィジュアルだし、そこは結構工夫が感じられてよかった。砂の崩れる感じとか、子供の静かな何お考えているかわからない佇まいとか。