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意地悪の連鎖を止める唯一の方法

以前勤めていた会社で、失敗してから「それはこうなの」と後出しで怒ってくる先輩がいた。

最初からきちんと言ってくれれば私だって間違えなかったのにと、とても理不尽な気持ちになった覚えがある。

ただでさえ嫌な気持ちになる出来事なのに、そのことを理由に「そんこともできないとこの先なにもできないよ」とさらに追い討ちをかけるような言い方をされたときは、本当に心の底から悔しくなった。

あんな人には絶対になりたくない。

私はその先輩のことを、仕事は自分よりできると思ってはいたが、人として尊敬することまではできず、心の中では「絶対にこんな人にはならない」と強く思っていた。

それなのに、職場が変わって、自分にも後輩ができると、私もその先輩のように振舞いたくなってしまうことが度々あった。

いや、もしかしたら、その先輩のように振舞ってしまったこともあったかもしれない。

自分は120%の努力をしても怒られていたことを思うと、80%の努力と60%の結果でも大して怒られずに過ごしている後輩をみると、なんだか私がその人に対して強く接さないといけないのではないかという強迫観念に駆られるとともに、相手にも不愉快な思いをしてもらわないと自分の理不尽な気持ちが理不尽なまま終わってしまう気がして腹の虫が平穏ではいてくれなかった。

ずっとずっと良い人ではいられなかった。

だけど、私は、嫌な人への道をまっすぐに歩むこともしなかった。

多分、しなかったというより、できなかった。

なぜだろう。

多分、きっと、それは、一番最初に自分が嫌だと思うことをされたとき「私はこんな人にはならない」という意思を強く持つことができたからなのだと思う。

だからこそ私は、相手のことを不愉快にさせたいと思い、実際に不愉快にさせるような行動をとったこともあったが、そんな自分が「正しい」のだとは一度も思うことができず、自分の行動は「間違っている」と認識し、変えていこうという意識を持つことができたのではないかと思う。

意地悪は連鎖する。連鎖を止めるのは難しい。でも、連鎖をこれ以上広げないように踏みとどまる努力は最大限にしてみるべきだと私は思うし、これからもしていきたいと思う。

だからまずその第一歩として、このブログを読んでいる方々には、どんなに立場が上からの人の行動であろうとも、誰かから嫌なことをされたときに「嫌だ」とはっきりと思う気持ちを大事にしてほしい。


この記事は2018年2月1日に下記のサイトで投稿した記事の転載です
https://izimedarake.hatenablog.com/entry/20180201/1517467404

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