見出し画像

自分の考えだけで相手を判断しないために 相手の声に耳を傾ける姿勢

一頭の馬が歩けなくなってしまった
ある獣医はこの馬を飛節肉種と診断し
馬に丸薬を与えた

馬が本当に欲しがっていたのは
丸薬ではなく眼鏡だった

馬は足が悪くなったのではなく
視力が低下したために
歩けなくなったのだった

馬に眼鏡を与えたのは
もう一人の獣医

歩けなくなった馬に
丸薬を与えた獣医と
眼鏡を与えた獣医

さて
この二人の獣医の違いはなにか
それは馬と話せるかどうかの違いだった

丸薬を与えた獣医は
自分の知識のみで
判断したのに対して

眼鏡を与えた獣医は
馬の声に耳を傾けた上で
判断をくだした

それだけの違いだった

私たちの日常で馬の声を聞く必要がある場面はめったに訪れないが
馬に丸薬を与えた獣医のように
相手の声を聞こうともしないまま判断をくだしてしまうことは
私たちの日常の中にも存在する

相手の声を聞こうともせずに
判断をくだすのは
人権侵害であり
いじめである

あなたは相手の声に耳を傾ける姿勢を持っているだろうか

ちなみに馬に眼鏡を与えた獣医は
自分が英語を教えたオウムから馬の言葉を習う努力までしたことで
馬の訴えを聞くことができるようになった

相手の声を聞くことは簡単にはできない
2
まずは馬の言葉を覚えた獣医のように
相手の声を聞き取る努力をすることこそが
自分の考えだけで判断してしまいがちな私たちに求められている姿勢なのではないだろうか

参考文献:1951年『ドリトルアフリカゆき』ヒュー・ロフティング著 井伏鱒二訳

この記事は2015年5月7日に下記のサイトで投稿した記事の転載です
https://izimedarake.hatenablog.com/entry/20150507

いいなと思ったら応援しよう!