真実の日米関係史⑧
アメリカはなぜ、日英の蜜月関係を終わらせたかったのか
ところが、そうなってくると、アメリカとしては面白くないのです。
当時のイギリスとアメリカの関係は、現在とはまったく違います。
イギリスは世界一の大英帝国でした。
アメリカはハワイまでを手に入れたけれども、当時、ハワイより西の太平洋を何と呼んでいたかというと、アメリカは「ブリティッシュ・シー」と呼んでいたくらいです。
「イギリスの海」、イギリスの勢力圏ということです。
まして日本がロシアに勝ったということは・・日本はイギリスと同盟国でしたから、ビリティッシュ・シーを確固たるものにしたという意味があります。
アメリカの歴史では、西部に「フロンティア」(開拓前線)があり、東部から西部への人口の移動が絶えず行われていたのでした。
このフロンティアの西進運動(西漸運動)を太平洋にも適用したいがために、かねてからの思い通りに、ハワイを取りました。
次はアジアの本命である、中国の巨大な人口のある市場に・・日本を超えて・・参入していきたいと思っていたわけです。
ところが、イギリスの勢力圏が強いとそれが阻まれてしまいます。
それで、アメリカはどうしたかというと、のちのことですが、日英同盟を破棄させることになります。
日本とイギリスがガッチリ組んでいられると、アメリカは東アジアに入っていけないのです。
そこにフリーハンドで入っていくためには、日本とイギリスを分断する必要がありました。
日本が単独ならば戦えるし、イギリスは世界中に植民地があるわけだから、単独では東アジアの方まで手が回らないだろうというわけです。
新興国アメリカと旧帝国イギリスという、新旧の覇権国の戦いの間に日本は立たされていたのです。
・・つづく・・
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【参考書籍】「太平洋戦争の大嘘」藤井厳喜著(ダイレクト出版)
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