911同時多発テロという名の不思議な話13

リムランドを支配するものはユーラシアを支配する?

カーター政権時より米国政府の外交政策は、当時の安全保障補佐官ズビグネフ・ブレジンスキーの描いた戦略をベースとして展開されています。

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ブレジンスキーは、キッシンジャーと並ぶ外交問題評議会(CFR)の重鎮であり、オバマ政権時代に外交アドバイザーを務めていたこともあります。

戦略家ブレジンスキーに強い影響を与えたのが「現代地政学の開祖」と呼ばれる英国のハルフォード・マッキンダー(1961〜1947年)です。

マッキンダーは「東欧を支配するものはハートランド(ユーラシア大陸の中央部)を支配し、ハートランドを支配するものは世界本島(ユーラシア大陸)を支配し、世界本島を支配するものは世界を支配する」と主張して、英国の立場からロシアへの対抗を説くランドパワー(国家が保有する陸地を利用する潜在的、顕在的な能力の総称。大陸勢力とも言う。対義語はシーパワー)の理論を構築しました。

このマッキンダーの理論を時代環境の変化に照らして応用したのが、イエール大学の国際関係学部教授ニコラス・スパイクマンです。

スパイクマンは「リムランド(ユーラシアの沿岸地帯)を支配するものはユーラシアを支配するユーラシアを支配するものは世界の命運を支配する」と主張して、米国政府にハートランドへの侵入ルートにあたるリムランドの主要な国々と米国が同盟を結ぶこと、ハートランドへの侵入ルートを塞ぐ強力なリムランドの国家を作らせないこと、リムランド諸国間の米国抜きの同盟をバラバラに切断すると同時に、ハートランドの国にリムランドの国々を支配させないようにすることを提案します。

このリムランド理論に沿ってブレジンスキーが指揮し、CIAが工作して、2000年頃から中・東欧や中央アジアの旧共産圏諸国でカラー革命(セルビアのブルドーザー革命やグルジアのバラ革命、ウクライナのオレンジ革命、キルギスのチューリップ革命など)が引き起こされています。

アフガニスタンはリムランドの中でも特に地政学的に重要な拠点で、北方にロシア、東方に中国、西方にイランと、米国にとって潜在的な脅威に囲まれています。

ここに米軍基地を建設して、有事になれば攻撃できる態勢を取っておくことが、国防においても、石油を確保する上においても非常に重要なのです。

基地の総数は非公開になっていますが、アフガニスタン北部だけで少なくとも74カ所が建設され、さらに現在も増設中であることは確かです。

また、2001年以来、中東全域でも秘密裏に米国基地が増設され続けているのです。

他にも冷戦が終結し、売上が急速に落ち込んだ軍事産業からの圧力なども理由として挙げられるでしょう。

軍事産業とは、人の生き血を吸い続けないと生きていけない怪物なのです。

つづく

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【参考文献】『国際銀行家たちの地球支配/管理のしくみ』 阿部芳裕 (徳間書店)

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