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天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿27

経営とは目標を立て、実行し、差異を分析して次に活かすこと(27)
経営を実践するには、まず「動く」こと、それが「変化」を伴い、結果として「成長」に結びついていくのである。ただ、がむしゃらに動けば自分の思うような形になるかというと、そうはいかない。
経営戦略を立てるということは行動や動きをより確実にするための準備ともいえる。要は経営管理を遂行する上で欠かすことができないといわれている「PDCAサイクル」をまわすことともいえる。
この場合の「動く」とは、計画(目標)を立てる、実際の行動に移す、そして計画と実際の差異を分析してフィードバック(改善)する4つの行動とになる。
 
当たり前のことではあるが、これから旅に出るのに目的地や日程、そして予算などを決めないで出かけてしまう人はいないであろう。経営においても全く同様であり、将来のあるべき姿を描き、そのための資金、時間、人(従業員)、機械などの設備などの準備などを決めてから行動に移しているのである。
そして行動に移せば、すべてが計画通りにいくとは限らない。しかし、うまくいかなかった原因を早めに突き止めて改善や方向転換をして軌道修正していくのである。
 
これだけ複雑で高度化した世の中になると、時代の変化に経営を合わせることよりも、自社の方向性を先取りして経営を行うこと。そして、方向性が時代に合わないような時には差異分析しながら目標や計画の修正し、方向転換を行っていくことが重要になるのである。
その意味でもPDCAサイクルを回すということは、社長にとって大きな役割と責務なのである。

 

計画の策定であるが、まずは5年先、10年先のあるべき姿を描くことが必要であり、この時点では、より大きな夢を想像して期待と希望を膨らませることが大切である。
1年先の見通しを立てるのも難しい時代において10年先がわかるはずはないと言われるが、自分の夢を描くことでこれから向かう方向に明るさと希望を持つことから始めなければならない。
そして3年先、5年先とより現実に近づけ、最終的には1年間の短期計画の作成となる。短期計画は月別にブレークダウンし、この月次についてPDCAサイクルを回していくことになる。
 
残念ながらPDCAサイクルを回して経営管理を実践している会社は少ない。一方、元気のよい会社の共通点は、目標を持っており、目標向かって行動し、目標と実際の違いを分析し、目標や行動を修正し、次に活かしている。
重要なのは計画と実際との差異分析であり、「なぜ達成しなかったのか」、「なぜ達成したのか」、「どこに問題があったのか」、「同じ間違いをしないためにはどうするのか」、「うまくいった要因は何なのか」・・・などについて吟味・反省することが、次の経営に活かすことになる。
 
PDCAサイクルの出発点である計画立案は社長自身の思いである。天風氏のいう「心ひとつの置きどころ」も経営者にとっては重要な言葉である。「こうしたい」「こうなりたい」…を強く思うことが大切であり、その実現は思う強さに比例するものである。
「新しき計画の成就はただ不屈不撓の一心にあり、さらばひたむきに只想え、気高く強く一筋に」
 

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