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読書ジャンルの変遷

読書録を割と長い間つけている方ならきっと楽しめる遊び。
自分の読書ジャンルの変遷を追う。
これをしてみたい。
(※注 本人しか楽しくないです)
 

読書ノートは41冊目に入った

中高時代:ファンタジーからの出発

1998年、中学を卒業する年に読書録をつけ始めた。そのころの読書リストを見ると、9割海外のジュブナイル・ファンタジー。
図書館ではドイツ文学の棚ばかり見ていた。ミヒャエル・エンデのせいである。読書録の記念すべき第一冊も『モモ』だった。
近くにあったヨースタイン・ゴルデルもだいぶ読んだ。『カードミステリー』が印象深い。

1998年分からエクセルにまとめている(右の謎欄はツッコミ不可)

高校時代はあまり本が読めなかったが、宗田理の「ぼくらシリーズ」は20冊も読んだようだ。なぜ。英文科の二次面接で好きな国内作家を尋ねられて「そうだおさむです」と言ったら苦笑されたのを覚えている。よくうかったな。

大学時代~:ファンタジーの外へ、日本の中へ

大学では読書好きの同級生からおすすめリストをもらったのが大きかった。荻原規子の「勾玉三部作」に出会うことができた。
「日本の本もええやん!」
浅田次郎の『蒼穹の昴』も大のおススメにあげられていたので読んだ。
「ファンタジーじゃないのもええやん!」
「大人の本も、ええやん!」

荻原規子と上橋菜穂子 間違いない

一応英文学科だったもので洋書も読んだが、Harry PotterやDarren Shan、DWW作品といったジュブナイル・ファンタジーものにほぼ限られた。これでよくも院まで行ったものだ。
しかも、トールキンは読めなかったのだ。日本語でもダメだった!
 
大学院に入った年、「1年100冊運動」を勝手に始めた。
卒論を書く際に、読書量が全然足りてないことに気づいたのだ。(遅い)

その辺りからか。和書は翻訳モノではなく最初から日本語で書かれた本をメインに読むようになった。
恩田陸、宮部みゆき、上橋菜穂子、長野まゆみ、いしいしんじ、梨木香歩……

清水義範は教会の友だちが好きだった 人と結びつく本もいいよね

国内ミステリー(というかメフィスト賞ものとか講談社ノベルス)も多少読んだ。森博嗣、京極夏彦……
西尾維新の「戯言シリーズ」はラノベっぽくてハマった。零崎人識が好きだった。
ほかにシリーズものでは茅田砂胡「デルフィニア戦記」に一夏どハマりした。すごい勢いで借りた。

学校図書館の常連に

2008年に就職。
学校に就職してよかったことの一つは、使える図書館が増えたこと。
読書熱の高い生徒があまり多くない学校だったため、新刊が容易に借りられた。市の図書館なら200人待ちの本をすぐに読める、これは莫大な恩恵だった。
司書の先生は「この本は〇〇先生が借りそう」と目星をつけて本を仕入れていたらしく、私は特によく「釣れた」そうだ。
放課後など、空いた時間に図書室をさまよった。閉架書庫も動かした。
伊坂幸太郎、辻村深月、有川浩、佐藤多佳子、米澤穂信、森見登美彦、近藤史恵、豊島ミホ……今リストを見ると、海堂尊のシリーズも読んでいたなあ。
小野不由美の「十二国記」シリーズについに手を出したのもここでだった。ひたすらに新刊を待ち望む民草の一人となってしまった。

十二国記読んだらこうなるの 読んだ人はわかるはず

教員生活は、つらかった。私は教員になりきれない半端者だったので。
現実逃避する時間が必要で、それが通勤電車での読書だった。
今日はこの本、明日はあの本が読める、その希望に助けられて通勤していた。職員室の机の引き出しには、いつも5冊以上本をキープしていた。職場に何をしに行っていたのか。
(閑職の図書委員会の顧問でもあった)

転職:小説以外も

真剣に転職を考え始めた2016年ごろから、実用書の類を読みはじめた。
それまで、本=小説だったのだ。
『フリーランスのための一生仕事に困らない本』
『成功する転職「5%」の法則』
『日本語教師になりたいあなたへ』などが読書録に散見され、涙ぐましい。

編集者と、日本語教師にも興味があった

2019年4月に転職。小さい編集会社。
このころの話もまた書きたい。けっこうブラックだった。
『裁量労働制はなぜ危険か』
『職場で他人を傷つける人たち』
『暴走する能力主義』なんて本を読んでいて、おお……殺伐。
 
2019年10月にまた転職。
未知の分野に入ったため、そのジャンルの本をけっこう読んだ。とはいえ一般向けの軽い読み物がメインで、勉強という感じはなかった。楽しく読めた。
一方で小説の割合が復活していて、精神の安定と展望の明るさが窺われる。
 
2020年の3月ごろからHarry Potter、Darren Shanがずらーっと並んでいる期間がある。コロナ禍で在宅勤務がメインだったころ。要するに、仕事が暇でシリーズもの洋書の再読に励んでいたわけだ。

図書館も行きづらい日々だったからかも(閉まってたかな?)

詩歌集とのおつきあいが始まる

2021年ごろから、詩集・歌集を読みはじめた。
『月に吠えらんねえ』の清家雪子と穂村弘の対談が載ってる『あの人と短歌』を読んだら笹井宏之がすんごいよくて、そこから『えーえんとくちから』読んで、穂村さんの歌集も読んで(エッセイしか読んだことなかった)、や、もうこれから歌集読むわ、となった。

短歌詠める人はすごい どうやったらそれ出てくるの?ってなる

詩歌集はしかし、図書館に置いてないこともけっこうある。BookOffなどでも棚はすごく狭い。たくさん売れるものではないから、発行部数がそもそも少ないんだろう。小池光の歌集とかもっと読みたいけどほとんど市内には置いてなくて残念。
 
2023年ごろから、noteでおつきあいのある方々のおすすめ本がぐわっと増える。相互フォローさんだと趣味が合うことが多く、心にヒットする確率もぐわっと上がった。すごい。皆さんありがとう。
積読も常に40冊以上(電子&物理)あって、この先何年も、読むものに困ることはないだろう。むしろ読み切れない。
あまりに読みたいものが増えた反動か、今は再読に力を入れている。

その他の発見

読書リストを眺めると、
「このころロザンにハマってたな」
「このへんは『月に吠えらんねえ』の影響だな」
「このシリーズそんなハマんなかったけどつい最後までいっちゃったんだよな」
とか思い出せて面白い。

『月に吠えらんねえ』読書ラインナップ

そして、四万温泉はここ数年ずっと詩集とともに訪れていたことが発覚。
『草野心平詩集』(2020年9月)
井伏鱒二『厄除け詩集』(2021年4月)
川上未映子『水瓶』(2024年2月)

狙ってないのにこうなった。
そういえば金沢には『智恵子抄』を持って行ったのだった。
旅と詩集は合う、気がする。ちょっとずつ読めるのがよい。


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