さよなら、おかえり
「え、日本語の曲が聞けるようになってる」
6月8日、12時くらいの話。
家を出る時にLINE MUSICをいつも通り開いて出てきた"最近聞いていないお気に入り"に見えたVaundyのtokimeki。それを「聞いてみよう」と思ったこと。思えたこと。意識して聞こうとした訳じゃなく、「そーいや最近聞いてないなぁ」と自然に聴き始めたこと。誰かにとってはなんでもない、でも私にとっては本当に本当に大きな一歩で、それは"私"が帰ってきていることに気がついた瞬間だった。
自分の立っている場所がどこか分からなくなってから、見ず知らずの他人から浴びせられる無責任な日本語を敬遠してきた。私はあの頃クラシックかKPOPしか聞けなかった。どんな日本語が自分を泥の中に沈めるか自分でも分からなくて、自衛するしかなかった。自分が自分を守ってあげるしかなかった。実際にそれが自分を守れていたのかは今でも分からない。
物語と自分を切り離すことが出来なくて、全てが私の表面をヤスリで削っていくようなあの時の気持ちは、もうどこかへ行ってしまった。怒りと憎しみと悲しみで覆われて、それが自分を守っているのか傷つけているのかも分からない、行方不明の私はもういない。
さよなら、私。
さよなら、あなた。
トンネルを抜けて世界が始まった。
おかえり、私。
好きは好きで、嫌いは嫌い。
忘れていた私の答え。
あなたは今どこにいるんだろう。
ありがとう、さよなら。
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