GUIDI
二足目のブーツ
ブーツとしては二足目。
アルチザンブーツとしては初めての一足です。
出逢いは女性向けのブーツを探してる時に見つけ
「なんだこれ」となったのが出逢い。
今まで見てきたブーツとは明らかに異質。
普通、革靴というものは革を何枚かに切り分け、
縫い合わせて靴の形にしていきます。
REDWINGだろうがWESCOだろうが革靴とは…
ブーツとはそういうものだと思っていました。
しかしGUIDIというブランドは、継ぎ目の無い
たった一枚の革でブーツを作ってしまう。
僕の今までの常識を壊したブランドでした。
GUIDIというブランド
GUIDIはもともと靴のブランドではなく、
約100年前から続く老舗のタンナーであり
革のブランドでした。
1896年、中世から革細工が深く根付いていた
トスカーナ州のペーシャにGuido Guidi
Giovanni Rosellini、Gino Ulivoの3名によって
タンナー『CONCERIA GUIDI E ROSELLINI社』
が設立されます。
「革への情熱と伝統への敬意」
guidiの理念は100年変わらず続き、良質な感触を
表現する為の「鞣し手法」は中世から伝わる
極めて伝統的な手法を用いています。
化学薬品のクロムは一切使わず、植物の渋
つまりタンニンにより、時間をかけて革を
ゆっくりと舐めしていく。
そのレザーの上質な質感は、C-DIEMや
CAROL CHRISTIAN POELLにも素材提供
していたと言われているほどです。
常にブランドが求める特質な革を作り上げる技術
は世界中から絶大な信頼を集めています。
CONCERIA GUIDI E ROSELLINI社が【GUIDI】
という靴のブランドを始めたのは2005A/W
という、ブランドの歴史から見ればあまりに
最近のことでした。
長年レザープロダクトに携わってきた確かな技術
は988 ジッパーブーツや992 ダービーシューズ
などの名作を世に放っていきます。
GUIDI 988
まず靴としての雰囲気が抜群にすごいです。
その雰囲気が出る要因として、タンブラーダイ
にて染め上げていることも要因の1つかと
思います。
タンブラーダイとは
製品として完成したのちに、染料を入れた樽の中
に商品を入れて煮染めながらゆっくりと回し
時間をかけて染め上げていくことです。
特徴は、糸や内側まですべて染まること。
不均一な色ムラや捻れが生まれること
また、ジップなどの金具も錆びて、靴の雰囲気に
マッチした表情になること。
この世界観を一度知ってしまうとなかなか
抜け出せない、という人が多い代物です。
さらに履き心地もすごいです。
履いた者にしかわからない着用感。
レザーの靴下の異名は伊達じゃありません。
形もそうですが、このフィット感の虜になり
988を購入したと言っても過言ではありません。
僕の988はホースレザーです。
GUIDIソフトホースと呼ばれる独特のレザーは
馬のレザーでありながら馬の独特の張りを抑え
柔らかく仕上げたという極上の一品。
もちろん経年変化で現れる馬革独特の艶感は
健在、むしろそれ以上かもしれないです。
ソフトホースの柔らかな質感は着用者の足に
合わせてブーツの形を変えていきます。
この写真は確か、履き始めてから約3ヶ月の時
の写真だったと思います。
レザーが柔らかく、シャフトも斜めなので
経年変化もとても早いです。
988特有の蛇腹状の履き皺。
トゥーの剃り上がり。
GUIDIの上質なレザーがあってこその
美しい経年変化です。
形の変化
履き心地の良さと、ジッパーを上げるだけで
簡単に履けるという手軽さで1年の大半を
GUIDI 988で過ごしていました。
やはりそれだけ酷使するとソールの交換は
必須です。
僕のブーツの使い方が荒いということもあり、
より丈夫なタンクソールに交換しました。
GUIDIに限ったことではありませんが
用途に合わせて形を変えることができるのも
ブーツの魅力の1つなのかなと思います。
988はどんなソールに変更してもカッコよく
雰囲気にマッチするというのが強みですね。
これからGUIDIを購入される方へ。
近年、第三次流通の普及によって中古で安く
洋服が買える時代となりました。
もちろん僕も利用することがありますし、
それらを利用することが悪い事だとは思いません
しかし、GUIDIを買う際はぜひ新品を買って
1 から育てることをお勧めします。
GUIDIのブーツは恐ろしくオーナーの足型に
沿って変化するブーツです。
足の形はそれぞれの人によって異なるので、
他人が履いた物だとサイズは合っていても
形があっていないことが多いです。
さらにその独特な染め方故、一点一点の
サイズ感が微妙に違います。
取扱店舗にて採寸をし、自分のサイズに合った
新品を育てるのに最も適したブーツです。
愛着を持ってGUIDIを育てたい
もしそう思っている方がいるなら新品を1から
育てることをお勧めしたいです。
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