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グラデーションの世界

自家用プラネタリウムで照らされた青い部屋でその電源を落としたとき、一瞬だけ部屋の中が赤く見えた。

実際にはそんなはずはなく単なる視覚効果か、はたまたただの勘違い。

でもその一瞬、赤く見えたのは
私の中で青の対となる色が赤だったからだと思う。

眩しい光を見たあと目を逸らすとそこに、暗転した同じ形が浮かび上がってくるかのように。

私の中で青の対は赤なのだ。

さらにいうと
犬の対は猫だし、
ゾウの対はキリンであり、
理科の対は社会で、
野球の対はサッカー、
目玉焼きにかける調味料において
醤油の対になるのはソースだと思っている。

しかし、カラーチャートを見ると青の対は赤ではなくオレンジであった。そして赤の対は緑である。
赤もオレンジも同じかと思われるかもしれないけれど、これまた違う。

さらにさらに、小さい頃からランドセルの色には違和感があった。

今となってはカラバリ豊富であるが、私の学校では赤と黒が一般的であった。

赤と…黒?なぜ黒?

女の子が赤のランドセルなのは分かるが、
男の子のランドセルはなぜ青色ではなかったのだろう?

性別のイメージカラーだとしても、トイレマークが女性→赤、男性→青ならば
やはり黒いランドセルは違和感があった。

誰かにとってみれば赤の対は黒かもしれないし
カラーチャートのように緑かもしれない。
白と答えられたら突飛に感じるが、「紅白」があるからおかしくはない。

などと挙げだしたらキリがなさそうなのでやめておくが、結局はきっとただの好みなんだと思う。

要は青と赤が並んでたら気持ちいいってだけだ。

だって今となっては目玉焼きに塩胡椒で食べているように、ソース派でなくなったからといって醤油派になるわけではなかったからね。

二極化はやめてグラデーションの世界を楽しもう。

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