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『Altoemion』と『You Are The World!』から感じたことについて
・はじめに
くろです。去年ぶりです。
今回も、田村ゆかりさんに関する記事を投稿します。
昨年、11月に『Altoemion』が、12月に『You Are The World!』が発売されました。それぞれ6曲入り、4曲入りのアルバムです。
自分も購入し、ゆっくりではありますが聴き込ませていただきました。
既にSNS上では『Altoemion』の感想、考察なども多く出ていますし、『You Are The World!』についても、段々書いてる方が増えてきた気もします。
もちろん、楽曲というのはそんな、正解となる考察があるものじゃないのは理解しています。各々の感覚を以て楽しむというのが、一番大切なのは間違いないです。
その上で、『Altoemion』の楽曲それぞれの感想と、『You Are The World!』と併せた個人的感情を、綴りたいと思います。
・『Altoemion』 楽曲ごとの感想
まず、全体を通して、衝撃を受けました。実を言えば、ラジオに触れる時間を作れなかったこともあり、全ての曲が初見の状態で聴いた身です。
「金魚」
綺麗なメロディラインに乗せた、感情を少しずつ乗せていくような歌い方。
バラード曲といえばそうなのでしょうが、決してか細くは無い、力強さに満ちた雰囲気で、世界に吸い込まれるような感覚。後から思えば、このアルバムへと誘う、案内人のような楽曲でした。
「ワームホール・バスストップ」
軽快でポップな曲調でありながら、どこか不安定な世界も感じさせる、散発性のある歌詞。
個人的には、ゆかりさんに「2%」を「2ぱー」と略して読ませることは、衝撃を受けた気がします。
「夢のあと」
ナタリーのインタビューで言われてた通り、色んな取り方が出来そうな歌詞だなと。歌詞の解釈というのは色々あるという思いを、改めて抱きました。
自分は普通にラブソングとして受け取ったので、ライブ後という感覚には「なるほど」と感じます。
それに、丘の上で空を見上げながら歌いたくなるような、切なくも温かいメロディが好きです。初めて聴いた時には、これ好きだなぁと一発で思ったりしました。
「逆蜻蛉」
最初の10秒ぐらいでぐっと掴まれた上で、強さと執念に満ちた歌詞、加工を乗せた歌声といったものに、震えあがったような。
好きではありますが、怖さも抱き。
元々、悲恋の歌が多い彼女ではありますが、意外と、こういう歌詞は無かった気もしますし、ありきたりな感想ですが「攻めたなぁ」と思わされました。
もしかすると、こういう歌を望まないファンが、いてもおかしくないでしょうから。
「スーパーノヴァ」
何度も聴くうちに、どんどん好きになっていきました。
何というか、言葉の一音一音を積み重ねつつ、遠くにあるものを掴もうとしているような……上手く言えませんが、銀河のど真ん中、無音の中で一人、歌を紡ぐゆかりさんの姿が見えるような、そんな歌に感じました。
「null」
歌詞カードを見ながらでないと、全てを味わうことができないような楽曲。でも、初見は何も見ずに聴いていたわけで、どういう意味だろう、でも歌い方が綺麗で良いなという、ストレートな感想を抱きました。
それと、彼女は "曖昧" という言葉に、何か惹かれるものがあるのかなとか、そういう想像も。
全体を通して思ったのは、「挑戦的」という感想です。インタビューでも書かれていたように、これらの歌は確かに、ライブで歌うというよりもCDでしっかり聴く、という印象がありました。
純粋な「好き、愛してる」だけじゃなく、遠くを見ながらも近くの貴方も見ている、色々な感情が複雑に渦巻く、みたいなことを、多く歌っているような。
何よりも、「別の方向を向いて歌った曲たちが、田村ゆかりという大きな括りによって、1つのアルバムになった」という印象でした。
美麗さ、ポップさ、温かさ、執念深さ、色んなものがそれぞれの曲に、バラバラに組み込まれているのだと。
・『You Are The World!』を聞いた上で
こちらについても、前述のインタビュー記事にあった「田村ゆかりのキャラソン」という言葉だけしか前情報は入れずに、通しで聴きました。こちらについては、聴き終わって最初に思ったのが、「確かにキャラソンかもしれない」なんて感情です。
本来は、こちらについても個別の曲ごとに感想を書くべきかもしれません。
ですが、「恋をした」「2つの言葉」「You Are The World!」「期待しないで」という4つの楽曲は、自分の中では何となく、1つの括りで考えたくなりました。
『Altoemion』が個々で別の方向を向きながら、それをゆかりさんの力、曲の力で1つのアルバムにまとめあげたという感想を抱き。
一方で『You Are The World!』は、可愛いという感情を強く、強すぎるほどにアピールするために楽曲をブラッシュアップした、それにゆかりさんが応えたという、一つの方向に向かい切った作品に思えました。
そういった意味では、対比があるのかもしれません。
もちろん、どちらが優れている、こっちはダメ、なんてことは、全くもってありません。自分にとっては、どちらも凄い作品です。
とにかく、『You Are The World!』については、何度か聴き直していく中で「田村ゆかりのキャラソン」という言葉が、どんどん具現化して、心の中で理解されていきました。
これは、『Altoemion』とは全く、違う受け止め方だったと思います。
・自分の書きたいこと
それと、凄いなと自分が思ったのは、この『You Are The World!』を、キャラソンという言葉に落とし込んだ本人、田村ゆかりさんです。一歩間違えば、こういう可愛い全振りの曲をそう表すのって、リスキーなはずだよなと。
でも、『Altoemion』で表したように、新しいことに挑戦して、立ち向かっている姿があるからこそ、パブリックイメージの "ゆかりん" に近いアルバムを、対比してそう呼べるのでしょうか。
今後、キャラソン的な楽曲を、ゆかりさんが出すのかはわかりません。でも、そんなキャラソンという表し方をした今だからこそ、またキャラソンを聴いてみたいな、という思いを抱きそうです。
もちろん、歌いたいものを歌ってほしいのは大前提、ですけどね。
・おわりに
言いたいことがバラバラになりそうですが、どちらのアルバムも面白く、何よりも楽しく聴くことが出来ました。
こんな風に2か月連続リリースなんて、大変だろうになぁと思っていましたが、何となく、こうして連続リリースすることに強い意味があったのかもしれないと、思ったりもします。
こう言ったところも、いわゆる深読みマンなのかもしれないですが。
そんなわけで、色々と感想、もとい怪文書にはなってしまいました。お付き合いいただきありがとうございました。