見出し画像

田村ゆかりさんの好きな歌詞と、「恋じゃないこと」で共感する自分の話

こちらは、田村ゆかりさんにまつわる文章を日替わりで書こうという企画、ゆかりっく Advent Calender 2024 の2日目の記事です。

昨日は たっきー さんの「新宿厚生年金会館のゆかりん 20060504」でした。

2006年となると、そもそも自分が "田村ゆかり" という存在さえ知らなかった頃ですし、歴史は長いんだよな、なんて思ってしまいました。
でも、彼女の可愛さに皆が打ち抜かれるのは、ずっと変わってないことなのでしょうね。


改めまして、"くろ" と申します。
昨年もアドカレ企画には参加させていただいたので、2年連続で書かせてもらう形です。

自分語り記事でありましたが、♡の反応も含め、多くの方に読んでいただけたみたいで、とても嬉しかったです。
読者の皆様、そして今年も企画を主宰してくださる ぷるお さん、ありがとうございます。

というわけで、内容とすれば上記の記事と少し関わるような、そうでもないような。
田村ゆかりさん(自分は "さん" 付けで書くことをご了承ください)の歌詞についての話です。

皆様が知っての通り、彼女の歌の多くは恋にまつわる内容。
ただ、私事ではありますが、恋というものへの共感は難しいです。

私は、自分のことで手一杯の人間ですから、「 誰かに恋するのってこうだよね」みたいな共感が出来ないまま、生きてきたと思います。

Twitterを見ていると、既婚のファンの方も多いですし、そういう内容にもしっかり共感できてるのだろうなとか。

自分なりに恋とかを経験してくれば、もっと深いところまで歌を感じられたのかなとかを、少し悔いたりもします。
(恋は相手がいることですから、傲慢なのでしょうが)

それでも、「この曲の歌詞、良いなぁ」とか「ドキッとする内容だな」といった感想は抱けますし、歌声も相まって好きといった思いも、同様に抱きます。

だから、田村ゆかりさんを好きと言う気持ちは間違いないですし、新曲が出るたびにしっかり歌詞を聴き込み、歌声に惚れ続けていました。

その上で。
自分が書きたいのは、「田村ゆかりさんの恋の歌に、恋ではない自分の感情を重ねている」ということです。

先述の記事でも書いてますが、自分はあまり、人生を上手く乗りこなせてないという自負があります。
苦しいなとか、寂しいなと思うことも多く、自分が劣っていることに悩みがちです。

そういう時に、田村ゆかりさんの歌がやはり、寄り添ってくれていました。

基本的に、彼女の歌は「可愛いな」「耳が幸せ」「表現力が凄いな」といった部分で楽しむ自分ではありつつ。

その中で、自分の感情に似ていて共感したり、寄り添ってくれてきた歌詞について、書いていきます。
ここからおよそ5000字くらいです。やっぱり長くてすみません。

1.『Melody』

2007年リリース。
ちょうど自分が彼女を知り始めた頃の、ラジオのOPテーマに使われていたのもあり、馴染み深い曲になりました。

「キミ」という言葉が登場しますので、恋の歌であることは確かです。
でも、自分にとってはずっと、寂しい気持ちにふっと寄り添ってくれるような歌でした。

 "眠れない夜は手を広げ 
  窓の向こうの光を目指した"

田村ゆかり『Melody』

眠れない夜、いくらでもあります。
なんとなく朝まで起きていて、時間を無駄にしてしまい後悔し、自分が嫌いだなと思う日も多いです。

そんな時に、この歌詞を思い出しながら、窓の外を見て手を伸ばしたくなったりします。

朝の光が現れてくるのって、夜更かしだという怖さもありますが、光を感じているんだよなと(少し無理に)ポジティブにいようとすることも同じくです。

"本当はきっと誰かに 
そのままでいいと言ってほしくて
思い出の中で口ずさむメロディーも 
忘れかけてた"

田村ゆかり『Melody』

誰かにそのままで良いと言ってほしい、というのは、本当にそうでした。
自分の生き方は正しいのか、不幸せに向かって突き進んでないかという恐怖心を、抱き続ける人間なので。

社会に出てすぐに(メンタル不良で)仕事を止めて、負の感情やら体力やらによりフルタイムで働くのが無理になってしまった自分。

そんな、世の中の人より劣ってはしまう身ですが、本当に、そのままでいいと言ってほしいなと思いもするわけです。
(生きる努力は忘れちゃいけないとしても)


そして、思い出の中にあるメロディー。
それは物心ついてから聴いてきた曲たちでしょうが、確かに、段々と忘れてきたような気もしました。

この曲好きだったよね、という朧気な記憶はあるとしても、なんかこう、「ずっと好き!」と胸を張って言える曲は、減っていくのに、増えていないような気がしてます。
(田村さんの曲が一番多いのは確かですけど、自分が忘れていってないかな?と思う時も)

"遠回りでもいいから 
未来の自分を誇れるように
辿りつく先で いつかこのメロディーを
響かせるから”

田村ゆかり『Melody』

ただ、ネガティブばかりでいるのも疲れちゃうな、という思いもあります。
そういう時に自分は、遠回りをしているけど、いつかは自分のメロディーを思い出せたら良いなと。

もちろん、強いメロディーを奏でて生きていくのは、難しいでしょう。頑張って働けるのも、人の半分くらいが関の山かもしれません。

でも、人に迷惑をかけないとか、ほとんど怒らないようにするといったことは、積み重ねているつもりです。
そういうところで、自分を誇れれば良いのかな?、なんて思ったりするのです。

2.『W:Wonder tale』

2013年リリース。
この歌については、1つ、強く心に残り続けるフレーズがあります。

"奇跡より 約束が好き"

田村ゆかり『W:Wonder tale』

奇跡というのはとても煌びやかで幸せだけど、約束の方が好き。
それを自分は、恋とは関係なく大事な感情だと思います。

奇跡、友達が突然100人増えるとか、仕事の給料がめちゃくちゃ上がって不自由しなくなりハッピーとか、現実的なところだとそういうのでしょうか。
(現実的な奇跡ってちょっと矛盾してるかもですが)

でもそんなのは、簡単に起こるものじゃないよねと。転職を頑張るとかはあるとしても。

それなりに歳を重ねてしまった今、地に足を付けられる人間でいたいな、大人として落ち着いていたいなと感じます。

その中で、自分の場合は特に、何か予定や約束を作ることの大事さを想うのです。
つまり、約束を結ぶことで、明日も、1週間後も、1か月後も予定が作れて、生きていけるのではないでしょうか。

ふっと、自分だけで完結してしまう人生が、寂しくなることも多いですし、生きる理由が消えかけることもあります。

だからこそ、心が寂しくならないためには、遠い未来のことだけじゃない、近い時間のことも大事にしたいなと、思ったりするのです。

リアルで誰かと遊びに行く……は、友達の少ない自分にとってハードルの高いことなので、たとえばネット上でチャットをする約束、一緒にゲームする約束などがあるでしょうか。

それも、自分と関わってくれる人がいるという大事な約束ですし、生きる理由となります。

だからこそ、奇跡より約束が好き、なのだと思います。その約束によって、ここまでは生きていようかなと考えられますから。


3.『Exactly』

2021年リリース。
最初にアコースティックバージョンを聴いた時から、めちゃくちゃ良いなと思った歌です。

その中で特に、大事にしたい感情もあります。

 "言葉は時々 「ほんと」とは違う 
 曖昧な並び方をする 
 でもあなたとなら 確かめ合える 
 その笑顔から答え合わせをしましょう"

田村ゆかり『Exactly』


現実での日常会話でも、小さなことで心が重くなりがちです。

伝える時間が少なかったり、そもそも自分がただ下手だったりして、相手に上手く理解ず怪訝な顔をされる。
そうなれば、悲しくなってしまうだけでなく、「言葉を上手く並べられない自分、嫌われてないかな、笑われてないかな」と怖くなるのです。

だからこそ、感情の擦り合わせ、答え合わせって大事だと思います。
全員とは難しいとしても、「食い違ったら嫌だな」と思うような相手なら特にです。(しつこいって思われてたら、という別の怖さはあれど)


私事ですが、自分はネットで小説を投稿してまして、もう4年くらいになります。
その執筆の時にも、この歌詞のような気持ちを大事にしています。

登場人物たちが、話して、たくさん話して時間をかけることで、感情を擦り合わせていける。
自分がそうありたいなと思うから、そういう小説を書きもします。

創作の中に限らず、とにかく答え合わせって大事で、かつ、それを出来る関係性が持てることが、とにかく幸せだということ。

だから、恋の歌ではありますが、自分にとっては、人間関係とかコミュニケーションの指針とさえ感じています。関係や会話の失敗が怖くて、結果、いたはずのコミュニティから逃げてしまうこともあったので。

全然上手く行かず、ダメだな、人間向いてないな、みたいに思いがちではあります。
だとしても、2人、あるいはそれ以上での会話で、自分が怖がりすぎないようにはしたいです。

"そうなの そうでしょう
幸せになろう"

田村ゆかり『Exactly』

そして、シンプルなワードではありますが、どんな形でも幸せになりたいな、という自分の思いを込めて、口ずさむことの多いメロディーでした。


4.『わすれもの』


2023年リリース。
ここ数年の自分にとっては、(曲調も似ていて表裏一体と感じている)『ケセラセラ』と並び、特に好きな歌の1つです。

"変わらない ものばかり探してる 
なのにどうして 
変わらないものばかり忘れてく 
なのにどうして"

田村ゆかり『わすれもの』

これも、本当にそうだなぁと思っていて。

自分は(田村さんにまつわること以外)趣味が本当に長続きせず、そして何より、長い関係の友人というものが少ないです。

生涯の趣味、生涯の友人といったものに憧れはするのに、せっかく買ったものを使わずに放置したり、数少ないLINEで繋がっている友人がいるのに、心がぐちゃぐちゃになってアカウントを消してしまったり……

そういったところで、人生難しくしてるんだろうなと思います。

だからこそ、この歌詞は響いているような。

変わらないものばかり探してるのに、自分が何を探してるのか、何を求めているのかって、ぐちゃぐちゃなままなのですよね。

"君に好きって言いたい今が 
ただ明日も明後日も 
変わらずにどうか続きますように 
って可笑しいね"

田村ゆかり『わすれもの』


君(=恋人に限らず、趣味、人、もの、あらゆることについて)
が好きと言えるものを見つけていたい、ずっと抱えていられるような、もうちょっと落ち着いた人間でいたいなと思ってます。

田村ゆかりさんについては、ずっと強く抱えられているかはわからない曖昧さではありますが、抱えてきたような感じです。

なので、彼女のことも、そして他のことも見つけて、抱えていたいかなと思うのでした。受け身じゃダメなのですけどね。


5.『うらはら兎のねがいごと』

2023年リリース。
アルバム『あいことば』と『かくれんぼ』は、自分の中では双璧を成すぐらいに大好きですし、好きな曲も多いです。

でもおそらく、新しいアルバムが好きを更新していくのだろうなとも思ってます。
それが田村ゆかりさんなのですし、ずっとそうでしたから。

 "ごめんね 上手に笑えない"
"うらはら兎が 心で跳ねるの"

田村ゆかり『うらはら兎のねがいごと』

成人男性である自分が、自分のことを兎として共感するのは、どこか申し訳なさもありますが。
それでもやはり、ぎゅっと来るものがあります。

自分はあまり、感情を表に出さない、出せない人間です。

きっとそれは、小学生くらいに笑った時の顔とか、慌てた行動をバカにされたことがトラウマとして深いのでしょうけど、いい加減克服しようよ、とも思います。

今だに、心の底から笑うのは難しいです。
でも、好きなものを好きと言うとか、面白い時は素直に笑うとか、そんな人間ではいたいなと。

そして、まだまだ難しいからこそ、この歌詞に共感するのだと思います。
無論、この歌詞が「嬉しいことをしてもらえるのに、好きな人の前で素直になれない」という意図なのはわかりつつも、です。

今も自分は、"落ち着いてる''とか"冗談とか言わなそう"とか、そういうことを周囲から思われがちです。

プラスの評価になるのは嬉しいですが、心では少しくらい跳ねてたりするんだよと、言いたいような気もするわけです。


"私を嫌いにならないで"

田村ゆかり『うらはら兎のねがいごと』

そして、ここ10年くらいの自分の感情の代表格は、このワードに集約されているかもしれません。
正直、最初に曲を聴いた時にはめちゃくちゃビックリしてしまいました。

恋では無しに。
周りの友人、同僚、知り合い、果ては通行人にまで、そう思ってるような気がします。

そういう部分において、「好きでいて」というよりも「嫌いにならないで」と自分で思うことは、心にとってはマイナスなのでしょう。

ある意味では、この歌詞を自分に当てはめすぎないように頑張ろう、なんて思うべきかもしれません。
好きな歌であることは変えぬままに。


6.『スーパーノヴァ』

2023年リリース。
悲恋であり、遠いところに行ってしまった相手を思い出すような歌なのだろうなと、自分はそう感じています。
どこか宇宙の果てで歌っているような雰囲気が、すごく好きな曲です。

"今夜ダンスを 踊るように 
その温もりを感じて 
いたい いたい"

田村ゆかり『スーパーノヴァ』

"その温もり" というのは、曲中ではきっと(今は会えない)相手を指すのでしょうが、自分の場合は、「誰か、何か」なのかなと思います。

温もりって、恋人、友人、好きなもの、好きなコンテンツなど、とにかく「好きな○○」から感じられるのかな?と考えています。
物理的なものに限らず、です。

ここまでの文章で察することもあるでしょうが、自分はとてもネガティブですし、会話も苦手でしかないです。
だからどうしても、夜は寂しくなることが多いので、溜息をついちゃうこともあります。


でも、この歌詞を呟き、心の中で踊るくらいの気持ちでいようかなと思ったりします。

今の自分が感じている温もりは、ネットに投稿してる小説とか、田村ゆかりさんのグッズとか、好きな歌とか、手元にある好きな文庫本とか、そういうものです。
もしかすると、自分が理解してない温もりだって、あるのかもしれません。

とにかく、寂しい、辛い、疲れた、そういう時はよく、この歌詞を思い出します。
そして、好きな温もりを思い出して、読んでみたりDVDを再生してみたりするのですね。

たとえ1人だとしても、ダンスを楽しめるうちはきっとまだ、生きていられるのかなと思います。

・おわりに


重めの感情が多くなってしまうことは申し訳ないですが、しかし確かに、自分にとっての大きな共感です。
大げさに聞こえたとしても、そこに嘘はありません。

生きるの難しいな、そう思うことばかりな人間ですし、友達も少ないですから未来への怖さはあります。

でも、なるべくポジティブに、1日を生きていこうとは努力してるつもりです。
その中で、歌に、田村ゆかりさんの歌詞に救われた部分があるのだと思います。

可愛い声や甘さに満ちた歌は、疲れた心を癒してくれる。

一方で、今回書いたようなものは、「15年くらい好きでいる人の歌に、自分の感情を乗せることを許してくれる」ような気がします。

だから、共感しながら小さく口ずさんでいるのでしょう。

作詞した方、歌う本人としては違う意図かもしれないのは、重々承知の上で。
恋をせずとも、恋の歌に心を守ってもらえることのありがたさを、自分は噛み締めさせてもらうのです。

_____

自分にとっての好きな歌詞は、まだたくさんあります。
ですが、今回の記事は6000字くらいで収めようと思っていたので、6曲に絞らせてもらいました。

それでも長めの記事になったので、読んでくださった方には感謝の気持ちです。
自語りに最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

明日は、ぞりおさんの「友達とゆかりんの話をする」です。友達(ChatGPT)と歌詞解釈の応酬?をする記事になっています。
やり取り、ぜひ見に行ってみてくださいね。

最後に、今回のアドカレ企画では、もう1つ記事を書かせていただきます。6日目に枠を頂いてますので、その記事も読んでもらえたら、とても幸いです。
よろしくお願いします。


いいなと思ったら応援しよう!