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YohjiYamamoto 95AW「鹿鳴館和紙ベスト」

鹿鳴館

明治時代に外交など接待をする為に建てられた建設物を指す。

そしてこの頃に描かれた日本の海外に対する絵画はチープでかえって評価されている。

鹿鳴館の絵画

余談だが、海外から見た日本の風刺画も有名だ。

我々日本人からみると飛んだ皮肉でダークなものだが、歴史を感じることができる一枚だろう。

ちなみに風刺画とは、社会や人物をの特徴を誇張する批判精神や遊び心が含まれた絵画のことを指す。

フランス ビゴーが描いた風刺画

ヨウジヤマモト95AW「鹿鳴館」

本題に入ろう。上記のような歴史を背景にした95AWのコレクション。
有名なのはやはり日本の絵画をモチーフにしたものだが、実はクラシックな作りのテーラードが多く世界観を表現されていたのだ。

ちなみに95年当時は人気が無かったといううわさも…
ヨウジヤマモトの公式Instagramが、「あの時は全く売れなかった。」とつぶやいている。

和紙ベスト

この和紙を貼り付けたベストのデザインはとても秀逸だ。
クラシックなベストに日本の文化「和紙」を添えたデザイン。
洋風と和風がバランスよく混ぜられた1着だ。

このベストは現行のヨウジではもう作られることは無いだろうと私は考えている。


和紙ベスト全体

ディテール

クラシックなベストによく見られるのがバック部分の尾錠(びじょう)と呼ばれるものだ。
ベストの着こなしはウエストのラインに沿うようなサイズ感がちょうど良い。

その為に使われるのが尾錠というベルトのようなものだ。

ウエストは食後などサイズが変わりやすい。なのでベスト自体は大きめに作られることが多い。そんな時に尾錠を使うと体のラインに沿ったサイズに調節することが出来る。
尾錠は飾りだと思われがちだが、とても実用的なものなのだ。

裏地のストライプ

鹿鳴館のコレクションは、裏地にストライプが多い。
ストライプはシンプルなデザインだが、実は歴史や意味が込められているのだ。

ストライプは元々、「社会的地位が低い人」の象徴だった。
黒と白の縞模様は囚人などに着せられていたのも「異様な存在」の象徴として扱っていたからだ。
ストライプの印象が一気に変わったのはアメリカの独立からだ。

アメリカの国旗には赤と白のストライプ柄が用いられている。
この頃から、ストライプは「自由の象徴」としてポジティブな意味合いへとと変化したのだ。

アメリカの独立が1776年,鹿鳴館設立が1881年なので、ストライプの意味合いは想像がつくだろう…

あとがき

鹿鳴館のコレクションは、歴史を理解し日本の文化を織り交ぜたものだと理解する事ができた。

ヨウジヤマモトは歴史や軍服などの合理性のあるカルチャーをモチーフにされている事が多い。

ダークなカルチャーもあるが、何故か魅了されてしまう。
まるで、ヒーロー物で悪者を応援する子供のように。

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