「夢のかけらを集めたい」〜TaMaRiBa立ち上げメンバーの想いvol.01 日本IBM 藤森慶太さん〜
IBMで戦略コンサルティング&iX事業を担当している藤森です。
事業の傍ら近未来の社会をどうしていくべきかを考えるため、2020年にIBM Futur Design Labを立ち上げました。その活動の一環として今回テレビ東京さんと共にTaMariBaを立ち上げるに至りました。
藤森慶太(略歴とIBM FDL記事)
1つの番組から始まった本プロジェクトですが、あらゆるみなさまのご協力により、既に多くの企業、自治体の皆様に参画いただけるまでに至りました。
この場をお借りし、ともに想いを懸けてくださったみなさまに、改めて感謝の気持ちをお伝えします。
ようやくスタートラインに立ったTaMaRiBaですが、そもそもなぜ、このようなプラットフォームの発足に至ったのかについて、僕なりの思いや考えを記しておこうと思います。
消えて行った「夢のかけら」を集める場を作りたい
自分自身の存在意義を探して彷徨っている人、
明確に解決したい課題を持っている人、
既に社会課題解決に向けて邁進している人、、、
周りを見渡すだけでも、今この瞬間もあらゆる人が、個人や組織単位で、より良い社会の創造や自己実現に向けて、懸命に活動を行っています。
しかし、そのような「夢」を追い続けることは、
決して容易な道ではありません。
道の途中で様々な壁に直面し、
夢を追い続けることが果てしない旅のように感じられ諦めてしまったり。
夢中で走り続けていたはずが、
いつの間にかどこかに心を置き去りにしてしまったり。
ありたい姿として大きく描いていた理想が、
気付けば ”今の自分たちでもできそうなこと”に
変わってしまったりしていることも、しばしばです。
そうやって消えていった多くの「夢のかけら」を集め、繋げ、「みんなの夢」として向かっていくことができれば、「より大きな問題解決の力」になるのではないか?
そんなことをずっと考えていました。
皆の心に潜む「どうせ無理でしょ?」という心の声
昨今、サスティナビリティやパーパスをテーマに、社会課題の解決に多くの企業が乗り出し、企業内で若手を募り、アイデアソンやビジネスコンテストを実施しています。
しかし内情は、そのほとんどのアイデアは
実現されることなく消えていっています。
“成功率を上げたいなら、失敗を2倍にすることだ。”
数々のイノベーションを世にもたらしたことで知られる、IBM初代創設者、トーマス・J・ワトソンの言葉です。
今の社会や組織はどうでしょうか。
失敗を過度に恐れ、革新的なアイデアが生まれても、「実現可能性」という名のフィルターで削ぎ落とされてしまう。
私自身、時にプロジェクト推進者として、時に評価者としてなど、あらゆる立場で、何度もそのような場に直面してきました。
こうした現状は、挑戦する若手のモチベーションを下げ、いつしか「想いを語らない大人たち」を生み出してしまいます。
「どうせ無理でしょ?」
という心の声が、至るところから聞こえてくるようです。
一方で、社会や組織の未来を考えるような場に参加したくても、年齢や立場を理由に「自分は参加対象外」だと諦めている、優秀な管理職やシニアメンバーも多く存在します。
日本経済を支えてきた彼ら・彼女らから、
自分も含め学ぶべきことは多いと感じますし、
なかには生涯現役を掲げ、定年退職後も精力的に活動される方もいます。
サスティナビリティやアイデアソンは、決して若者だけのものではありません。
性別や年齢を問わず、想いを持つ全ての人に開かれた場であるべきだと、僕は考えています。
社会も地球も、もう待てない。
もはや社会が抱えている問題は「いつか解決できたらいいね」というスタンスでは、時代遅れです。
影響を感じられるほどの気候変動、
加速する少子高齢化、拡大する格差...
未来ある子どもたちが安心して暮らせる社会を残すためにも、本当に、待ったなしだと思っています。
すぐにでもアクションに変えていかねばなりません。
では、誰がやるのか?
今、この問いを前にした時、
「我こそ」と思える方は一体どれくらいいるでしょうか。
誰かのアクションを待っているようでは、手遅れになってしまいます。
SDGsが掲げる目標の17番に
「パートナーシップで目標を達成しよう」とあるように、国・地域・組織・個人、そのような垣根も、もはや関係ありません。
できる人ができることをやり、行動に移すことで、一つの大きな力を生み出したい。
「TaMaRiBa」をそのような場にできればと、心から願っています。
藤森慶太