テレビだからできる「熱狂の連鎖」を生み出したい〜TaMaRiBa立ち上げメンバーの想いVol.2 テレビ東京 今井豪さん編〜
TaMaRiBaの発起人である方々に、熱い想いを語っていただきたい!
そんな思いで始まった連載「TaMaRiBa立ち上げメンバーの想い」
今回は第二弾です。
テレビ東京に所属し、多くの番組・イベントをプロデュースしてきた今井豪さんの想いに迫っていきたいと思います。
日本アイ・ビー・エム×テレビ東京が組んだって、なんだかワクワク!
様々な地域の課題を克服し、未来を切り開こうと熱い情熱で探究する企業が集う。人が集う。今こそ、生活を劇的に変える“力”になることを立ち上げる。
企業と出会い、共に具体を生み出していく。そんなコミュニティ「TaMaRiBa」が起動しました。
日本アイ・ビー・エムとテレビ東京とが、共同でコンソーシアム組成を始めました。
なかなか予想していなかったワクワクのタッグが実現しました。
TaMaRiBaにいくつもの起点を想定し、個々の企業、あるいは企業で働く人たち同士のコンタクトを通じて、全国の自治体の持つ普遍的な社会課題の解決や、オルタナティブな挑戦の機会を創り上げていきたいと考えています。
まず、私たちが始めたこと。
私は、テレビ東京のx R事業などデジタル領域のコンテンツ開発をするコミュニティ事業部とリアルイベントの企画・プロデュースをするイベント事業部とで構成されるビジネス開発局に在籍しており、TaMaRiBaプロジェクトでは、番組・イベントなどのプロデュースを担当しています。
私自身、これまで新しいビジネスの種を生むインキュベーションの役割を持つ番組に携わりつづけてきました。
私が今回、日本アイ・ビー・エムの皆さんと組んで動き始めたそのことに、心から喜びと、そして覚悟を感じています。
これまで、私は番組を通じて、大企業やスタートアップ企業、次世代の学生の皆さんなどと、さまざまな意見を交わし合い、そしてアイデアを出し合う経験を積んできました。
長い年月をかけて手がけてきたいくつかのプロジェクトで、テレビだからできるインキュベーションのカタチを創り上げてきたと思っています。
一方でひとつ、ここ数年痛切に感じていることもありました。
それは、アイデアを出し合っているだけでは、
ビジネスそのもののバリューはなにも生みだせてはいないんだ。
という厳しい現実です。
番組制作の過程で直面した、厳しい現実
私はこれまでの番組づくりで、「語り合おう。」
このことが大切だと思って取り組んできました。ここ数年コロナ禍は深刻な状況がおさまる気配なく続きました。
まず、語り合うこと。いま抱える問題解決に向けたアイデアを、様々な企業の方々とともに吐き出して、ぶつけ合っていく、その場を用意することを大切にしてきました。日本全国の日常毎日で起きている“やりきれない苦境”を少しでも乗り越えていきたいという思いで、プロデュースしてきたつもりです。
しかし、アイデアが出れば出るほど、「動き」に変えていくための輪郭が目の前にぼんやりと見えているにもかかわらず、本来、その動きを確かにするために必要な分析、未来を推察して探究するサポート、思考を研磨して実現可能なレベルにまで引き上げるメンタリング、さらにそこからストーリーを磨き上げ、仲間が広がっていくうねりを生み出す行動〜そういった一連のプロセスを踏むための「ヒューマンリソース」をどう確保するかに迷ううちに、実装が立ち消えになってしまう失意を何度も経験しました。
裏を返せば、それだけこのコロナ禍で、さまざまな地域の、さまざまな企業の多くの課題が顕在化・可視化されたのだと思います。
そして、その課題と隣り合わせにある、心を揺さぶるようなアイデアが生まれる期待に満ち溢れているのにもかかわらず、その一歩が踏み出せないジレンマが生まれ、私自身も自らの動き方を問いただす日々が続きました。
そんな中で、日本アイ・ビー・エムのメンバーの皆さんが声をかけてくれたのです。
「コミュニティを一緒に立ち上げましょうよ。」
正直驚きました。
「お互いの強みで、足りないピースを補い合えば、きっと動き出せるんじゃないですか?これまでいくつも存在しながら内に閉じていた(しかも意志と熱量がある)チャレンジをHUB化することで、コミュニティそのものが妥協なく動き出すんじゃないですか?」
私は、心が震えました。
私は、日本アイ・ビー・エムメンバーに大きなきっかけをもらえたと直感しました。
そして!「チャレンジのHUB化」この言葉に気持ちが昂りました。
「あ!やられた!」と思ったのです。
テレビ東京は、近年よくこんな評価をいただきます。「尖った視点、わが道を行く企画で存在感を示すテレビ局だ」「とかく新たな価値を生み出す局だ」。そのことを大変嬉しく思います。
私も、「THINK OUTSIDE THE BOX(超意訳すれば“創意工夫しよう”)」という言葉が大好きです。
しかし何年もいるこの局で学んできたことが一つありまして。
最近すごい大事にしているのが、
「そんなの、私だって考えてたよ!」を最初に仕掛ける!
ということなのです。
「みんなが考えていたことだよ。そんなのとっくに考えてたよ。」と言われるけど、実際誰もやったことのないことを見出すことも、創意工夫の一つだと、最近ずっと思っているのです。
(そう、あんまりにも突拍子もなく先に行きすぎたことをやると大抵失敗するため、たどり着いた一つの仮説です。)
そして、日本アイ・ビー・エムのメンバーの「チャレンジをHUB化する」という構想は、テレビ東京が目指してきた、
「あれ?待てよ!でも誰もやってないかも」と思えることなんじゃないか。
このコミュニティ形成の提案って、まさにそれだ!と思ったわけです。
0から仕掛けるって大変。大きなリスクも伴います。
でも、もしも同じ意志をもった、さまざまな企業の集まるコンソーシアムを組成して、すでに動いているチャレンジや、今足りないピースを探しているチャレンジの情報をHUB化することができたなら。
そして、コンソーシアム同士のアセットやヒューマンリソースを可動させることで、それぞれの自治体や企業の「課題」に対して、分析・リサーチ・メンタリング・そして企業のマッチングなど、事業実装に至るまでの数多くの工数で常に寄り添うことができたなら。
「一社だけでは決して実現しないスピード感」を生み出せるかもしれない。
それは、シンプルだけど、案外見たことないかも!と思いました。
そこで、まずは、共感してもらえる全国の自治体、エクセレントカンパニーや、様々なアセットを兼ね備えた全国のスタートアップ企業などに参画の声がけから始めました。
まずは、今年度いっぱい私たちのすすむべき「カタチ」を模索してみたいので、私たちからお声がけをしている状況です。
シーケンシャルなコミュニティの基盤を今年度いっぱい丹念につくりあげたいです。
コミュニティそのものも、よりシンプルに設計するのがいいと思っています。
テレビ東京だからできることって何でしょうか?
それは、一連の動きを共感してくれる“視聴者”がいることで、個々のプロジェクトの向かうべき場所、その輪郭をより明らかにできるということだと思います。
ひとたび視聴者に、そのストーリーを伝えたなら、やり遂げるまでの責任が生じます。また、人が視聴している前でアイデアを披露する時には、パフォーマンスのギアが想像以上に上がるのを幾度も経験しています。
こうした効果は、プロジェクトを力強く後押しするものです。
今回、数多くのスタートアップ企業との濃密なセッションを一緒につくり上げてきた田村淳さんに、リーダーとしてご参加いただいています。
企業間のコミュニケーションを通じて、夢を語り合い、そして行動に導いていただく田村淳さんとの番組作りにはいつも学びがあり、熱いものがあり、そして淳さんの参加する人へのリスペクトを超えた優しさをいつも感じます。
だからこそ私たちは、人と人のつながり、企業同士のつながりが始まるこのプロジェクトの中で、田村淳さんとともに、少しでも共感・応援の気持ちを生み出せるようなストーリーを伝えていきたいと思います。
そして、それを伝えていくことが私たちの強みだと思います。
今回はさらに、橘ケンチさん、TETSUYAさん、高柳正盛さん、
澤円さん、太刀川英輔さんに参加いただいています。
本当に心強いみなさんです。
出演者の皆さんととともに、時に日常毎日に寄り添ったドキュメンタリーを描き、時にみんなが集まり、時にショーアップし、時に成果を讃えあう場を作っていければと思います。
有機的にかつ広域にメディアでの伝達を継続していくことで、このコミュニティが、実りの多いものとなると期待しています。
テレビだからできる、「熱狂の連鎖」を生み出していきたいと思っています。
これからのこと
予告です。これからの具体を少しお話します。
地域の課題を持った自治体と、企業が繰り広げる、"本当にリアルなオープンイノベーション”。
イノベーションに本当に必要な「具体のステージ」を作っていきます。
ひとつは、日常・毎日使うためのWEBコミュニテイ
「 TaMaRiBa innovate together 」
経験と知識がなくても分野ごとのコンソーシアム企業の仲間たちが、一緒になってサポートしたり、一緒に未来の絵を描いていきます。
それから、レギュラー番組
「田村淳のTaMaRiBa」
ストーリーと応援のうねりを生み出す番組です。
さらに、力試しの成果を見せる定期イベント
「 TaMaRiBa award」
年間を通じて、自分達の表現の場・成果発表の場を設けます。
「自分が作りたいものを作って世に問う」
そんな機会に出会えるかもしれません。
こんな人たちに参加してほしい
このことが、ここで一番伝えておきたいことです。
1、課題を抱えている全国の自治体
あるいは取り組んでいるのだけれどそれを広く知ってもらいにくく、困っている自治体のみなさん。
2、課題解決に取り組んでいる企業
突破のためにどうしても足りない「1ピース」を見つけようとしている大企業の新規事業セクションの方々。
それから、実装したくてもヒューマンリソースが足りなくて困っている企業の方々。
3、「我こそは」と志のあるスタートアップ企業
でも、何から始めたら良いか、どう進めたら良いのか分からない! 分野ごとの専門家のメンタリングやサポートを欲している企業。
そして、
4、年齢を問わない、すべてのビジネスパーソン。
これまで企業に属し経験を積み重ねたすべての人々が、TaMaRiBaに集まって、新たな
スキルやナレッジを学び、あるいは仲間を作り、チャレンジの場を作ることができるような仕組みを作りたいと思っています。
今、リスキリングという言葉をよく聞きます。「DXをはじめとした技術革新やビジネスの変容に対応するために、知識やスキルをアップデートすること」です。
でも私はもっともっとシンプルにとらえたいです。
私は、若者はもちろんのこと、40歳、50歳、いえそれ以上でだって、新たな挑戦はできると信じています。
そんな仕組みづくりを加速化するさせるために「部活動」コミュニティを作るということから始めたいと思います。(11月4日に配信いたしました)
※アーカイブは公開終了
部活動。TaMaRiBa参加メンバーのTXCOM宮澤さんが、いろいろネーミング考えていた時に、たしか“スナバ”って言っていたなあと思い出しました。
スナバ…SuNaBa…!一見ダサい?意味不明?!
いえいえ、砂場=かたちづくってみる場所。
ここで、ミライをかたちづくって、磨き上げる。
なんかいいかも。
「ビジネスパーソンのDX化などに関するスキルの習得をサポートしながら、自治体や、地元企業の声に耳を傾け、“求職者と地方企業”をマッチングする仕組みづくりを推進します。」と堅苦しい言葉で語るより、
「若者から大人まで、“一人ひとりの生き方・働き方が変わる”。
どこかそんなチャレンジを叶える自治体の方いませんか!
さあ部活をはじめましょう!!〜なんだかいい大人たちがSuNaBaに大集合!!」
といったほうがちょっとドキドキ!と思っています。
DXの知見を蓄える学びの場を作るだけではなく、「まだ遅くない!グローバルのピッチで自在に話せるようになるまで、学ぶ英語部」「今更聞けない金融を1から学ぶ、ミライ投資部」、「地域とホンキでつながりを育んでいく日本酒部、サウナ部」などなど…
どんどん集まりを作っていきたいと思います。
ビジネスパーソン1人ひとりが、“1人では叶えられない”チャレンジや仲間づくり"を実現するコミュニティ。
とても難しいことかもしれませんが、参加する方々が、自分の会社で蓄積してきた経験やナレッジを武器にしながらも、このコミュニティがあったから習得できたスキルや発想で、新たな一歩を踏み出せる!
結果、ここから自治体と企業とともに立体的にイノベーションを生み出していく。
「誰だってとっくに考えていたよ!」そんな声が聞こえそうです。
でも、まだまだやっていない気もします。だから、始めたいと思います。
来春、第1期のコミュニティ参加募集を予定しています。
最後に伝えたいこと
最後に、アフターコロナ。
さまざまな自治体・さまざまな企業で直面している困難があります。
それを知り、正解が一つでない課題の答えに辿り着くまでのプロセスで、すぐに答えを探し求めようという意志よりも、いくつかの仮説に基づいた複数の道筋をいくつもの試行錯誤を繰り返しながら、“見出していくこと”が大切だと思っています。
その作業の積み重ねこそが、自ずと私たちなりのスタイルを生み出すと信じています。
成果が可視化されていくまでには、一定の時間が必要だと思います。
複数の企業の今動き出している研究・実証から、アイデアを知る。
自治体の課題から、さまざまな企業・さまざまな個人のビジネス創出の可能性を育む。
仲間たちと未来の絵を空想し描き合うことで、応援のうねりが生まれる。
そんな “実践”を織り重ねられたらいいなあと思います。
まず、語り合おう。そして即、動き出そう。
まだ見ぬ“未来のワクワク”へ向かって問いを繰り返していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
テレビ東京 今井豪