アニメ「るろうに剣心」36話(第二期第12話)「修羅の会合」感想メモ
京都動乱の前半ラストは「これまでのあらすじ(アバン)」無しでOPです。
新鮮!
トクベツ感があります……。
「水汲んでこい」のシーン、BGMがしっとり系のまま、あまりギャグぽく演出してなくて、そのことについてなんだか考えてしまいます。原作だと「ギャグシーンですよ」という雰囲気があると思うのですが…。
もしかして剣心クンには、師匠と薫殿たちが自分のいないところで何か話すことを避けたかったという意識が明確にあったのでしょうか……。
男子高校生の自宅に女同級生が訪ねてきて、親とその女の子だけにしたら何を喋られるか分からないから席を外せない、外したくない…みたいなカンジ??
少なくとも師匠のほうは、明らかに剣心をその場から外させてる様子ですが。
戸口で、薫殿が横に避けて剣心の通るスペースを空けるシーン。わざわざ避ける動作を入れてて印象的でした。原作も、確かに真ん中に立ってたところから端に寄ってるんですね。漫画って、ちゃんとコマの中でそれを説明してるんだから凄いよなぁと思います。
ただ黙って視線も合わせずにすれ違ってしまう二人をみて「え……」となる私の気持ちを、弥彦くんと操ちゃんが代弁してくれます。良いコンビです。
剣心が左之も来るだろうと考えてるシーン。
「困難になる……なのに」と、そのあとは無言。セリフで全部説明してしまわないあたり、改めて、深い作品だなぁと思います。
しかも、この「なのに」の声音のあたたかさったら!!!!
「俺」人称なのに「るろうにモード」なことを言っている剣心を見つめる薫殿。この薫殿、原作にはないカットで、このときの薫殿の気持ちを考えさせられてしまいます。いつもと違う姿、変わろうとしている姿、でも根幹は変わっていない姿……。薫殿の「あぁ…」という吐息のような音声にジンときます。私には、安心したようなホッとしたような「あぁ」に聴こえました。剣心は前に進もうと、変わろうとしているけど、大事な部分は変わっていない……。
……と、思ったあたりで、そうか!と腑に落ちました。
ここへの道中、奥義伝授がまだ完了していないことに操ちゃんと弥彦君が盛り上がっているシーンで、薫殿は「より強く……それは剣客として当然だけど…」と、不安そうだったんですよね。その不安が払拭されたシーンなんですね、これ、きっと。
………わぁ…。
アニメによる補完…ッ!!!
コレですよ、令和アニメるろ剣の凄さ!!!
……そういうことですよね? たぶんきっと。「俺」剣心を見つめる薫殿のカットの理由。
もしかしてこんなカンジの事柄が他にもあるのでしょうか。私はちゃんとそれを拾い上げられているでしょうか。全シリーズ完了してからでも構わないので、作り手さんたちにその辺りの解説をしていただきたいです。本にまとめて出してくれないかなぁ……。
小屋を外から映してるシーン。
戸口に半分はみ出てる剣心サンの後ろ姿がちょっとカワイイw
「剣心!」と呼び止められても、すぐにピタリと止まらないあたり、悶えますね……。
えもいわれぬ空気感…ッ!!
ここからのこのドラマチックなワンシーンは、「 514」と呼ばれるあの別れのシーンに匹敵するほどの名シーンではないでしょうか。
立ち止まってくれないかも、返事をしてくれないかも、という不安の連続からの「沈黙」の緊張感から、優しい声での剣心のセリフ。
それを受け取って「振り向いて笑ってくれない……けど…だけど…」と、ちゃんと剣心の気持ちを受け取っている薫殿……!!
お二人さん……!お二人さーーーーん!!!
尊すぎて言葉を失います。
あぁこの二人は大丈夫だなと思えます。
早く平穏な日々に辿りついてくれ……。
(まだまだ艱難辛苦は襲ってくるけどもガンバレ……)
修行開始時の剣心のセリフ「師匠、まさか」について。
原作を読んだときは、「まさか(薫殿がそんな気持ちなはずはないですよ)」の「まさか」だと思ってました。「自分の死で不幸になるほど、薫殿は自分のことを思ってないですよ」と。
いやいや剣心、オマエさんはどんだけ朴念仁か、と思ったものです。
でも、今回のアニメの「まさか」は、何かに気付いたカンジの「まさか」でしたね……。色恋を感じさせない、危機感を含んだカンジで。
ホント、何が「まさか」なんでしょうか。
帰り道シーン。
とうとう操ちゃんが「御庭番衆のみんな」について知ってしまうときが来てしまいました……ツライ。
そして、薫殿のセリフに被せて描かれた蒼紫殿の様子が荒んでて、これまたツライ……。
眠れてないカオしてます。飯食って風呂入ってあったかい布団で羊数えて寝てくれよ……寝て起きて御庭番体操してくれよ………。(あの一連の蒼紫殿予告は、いまこそ聞き返してバランスをとるためのシロモノではないかと思えるほど、ここから先の蒼紫殿は苦しい時間が続きますね……ツライ……)
爪を切ってる翁の足先がぴょこぴょこ動いててカワイイです。細かい!
「フガッ」は中のヒトの真骨頂ですなw
「一人では探しきれない」と素直に言う蒼紫殿、愛おしいと思うんです。部下を喪って、一人では目的を達成できない、と、師匠を頼ってきたわけです。【 追記訂正: 翁は蒼紫殿の師匠じゃないですね、勘違いです。失礼しました。 】
なのに、翁……。
もし翁が「緋村 ”君”」ではなく、単に「抜刀斎」と呼んでいたら、蒼紫殿の受け止めかたも違っていたのではないかと思ってしまいます。……が……どうかな…結局は同じだったかもしれませんが。
ただどうしても、ここで蒼紫殿が孤立感を強めてしまったように思えてしまうんです。「同じ御庭番衆でも、俺たちの気持ちは俺たちにしか〜」と、翁を「俺たち」と区別するようなことをわざわざ言っていますし。
確かにアジトで覚醒するまでの蒼紫殿は、上司としてのミス(態度ミスでクライアントを怒らせた)で部下を死なせてしまったことから目を逸らしたままなんですけども。いや、心を守るために目を逸らすことは悪いことではないけども、チカラがあるばっかりに、放っておくと日本の平穏が脅かされることになるあたりが蒼紫殿の悲劇性……てことなんでしょうけども。
ままならない事態なのが、苦しいです。
(まぁ正直、一歩引いて眺めると、作品を楽しんでいる私としてはなんともドラマチックでこの悲劇性はたいへん美味しいんですけども😙)
宗ちゃん!
軽やかでカワイイです。
「ごめんなさいごめんなさい」の言い方w
大好きです。
蒼紫殿の「つるむつもりはない」に対して蝙也氏をとめる安慈さん。安慈さん、原作のあのコマはファイティングポーズとってたんじゃなくてむしろ止めてたんですね、そりゃそうですよね。忠誠心の強さから好戦的な状態なのかしらと思ってました、スミマセン。アニメ補完、ありがたいです。
そして、蒼紫殿……鬼のお面……😭
葵屋を襲撃して拷問する件を吟味するにあたって、蒼紫殿が真っ先に思い描いたのは操ちゃん……「むにゃむにゃ」するチビ操ちゃん、かわゆすぎます。そして再登場の「御庭番衆のみんな」!!
その懐かしいはずの回想が「最強という名の華を……」に集約されてしまうのが悲しいです。
そういえば今回、時間軸の説明が補完されていましたね。
「操ちゃんたちが山を登って比古師匠の小屋に着いて剣心と再会した日」と、「蒼紫殿と翁が縁日で接触し、蒼紫殿と志々雄アジトで会合した日」が同じ日。
その夜、志々雄配下による葵屋襲撃。
操ちゃんたちは比古師匠の小屋に一泊。(でも剣心と師匠は修行場に向かって出発済みなので小屋には戻っていないと思われる。あのご両人が一緒に雑魚寝してなくて残念。)
翌朝、修行場では剣心の「まさか」発言がありつつ修行開始(修行場、遠い? あるいは小屋でのあのやりとりが、だいぶ朝方?)。操ちゃんは下山途中で薫さんから御庭番衆の話を聞く。
同日朝、葵屋を襲った「梟爪衆」が翁から蒼紫殿への「伝言」をもってアジトへ戻る。
「伝言」にある「午の刻」は、現在の「正午」、つまり昼12時の前後2時間なので、二人の決闘はその日のお昼に行われました。
……て、ことですよね??
わざわざ「剣心修行開始前日」とテロップが入ってるあたり、今回のアニメでは原作で差し込まれてる修行シーンの時間軸が整えられてくるのではないかと思われますけども、そんな楽しみかたをさせてもらえるなんて、ありがたいです。丁寧に作りなおされていくのをリアタイさせてもらえる僥倖に感謝です。
放送は今週はお休み。
年末年始を挟んで中2週のお休みがあるのが寂しいですが、ジャンフェスで発表された十本刀と大型甲鉄艦「煉獄」のビジュアルからして後半もめちゃチカラ入ってることが感じられますし、期待してお待ちしようと思います。
後半では藤田サンの「よう」も観られるはずですし!!!
楽しみです。