アニメ「るろうに剣心」29話(第二期第5話)の、馬のあれこれについて
アニメ「るろうに剣心」29話(第二期第5話)で描かれている、馬について。
馬の解像度の高さ、物凄いと思うのですけど!!と、大興奮だったんです。
馬有識者の見解とか、叶うことなら、作り手さんのこだわりポイント解説をお聴きしたいです。
とりあえず語ります。
まず、志々雄サンが馬に乗って去っていく最初のシーン。
「タッタッタッタッ」というリズミカルな速歩の足音です。
「馬といえば競馬」程度の知識だと、たぶんギャロップ(襲歩)やキャンター(駈歩)の足音にしちゃうと思うんです。たぶん時代劇とかで馴染んでる「馬の足音」は「パカラッパカラッ」だと思うんです。キャンターの足音。
でも、ここでは「タッタッタッタッ」です。
絵的にも、馬は首をあまり動かしてなくて、「速歩の絵」を描いてるように思えます。駈歩だとタテガミの揺れが変わると思いますし、襲歩だともっと首を伸ばす感じになると思うので。
次に、宗次郎君が追いかける馬の足跡。
コレですよ。
予告で見たとき、すごくビックリしまして、大興奮でした。
乗馬クラブで見かける馬の足跡って、たぶん、こうはなってないんです。一つずつなんです、均等に。
最近なかなかクラブに行けてなくて実際に確認できてないんですけど、あれこれ検索してみても、やっぱり、一つずつなんです。「フツウ」の馬の足跡って。
じゃあ、この前後2つずつはどうしたこと? と考えて「側対歩ではないか」と思い至って、驚愕しました。
在来馬って、側対歩で歩くんです。
側対歩の説明は省きますが(わかりやすい説明をされてるサイトがあれこれありますので)、函館で乗せてもらったどさんこサンは、確かに側対歩で歩いてました。揺れが少なく、乗りやすい…ような気がしました(乗馬ペーペーなので違いを語れるほどではなくて…)。
明治11年当時、いくら志々雄様といえど洋種馬は手に入りづらいうえに、たぶん日本の山野は在来馬のほうが適していると思うので、志々雄様は和種(在来馬)に乗っていただろうと思うと、この足跡が正しいんですよね……たぶん。
……実は、側対歩の足跡はどうなるのかあれこれ検索してみたのですが、発見できず、確信を持てずにいます。脳内で足運びをシミュレーションしてみるのですが想像しきれず。それと、側対歩は常歩だけでなく、速歩になっても側対歩なのかとか、有識者のかたに考察をお願いしたいです。
そして、宗次郎君と合流するシーンも、凄いです。
今度は足音。
先ほどと同様の速歩「タッタッタッタッ」と小気味良い四拍子が続いて(しかも、単調な音ではなくて、一歩ずつ音が少し違うの! ついでに、衣擦れのような音もちゃんと合わせて入ってる)、宗次郎君が「コッチでーす」と手を振るあたりで、「ポクポクポクポク」という常歩の音に変化、ちょっと重めの音。そこからさらにもう一段階落として「サク、サク」という、草の上を歩くような軽い感じの音に変わる…………。
すごくないですか……。
なんなんですか、このこだわり……。
いや、こだわり以前に、馬の走り方には種類がある、馬の足音はその走り方によって変化するということを知らなければ再現しようがないわけで、馬への造詣が深くないと出来ないことだと思うんです。
こんなの自然にできるはずもなく、よほど馬に詳しい、あるいは馬が好きなかたが作られた一連のシーンなのではないかと、興奮しきりです。
どこかのインタビューとかトークイベントとかで語られてくれないかなぁ……。
ついでに付け加えると、馬装も観ちゃいます。鼻革アリ、頬革は一本。休憩中に草を喰んでるときにどこにも繋がれてない、ちゃんとイイ子で志々雄さんの近くから離れないで待ってられるコなんだろうな。腹周りがスレンダーだ、引き締まってる、ぽよんと垂れてない、さすが志々雄さんの馬。江戸時代の馬の絵を集めた展示の図録を眺めたときに悉く「腹掛け」をしてたんだけど、このコはしてないな……などなど。
以上、あれこれ語りましたが、しかし私は所詮、素人。一般平均よりは少しだけ馬のことを知ってはいるものの、乗馬の指導員でもなければ、馬術部だったりしたこともない、ただの馬ファン。乗馬クラブに在籍してても幽霊会員すぎてまだ駈歩もできないレベル。
馬のことを生業にしてるかたの見解を聞きたいですし、作られたかたの解説が聞ければ大感激です。
詳しいかた、ぜひご考察、ご検討をお願い致します!