見出し画像

トム・クルーズがストライキで来日中止!ハリウッドではAIに「役」を奪われる!? この夏はエンタメ業界も猛暑・熱中症必至!?

インターネットで飛び交う、今週1週間のIT・科学・経済のニュースを 独自の視点で振り返る「ITニュースウェブ2023/07/28(第070回)」さて今週は、、、

トム・クルーズがストライキで来日中止!ハリウッドではAIに「役」を奪われる!? この夏はエンタメ業界も猛暑・熱中症必至!?

トム・クルーズの来日中止、43年ぶりの俳優組合ストで…米CNN「年末まで続く可能性」(07/14)

発端は先週のこのトム・クルーズの来日中止なんですが、いったいハリウッドで何が起こっているのでしょうか。この記事では「全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)が大手製作会社に待遇改善と人工知能(AI)の規制を求め、14日からストライキを決行した」とあります。

ハリウッドで脚本家と俳優たちによるストライキ。これってどうなっているの?(07/18)

そもそもの始まりは今年5月2日からアメリカ・ハリウッドで始まった全米脚本家組合(WGA)による大規模なストライキからだそうです。理由は映像制作の現場でネットフリックスなどの動画配信サービスが普及したことで、出演者や制作者の収入が激減し、従来と異なる働き方を求められるようになったこと。また全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキも実際は交渉が決裂しすでに6月13日からストライキに入っていたようです。

米脚本家が大規模スト ストリーミングが変えた業界のエコシステム(05/10)(10)

当時の記事によれば、全米脚本家組合の要求額が年間4億2900万ドル(約580億円)なのに対し、制作会社側からの提示は8600万ドル(約120億円)と大差をつけられストライキに突入。また、2010年代のテレビ番組の若手脚本家の報酬は最低賃金でも週4546ドル(約60万円)、経験者なら週約100万円は稼げたのだそう。年間約30週だとして若手でも年収1800万円程度は稼げていたというのです。因みに記事にもあるように、単純な比較はできませんが、当時の日本での30分ドラマの最低脚本料は19万円だったそうです。ところが、テレビのように視聴率に関係なく定額報酬だった時代に終わりを告げ、ネットフリックスのようなストリーミングの利用回数に応じた報酬に変わったおかげで、3割近く減少しているというのです。

ハリウッドで60年ぶりWスト、その「原因」「要求」「影響」とは(07/14)

この波は制作者だけにとどまらず、出演者である全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)にも飛び火して、約60年ぶりにストライキを引き起こす結果となったのです。ただ俳優さんたちの訴えは脚本家とは少し違います。なんとここにAI技術がからんでいます。

ハリウッドで脚本家と俳優たちによるストライキ。これってどうなっているの?(07/18)

もういちどこの記事を見直すと「全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)が、エキストラ俳優をAIスキャンしてレプリカを作り、自由に動かす画期的な提案している」ことに対する抗議も含まれているとあります。つまりエキストラ俳優さんたちは、一度出演したら今後は現場に来なくても出演料を払うので、AIで学習させてもらいますというわけです。この出演料がいまのところ10万円程度だそうで、これに抗議しているというわけです。僕ならそれでOKとか言っちゃいそうですが、すごいですねハリウッド!!

「10万円で俳優をスキャンしてAIに」配信で収入減も…43年ぶりハリウッド俳優組合スト(07/18)

またこの記事によれば、クリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』に出演した同組合に所属する松崎悠希さんは、この映画での出演料が280万円、その後の二次使用料としてDVDなどの印税収入は700万円以上だったそうですが、現在のストリーミング配信では二次使用料の仕組みが確立されていず、何回視聴されても一律何パーセントみたいな支払いになっていて生活に支障をきたす状況になってきたといいます。

アメリカ俳優ストライキ、ネトフリやAIに懸念 経済損失は約5700億円超か(07/26)

この記事でも、現役のハリウッド俳優ウィル・ブライアントさんによれば、アメリカの人気ドラマ出演への報酬として、ケーブルテレビの再放送では5000ドル(およそ71万円)なのに対し、配信では64ドル(およそ9000円)だったそうです。

米映画俳優組合のスト、交渉再開のめど立たず 撮影ストップしている作品(07/25)

ストが開始されてから10日以上続いたことで、トム・クルーズの「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」での来日中止を始め、デッドレコニング PART TWOの制作が中断、ティム・バートン監督の次回作「ビートルジュース2」の撮影も中断、ライアン・レイノルズ主演でヒュー・ジャックマンがウルヴァリン役で復帰する予定の「デッドプール」シリーズ第3弾も中断中などなど、大作が軒並み制作中断されていることで、CNNによれば経済損失は40億ドル以上(約5,500億円)に達すると報じられています。

ハリウッドのストライキはメーガン妃のNetflix契約にも影響を与えるか(07/25)

なんとこの影響はメーガン妃にも及んでいるということです。

王室離脱後にいくら稼いで、いくら使った?メーガン妃&ヘンリー王子の懐事情を大調査!(03/12)

王室離脱後、講演会収入などのほか、Spotifyと2500万ドル(約34億円)、Netflixと1億~1.5億ドル(137億~205億円)など出演契約で生計を立ててきたメーガン妃とヘンリー王子ですが、Spotifyとの契約打ち切りを皮切りにNetflixとも打ち切りがささやかれ、今回のストライキで交渉ができないままペンディング状態。

「Netflix10年ぶりに会員減」で堤防が決壊? ハリウッドでスト(07/24)

一方、訴えられているストリーミングサービス側もそれほど良い状況ではなさそう。Netflixなどのオンデマンドサービスによる収益源の増加でいったんはうるおい始めたハリウッドでしたが、その後AppleやAmazon、Googleなどのネットサービスが次々と出てきたため、収益が分散しNetflix特有の大型制作費の確保が難しくなってきたというわけです。そんな中での今回のストライキ。一体どうなっちゃうんでしょうか?

Netflixシリーズ『ONE PIECE』本予告&新たな場面写真公開 原作者・尾田栄一郎からのレターも(07/24)

映画館ではジブリ宮崎監督の最新作「君たちはどう生きるか」が賛否両論で盛り上がっていますが、Netflixではこの8月末に『ONE PIECE』の実写版の公開が待っています。これは日本はもとより、全世界での反応が楽しみな作品。今年の夏は映像エンタメも猛暑のようです。


いいなと思ったら応援しよう!