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プラスチック姉さん狂人格付け列伝

狂気の沙汰ほど面白い。The-U.JINEです。

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noteがあるんだし、たまには自分の好きなものついて思うさま記事を書こうや、ということでやっていきます。


君はプラスチック姉さんを知っているか?

あなたは『+チック姉さん(プラスチック姉さん)』という作品を知っているだろうか。知らなくてもいい。ある程度諦めているので。

一応説明するとヤングガンガン(スクウェア・エニックス)で不定期連載されている、栗井茶によるギャグ漫画である。

THE市THE高校に通う、頭に模型を乗せた模型部女子高生らが主役の不条理ギャグ漫画だった今はもう模型部じゃなくなった(頭の模型はゴミ箱にぶち込んで書道部になった)。

だがそんなことは些細なことだ。ドカベンだって最初は柔道部だったし……とかそういう次元の話じゃない。

プラスチック姉さんはギャグ漫画だが、概念をひっくり返す婆の怪異、傷害罪になる愛を擦り付ける男子高校生、ベランダからダイブする赤ちゃんおじさん、ステ振り異常のパワー信者市長、冥府の邏卒を細切れにする中年男性など、ギャグ漫画とはいえあまりに濃すぎるヤバいヤツ揃いだからである。例に列挙し忘れたがちゃんと女子高生のヤバいのもいる。

次から次へと現れるアブノーマルたちに魅せられて、ファンの間ではしばしば最強議論が盛んになる。ギャグ漫画なのに。

かくいう自分も魅せられて単行本を買い続け『この漫画における強さとは何か?』について考え出したクチなので、ここに自分なりの格付けのようなものを記すことにした。あくまで自分なりになので、このランク付けには公平性はもちろんのこと、権威も何もない。誰もが自由に文句を言っていいし、文句を言うだけ無駄と思ってもらってもいい。

格付けとかヒマなのか? ヒマなんだろう。だがそれ以上にプラスチック姉さんの狂人達が魅力的なんだ。


如何にして格付けするか?

まず僕は単行本派である。2019年9月21日現在(単行本13巻まで)未登場のキャラ、事柄に関してはご容赦願いたい。毎回楽しみにしております。

次に、奇人・変人・狂人のぶつかり合いはパワー勝負ではなく、謂わば『個性』のぶつかり合いなので、ドラゴンボールの戦闘力のように数値化できる代物ではない。ジョジョのスタンドバトルのように『相性』の問題がある。よって一概に誰が強い・弱いという判断はしにくい。

たとえば、怪異・ひっくり返し婆戦ではパワー最強の市長が敗れ、姉さんが『とんち』というある種の正攻法で征したことがあった。

そこで、単純な強さではなくフィジカル(身体能力)・メンタル(精神力)・インサニティ(狂人度)をなんとなく5段階で評価することにした。フィジカル・メンタルは星3つが標準だが、インサニティのみ星1つをノーマルとし、星が多いほどアブノーマルとした。こんなもんは低くなきゃ一般人じゃないからだ。

なお、登場人物全員を格付けするのは流石に骨が折れるので、僕が思う強者のみを列挙した。「アイツがいねえぞ」というのは”まだ”僕が強者と思っていないか、単に忘れているかだ。ご容赦願いたい。


キャラクター狂人格付け列伝

源間 色枝(姉さん)

フィジカル・★★★☆☆ メンタル・★★★★☆ インサニティ・★★★☆☆

主役にして第二次性徴どこ吹く風の女子高生。大道芸人程度の一般人は相手にならないが、格の違う相手には手も足もでなくなることがしばしば。単体での戦闘力こそ高くないものの、知恵が回るので話が通じる相手には強く、恐るべきはそれによって齎される交友関係の広さ。真人間は勿論のこと並み居る狂人や怪異さえ従え、魑魅魍魎の跋扈するTHE市を肩で風切り歩くその姿はまさに「姉さん」。元締めやイベンターとしてのスキルが高い。


岡本 葉月(オカッパ)

フィジカル・★★★★★ メンタル・★★★☆☆ インサニティ・★★☆☆☆

平常時はまあまあ普通の女子高生。スイッチが入るととたんに狂暴性が増し、国木や9番を一撃で屠るフィジカルを見せる。しかし如何せん平常時は狂人相手に逃げの一手で、また、持久走でバテると野球部の多田くんにすらいいようにされることから、高い瞬発力の反面体力がない。瞬間最大風速なら作中一か。


吉田(ヨシくん)

フィジカル・★★★★☆ メンタル・★★★★☆ インサニティ・★★★☆☆

一見弱弱しい普通の男子高校生。だが、ハチを空手で滅する、怪異相手に物怖じしない、すこぶる変態にして紳士など、最強には遠いものの総合力の高い逸材。姉さんによってパージ癖が治されてからの伸びしろが凄まじく、姉さんの右腕としては愛希に次ぐ戦力か。圧倒的な愛の力(国木)相手にも奮闘した。愛の矛が向けられた際は怯んでしまったが、引くべき場合は引けるとも評価できる。


羽賀 愛希

フィジカル・★★★★★ メンタル・★★★★☆ インサニティ・★★★☆☆

パワータイプの市長の娘。父親譲りの怪力で標識をへし折ったり車を屋根にぶん投げたりする。象でも眠るウノサノ特製麻酔薬に暫時耐えられたので耐久性も高い。フィジカルこそカンストレベルだが、作中でも屈指の知力の低さに、快楽攻撃に弱い節があるのが難点。この難点がそのままメンタルとインサニティになっている。


国木

フィジカル・★★★★★ メンタル・★★★★☆ インサニティ・★★★★★

愛にステ振りした筋肉隆々の野球部キャプテン。同性愛者であることはノーマルだとしても、法に触れるやり方でインサニティはMAX。味方として現れれば心強く、敵として立ちふさがれば手が付けられない。恋や愛となれば基本的に話を聞かないが、一応国家権力相手にはおとなしくなったり、先生やハルナに鎮められたりはしている。漫画的には一挙一動がオチに繋がるデウス・エクス・マキナ的なところがあるのも強者の印象を強める。


神保(9番)

フィジカル・★★★★★ メンタル・★★★★★ インサニティ・★★★★☆

サッカー部の凶悪人物。国木や市長のようなパワーこそないが体臭という最凶の武器を持ち、馴れ合わない邪悪さが総合的評価を底上げしている。己の気分を害されれば敵味方・女子供容赦せず、謝罪を受けようが赦しはしない。国木と同じブラジャー着用者だが性的嗜好ではなく、インサニティのほとんどはその混じりっ気のない邪悪さ。今のところ国家権力や先生への態度が不明なのでその辺りは未知数。特殊能力持ち(体臭)・人の心がないという点では人の形をした怪異にも思える。


石原 さとみ(美しさの人)

フィジカル・★★★☆☆ メンタル・★★★★★ インサニティ・★★★☆☆

陶器のような美しい肌を持つ人。個性的(とあえて表現する)な自分こそが美しいと信じて疑わない人であり、かつては最強候補に数えられる猛者だったが、フィジカルで国木に、美しさで真・美しい人に敗北を喫する。最近は足りないフィジカルを恋人(トビー・リビドー)や薬による洗脳で補っている節があり、何故か読者に「堕ちた」呼ばわりされがち。確かに明確な敗北があり出番も減ったが、メンタル面で未だポッキリ折れたことは無いのでそこの強さは評価したい。


箕輪 ハルナ

フィジカル・★★★☆☆ メンタル・★★★★★ インサニティ・★★☆☆☆

真の美しさの人。美しさでは右に出る者はいない。脳内があまりにお花畑であまり強者として語られることはないが、邪悪の化身神保(9番)相手にもへこたれず前向きに友達になろうとするなど、メンタルの強さは並大抵ではない。脳内お花畑が何ヘクタール焼かれようとまた花を咲かし、性善説をひたむきに信じるその姿は、女神かある種の狂人ではなかろうか。


佐々木 唯

フィジカル・★★★☆☆ メンタル・★★★★☆ インサニティ・★★★★☆

メメメメメメメメメメンヘラぁ。得物を人に向けたり勝手に婚約届を提出したり、メンヘラらしいメンタルとインサニティの高さだが、時には反省したり身を引いたりするのでまだ常識は残っている。学友を虐めたり虚言癖があったりストーカー気質だったり、まだ然るべきカウンセリングでなんとかなるレベルな気がしてならない。フィジカル面は得物さえなければ人並みと思われる。


購買部のババア

フィジカル・★★★★★ メンタル・★★★★★ インサニティ・★★★★☆

姉さんやウノサノに畏敬の念を抱かれているババア。イタズラやムチャを主とした姉さんとの『勝負』に勝ち越している。相手が怪異で他人様に迷惑をかけるようなら滅ぼししちゃうなど、怪異の生殺与奪権を握っていると言っても過言ではない。作中で何かと最強扱いされるが、今のところその矛先が人に向けられたことがない(姉さんは別)ので対人戦闘力は未知数。星評価も正直なところデータが足りない。


ひっくり返し婆

フィジカル・★★★★★ メンタル・★★★★☆ インサニティ・★★★★☆

THE高七不思議の一つ。車をひっくり返すパワー系怪異かと思いきや、実際は声を裏返す、昼夜をひっくり返すなど、不可思議な力を行使する怪異らしい怪異。パワータイプ市長を触れずにひっくり返し、街の存在そのものをひっくり返す可能性を示唆するなど出る漫画を間違えているレベルの洒落にならない能力の持ち主だったが、姉さんによるとんちで滅ぼされた。


市長

フィジカル・★★★★★ メンタル・★★★★☆ インサニティ・★★★★☆

ステ振り異常のパワータイプ市長。パワー信者でありパワーを揮うことを正義と信じて疑わない、正しい意味での確信犯。単純な筋力だけでなく芸術や学問もパワーとして認めているので案外理知的。候補者をパワーでねじ伏せたり、むやみにパワーを行使したくなって学校を壊したりするが。怪異『ひっくり返し婆』に敗北を喫しているのでパワーが通じない特殊な相手は苦手な模様。


宝井 清(ムチャおじさん)

フィジカル・★★★★★ メンタル・★★★★★ インサニティ・★★★★★

ムチャを愛する中年男性。行動原理がムチャであるか否かで、必然的に言動が非常識(ムチャ)で、その非常識(ムチャ)を通す非常識(ムチャ)なスペックの持ち主。ロシアンルーレットを涼しい顔で五発打ち込むわ、溺れ死んでは冥府の邏卒を細切れ(ムチャ)にして帰ってくるわ、THE市の猛者共もおとなしく従う警察に対してすら反抗(ムチャ)をするなど明らかに一線を越えている。ウノサノ以外のTHE市の面々とはあまり面識がないので、相対的な戦闘力は未知数。


山田 純一

フィジカル・★★★☆☆ メンタル・★★★★★ インサニティ・★☆☆☆☆

メンヘラに愛される小太りの大学生。フィジカルはおそらく一般人並だが、破壊的メンヘラ二人や死神相手にのらりくらりやってのけるメンタルは常軌を逸している。姉さんの性質を初見で見抜くなど対人スキルが高い。ライオンの群れで健やかに暮らすウサギ的な強さの持ち主。


長谷川(ジャッキー、ぽっくん)

フィジカル・★★★★☆ メンタル・★★★★★ インサニティ・★★★★★

人をママ呼ばわりしておっぱいを求める赤ちゃんおじさん。ベランダからダイブしてもピンピンしている耐久力の持ち主。多くの狂人が裏表がないかナチュラルボーンである中、平時は一般人であり、キャラとして赤ちゃんをロールしているプロベイビー。狂人の真似事と侮るなかれ、一度ロールに入れば生活すら投げ出し、熊相手にすらキャラを貫き通す。真人間が狂気に駆られたフリをし続けるという、THE市の猛者達の中では一風変わったメンタルの強さの持ち主。「狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり」とはこのことか。


宇佐見家(お姉ちゃんチーム&母)

フィジカル・★★★☆☆ メンタル・★★★★☆ インサニティ・★★★★★

あらゆる意味でアブノーマルな美女軍団。性獣の群れ。フィジカルこそおそらく一般的だが、その圧倒的な数と、血のつながりによる統率力から繰り出される制圧力はスパルタ軍の如し。同じ顔の集団なのでマトリックスのエージェント・スミスのような恐怖感がある。サイコメトリーによる危険察知能力があり、所謂『本物』には手を出さず、狩猟生活を行う集団としては優れているが為に最強からは遠め。


警察

フィジカル・★★★☆☆ メンタル・★★★☆☆ インサニティ・★☆☆☆☆

国家権力。佐々木の父親等の問題人物がいないこともないが、基本的にはTHE市の良心。国木、長谷川、各種メンヘラ辺りは制することができ(宝井には数度脱獄(ムチャ)されている)、奇人変人揃いのこの世界の均衡は彼らによって保たれている。がんばれ僕らの国家権力。



以上で思い当たる人物の格付けを終わる。この他の人物――たとえばウノサノやアルビノ河童、死神など――は対戦数・勝利数が少なく、然したる邪悪さも持ち合わせていないので格付けしなかった。今後の展開と僕の気分次第ではまた更新するかもしれないので、風が吹く(新巻が出る)のを待たれよ。

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