僕はザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーを見てメチャクチャになる人
※この記事にネタバレは含まれません
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーを観ました。細かい話はさておき、面白いか、面白くないかの話をしましょう。
わかんねえ。
●絶対マリオ感覚
面白さなんてわかるわけねえ。上映時間の約90分間、体感では毎秒のレベルで歴代マリオシリーズのオマージュやパロディを浴びせられたんだぞ。脳みそに電極ブッ刺されて、記憶の引き出しの電子ロックがバカスカ開けられてるのに喜怒哀楽を味わってる暇があるかよ。
絶対音感のある人間は、日常の些細な音――虫の羽音や換気扇の回る音までも――耳に入る音全てが音階で聞こえてしまい、とても疲れると聞いたことがある。
僕は言うなれば、絶対マリオ感に近い感覚を持っているかもしれない。物心がつく年頃から物心が面倒くさくなる今に至るまで、マリオのBダッシュ(時にはYダッシュ)の後を追いかけてきた。
流石にマリオの全てを知っていると言えるほど詳しくはないが、少なくとも僕にとってマリオは「子どもの頃のヒーロー」ではなく「子どもの頃からヒーロー」と言える。
こういう文章をシラフで書けるほどマリオに脳を焼かれてる人間が、「なんか見たことある画」や「なんか聞いたことある音」を浴びせ続けられるというのは、冒頭の言い回しのように『脳を直接刺激されている』状態になる。脳って焼かれてても電気刺激は感じるんですね。
とにかく、そういう理由で面白いとか感じている余裕がない。
●マリオブラザーズへの興味が『無い』~『普通』の人が観て面白いの?
そんなこんなで僕はこの映画を全く客観的に見られないんですが、どうなんですか? 「マリオ? 昔ようやったわ~」って大人とか「マリオ? だいすき! オデッセイおもしろい!」ってお子さまが観て楽しめるんですか?
マリオに興味無い映画評論家からは全ッ然評価できないってのはメチャクチャよくわかります。娯楽映画も立派な映画ジャンルとはいえ、これは娯楽映画とも多分違う。スーパーマリオブラザーズのファンディスク過ぎる気がする。知らんアニメのBD全巻購入特典についてるドラマCDを突然聞いても何の感慨も無いのは仕方ない。オーディオ媒体で温泉回とか言われても、ねえ?
自分の感性に全く自信がないから、なんか不安になってきたな。たまたま形式が映画だっただけで、やってることは本当にただの(と言う割には贅沢過ぎる)ファンサービスなのかも。
映画って領域に踏み込まれたから、映画評論家も仕事をせざるを得ない。マリオが攫われたからお化け屋敷に助けに行かなきゃならないルイージみたいな。途端に不憫に感じられるな、映画評論家……
●マリオブラザーズへの興味が『人並み以上』の人にとっても面白いの?
面白いか面白くないかはわからん、とずっと言っているものの『感慨』は常に感じてました。
正直言うと、眼はずっと潤みっぱなしでした。スーパーマリオブラザーズ3で、水辺でブロスとエンカウトした時みたい。
そもそも、僕の感情センサーは割とチョロい。映画の一番最初、Nintendoのロゴでドットのマリオとルイージがわちゃわちゃしてるだけで「ディスクシステムとかマリオ3のデモシーンみたいだな……」ってなってから、ずっと視界が滲みっぱなしだったので。いつ巨大プクプクが丸呑みしにかかってきてもおかしくない。
映画にドンキーが出てくるってだけでも「レア社と任天堂の関係がこんがらがってたら実現せんかったのかもなあ……」とifの世界を想像して勝手に感動する始末。こういうのは感受性が豊かじゃなくて、妄想癖って言うのよ。
こういうザコメンタルだから脳がしっちゃかめっちゃかにされているだけで、ただ人並み以上にマリオブラザーズが好きな人間が観たらまた違うんじゃないですか? 面白かったですか?
面白かったと言え!!!! ずっと不安を抱えてるんだから!!!!! 俺はこんなに自分の感情を疑ったことはない!!!!!
面白くなかったら面白くなかったでもいい! ただ「最初のNintendoのロゴのシーン? あれドット絵の色がディスクシステムともマリオ3とも違うから、原作愛とか言うならそういうところ揃えてほしかったわ」とかは言わんでいい!!!!!!!!!!
お前のような!!!!! 知識と年齢だけを無駄に重ねた存在を!!!!! 俺は「大人」とは認めん!!!!!!!!!!! ファミコンだけ一生遊んでろい!!!!!!!!!!
こういうふうに、今目の前に存在しない人を想像して憤るのもどうかと思う。普通に病気じゃない?
●結論
おれはイカれたマリオファン。おれは手に負えないから、君の目と心で確かめてくれ。