とだわらびSDGs通信 Vol.2【株式会社ePARA様】
地元企業のSDGs取組を発信する【とだわらびSDGs通信】第2弾!
株式会社ePARA様にご協力いただき、代表の加藤大貴様にオンラインインタビューを行いました。
ePARA様は『誰もが輝ける社会を創る』という理念のもと、eスポーツイベントの企画やeスポーツを通じて障がい者の方々の就業支援などを行われています。
ePARA様HP https://epara.jp/
(インタビュアー:浅井副委員長)
ゲームを通じて障がい者の就労支援をしたい
<浅井>お忙しい中今日はありがとうございます!早速インタビューを始めさせていただきます。よろしくお願いします。
<加藤様>はい、お願いします。
<浅井>ePARAを立ち上げ、eスポーツを通じて障がいのある方々のサポートをしていこうと思ったきっかけを教えてください。
<加藤様>元々は私は公務員だったんですね。その際、障がいのある方々に対しては、何でもこちらから助けなければいけない、支援しなければいけないと考え過ぎていた部分がありました。しかし、福祉の分野で働くようになり、障がいのある方と接していく中で、アニメやゲームが好きだったり、金銭管理が苦手なだけで健常者と変わらない人もいることに気づきました。
その結果、自分達がこういったところを手伝ってあげればいい、彼らが助けを求めてきた時にサポートしていけばいいという考えに変わっていきまさした。そういった考えのもと、ゲームを通じて、障がい者の支援ができるのではないかと考えるようになりました。
<浅井>加藤さんはもともとゲームをやっていたんですか?
<加藤様>自分自身は長い間、ゲームをやっていなかったのですが、過去にストリートファイターや鉄拳などのゲームにはまってやっていました。ゲームは元々好きで、その当時の楽しくて、夢中になった記憶もあったことがゲーム(eスポーツ)というジャンルを選んだ理由の1つでもあります。障がいの有無に関わらず公平に協議できるeスポーツというコミュニケーションツールを利用して、障がい者が生き生きと働らくことが出来る支援をしたいと思い事業を始めました。
6つのレス
<浅井>ありがとうございます。eスポーツの大会を数多く開催されていますが、eスポーツの魅力はどのようなものでしょうか?
<加藤>6つの"レス"がありまして『年齢』、『性別』、『国籍』、『障がい』、『時間』、『場所』に関係なく、同じルールの中で対等に取り組むことができことです。
すべての人が生きがいを感じ、お互いを尊重しあう世界を作りたい
また、eスポーツはオンラインでの開催が出来る強みがあり、不要な接触を避け、対面での交流を避けつつ取り組めます。現在、コロナ禍で、大変な時期ではありますが、ピンチをチャンスに変えて、さらに注目され盛り上がっています。
eスポーツを活用して、障がい者が自分らしく働くための支援をし、『すべての人が生きがいを感じ、お互いを尊重しあう世界』を作りたいと考えています。
障がいのあるご夫婦が協力してゲームをプレイ
<浅井>とても共感します!私が勉強不足なのですが、eスポーツのイベントは具体的にどのようなルールで行われていますか?
<加藤>色々な楽しみ方があります。例えば、ただ1対1で対戦するだけでなく、家族4人の親子で協力してプレイしてみたり、ルールを工夫したりすることで、また違った楽しみ方が出来ます。また、半身麻痺の女性と、盲目の男性のご夫婦2人が協力してプレイするということもありました。改めて、多くの方々に楽しまれ、まだまだ多くの可能性が秘められている感じました。
家庭内プレゼンテーション
<浅井>楽しそうですね!ご事業を通じてご苦労されたことはありますか?
<加藤>家族の理解を得るのが大変でしたね。
子供がいて、専業主婦の妻でしたので・・・
公務員という安定した職を手放すことに対して、反対もありました。
しかし、自宅で資料を作り、家庭内で妻へプレゼンテーションを繰り返し行いました。最終的には納得してもらい、なんとか許してもらいました。今では良き相談相手として、アドバイスや意見をいただいています。
VRによるバーチャル職場体験
<浅井>SDGs達成に向けて、今後どのようなことに注力していかれますか?
<加藤>SDGsの中では、
5番(ジェンダー平等を実現しよう Gender equality)
8番(働きがいも経済成長も Decent work and economic growth)
10番(人や国の不平等をなくそう Reduced inequalities)
に該当するかと思います。今後最も力を入れていくのは、8番だと考えています。
具体的には、障がい者向けのVR就職フェスを予定しています。
オンラインでの企業説明会に加えて、VRによるバーチャル職場体験を実施します。これにより職場環境を求職者が体験でき、ミスマッチを事前に防ぐことができます。やはり、自分の働く職場は見たいですよね!!
障害がある方でも働けるということを企業側に気付いてもらいたい
<浅井>車いすの方なら段差とか専用トイレまでの動線などもあらかじめ確認できるのは、安心ですよね!
<加藤>そうですね。また、eスポーツでゲームが出来る方は、各オンラインツールの使用ができ、リモートワークを行い、会議にも出席できます。事務作業やインターネットが利用できると証明することで、障がいのある方でも働けるということを企業側に気づいてもらい、就業の機会を増やすことに繋がります。
自分が『幸せになってもらいたい』と思っている対象の方が幸せになってくれればそれでいい
<浅井>素晴らしいお取組みですね!それでは最後になりますが、まだSDGsに取り組めていない、取り組みたいけど何から始めたら良いか分からないという考えをお持ちの地域の方々にメッセージはありますか?
<加藤>最終的には自分が『幸せになって貰いたい』と思っている対象の方が幸せになってくれればそれでいいという信念で活動しています。極端な話をすればSDGsに関わっていなくてもいいと思います。みんながこういった考えを持っていれば世界は平和になりますよね。
私の場合はたまたまかもしれないですが、eスポーツを通じて、SDGsに関わっていることになっています。今後取り組んでいく上で、SDGsという共通言語があるというのは分かりやすく、良いことだと思っているので、意識することは非常に重要になってくると思います。
インタビューを終えて
今では様々なイベントを企画され、著名人との共演も多い加藤さんですが、元々特別なネットワークがあったわけではなく、自分から共演したい方の事務所の公式ホームページを調べて直接オファーをするそうです。バイタリティが凄すぎます!当然門前払いになることもあったそうです。加藤さんは「相手はこちらの思いだけをぶつけても動かない。何を求めていて、どうなれば巻き込めるのかを考え、感じとることが重要ですね」とおっしゃられていました。
こうした強い想いと地道な努力が、多くの方々を巻き込んだ企画や様々な活動に繋がっているのだと感じました。
加藤さん、お忙しい中インタビューにご協力いただき誠にありがとうございました!
(記事作成:浅井 編集:細井)