欧州カップ戦(CL、EL)の再編とカンファレンスリーグ新設のメモ
最近サッカーを見る時間が取れていなかったのだが、順位表を見てみたら欧州カップ戦の再編がまた進む予定なのが見て取れた。若干複雑なので少々メモしていく。
チャンピオンズリーグ(CL)とヨーロッパリーグ(EL)はそれぞれ【ヨーロッパ全体】のリーグ王者とカップ王者のリーグという体裁があり、実態はともかくとして強豪リーグからの出場者も予選から参加するという「儀式」はあった。
これが最近、欧州内の移籍自由化によるビッグリーグ・ビッグクラブへの資金集中から発言権も変わり、かつてのG-14を思い起こさせるビッグリーグ・ビッグクラブ偏重の形式に切り替わりつつある。例えばCLのグループステージ32クラブに占める予選勝者枠は99-00に16だったものが、09-10に10、18-19には6まで減り、ビッグリーグの上位が安定して出場できるように変質しつつある。
2021-2022シーズンの変更はその流れにあるものである。今回の変更では、CLは変わらないが、ELが分割され新ELと新規設置のカンファレンスリーグ(仮略語CoL)に分かれる。
これまでのELはリーグランクに関わらず全ての国に3枠が与えられていたが、21-22の新ELは、国別出場枠が非常に少なく、リーグランク15位までのカップ戦勝者とリーグランク5位まで(英西独伊仏)のCL次点の20しかなく、予選も1次・2次予選がなく3次予選スタートとなる。残りは全てCLの敗退組で埋められ、独立したコンペティションというよりCLの残念賞・延長戦的な雰囲気が濃くなっている。
新設される21-22CoLの出場枠は、旧ELの出場枠から上位専用新ELの出場枠を引いたものになっていて、予選も1次から存在し、こちらのほうが旧ELの後継に近い印象がある。加えて、CLの予選敗者=小国リーグの1位専用枠がグループステージに5つ確保されており、小国のための大会的な雰囲気を濃くしている。
すなわち、旧ELをビッグリーグ専用の新ELと下位リーグ中心のCoLで分割したような形の改編であり、CLの予選枠が減らされビッグリーグが予選なしで直行するようになったのと合わせて、ビッグリーグと下位リーグの分離という方向性の一つの表れであろう
旧ELもCL残念賞枠が荒らしていたので、下位リーグにまともなコンペティションを用意するという意味でもこういった改編は必要なのかもしれないが、欧州内の移籍自由化にともなうリーグの序列化がますます進んできたことを示すようでもいて、寂しくないかと言えば噓になるだろう。