アジア2次予選の治安が危険な国が固まった組
次回ワールドカップの2次予選が始まるが、アジアの治安は現在一部地域で急激に悪化しており、特にいくつかの組は失敗国家を固めたような組になっている。今回はグループBとIについて、脆弱国家ランキング(旧失敗国家ランキング)や外務省危険情報を合わせて情勢をまとめる。
グループB
🇸🇾 シリア
脆弱国家ランキング5位(警報・高)
外務省危険情報:全土レベル4(退避勧告)
内戦継続中。政府軍側にロシアがいる。さらにハマス問題に絡んでイスラエルから牽制を受け空港が爆撃されており、まずシリア国内に着陸すること自体がかなり困難が伴う。
最近の試合実績から、UAE(ドバイ)での中立地開催になると思われる、というよりならないと困る。
🇲🇲 ミャンマー
脆弱国家ランキング12位(警報・高)
外務省危険情報:一部レベル3(渡航中止勧告)・その他2
民主政権時代からラカイン州で民族弾圧による戦闘が起きているほか、2年前の軍事クーデーターの後、民主化勢力への軍事的弾圧が続いている。
普通に旧首都のヤンゴンでホームゲームが開催されている。
🇰🇵 北朝鮮
脆弱国家ランキング37位(要注意・高)
外務省危険情報:渡航自粛勧告(保護不能)
外務省のページにある通り、日本との間に固有の対立関係がある。ロシアのウクライナ侵攻でロシアが困窮すると、北朝鮮から弾薬を受け取る代わりにミサイル技術などを供与するのではないかと言われており、米韓も巻き込んできな臭くなっている。
コロナ流行後に鎖国したので代表が活動していなかったが、それ以前の2019年の最後のホームゲーム(韓国戦)は平壌で開催している。
🇯🇵 日本
脆弱国家ランキング161/179位(相当安定)
外務省危険情報:N/A (わが国である)
グループI
🇱🇧 レバノン
脆弱国家ランキング25位(警報)
外務省危険情報:レベル3(渡航中止勧告)・2・1
国内の分裂傾向が強く、選挙後に内閣がなかなか成立しないなど恒常的な政情不安定の状況にある。イスラエルおよびシリアとの国境地帯をヒズボラが支配しており、ハマスの大規模攻撃に追従する形でイスラエルと小競り合いが増え、戦闘が徐々に拡大している。
直近の予選はサイダ市営スタジアムで実施。それ以降2年近くホーム開催していない。
🇵🇸 パレスチナ
脆弱国家ランキング34位(要注意・高)
外務省危険情報:レベル ガザ4(退避勧告)・西岸3(渡航中止勧告)
ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃以降、報復攻撃がすでに予告されており、すでにあちこちが爆撃されているほか、入国するとハマスによる誘拐リスクもある。アルジェリアでの中立地開催を申請中。ただしすでに代表活動の一部中止が行わているなど、参加できるか不明瞭な状況にある。
最近のホームゲームはヨルダン川西岸地区にあるファイサル・フサイニー国際スタジアムで実施されていたが、まあまず実施不可能だろう。
🇧🇩 バングラデシュ
脆弱国家ランキング41位(要注意・高)
外務省危険情報:レベル2・1
ミャンマー国境がラカイン州の内戦の余波で危険。それ以外の地域はたまに爆弾テロがあったり死傷者が出るデモが起きたりしているが、要注意のレベル1にとどまっている。
最近は首都ダッカのスタジアムを中心にいくつかの地方都市でも開催している。
🇦🇺 オーストラリア
脆弱国家ランキング168/179位(極めて安定)
外務省危険情報:なし
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