見出し画像

アルバム作成秘話vol.1

良い作品へ向かうリスク


最高の曲を届けたい。最高の演奏を聴かせたい。最高の音源を作りたい。
すべてのミュージシャンはそういう気持ちでアルバムを作る。

ツインテールはカヴァー動画企画をyoutubeでやっている。メタルの名曲を1発録りでやるという企画だ。
1発録りではあるがMIXは必要。良いものを作ろうと思うとそれなりに手間はかかるもの。
しかしはっきり言って好きな作業ではない。動画の編集や作詞作曲もあるので一度マシモに任せてみることにした。

彼は良い音を聴き分ける感覚が鋭い。
結果、演奏の音質が格段に良くなった。特にドラムの音色に立体感が生まれた。
そこでコースケが一言。
「次のアルバムのMIX、マッシーがやればいいんじゃね?」

話は決まった。
マシモ主導のアルバム制作で動くことになった。

2024年の間にアルバムを出すことを目標として曲を固めていった。
しかし課題はある。
我々はメタルを演奏するプロではあるが、録音のプロではない
曲を作り演奏力を上げながらMIXの知識やプラグインの使い方も勉強しなければならない。
マシモの負担がハンパなかった。
とりあえず伝えたのは
「とりあえずやってみるだけでいい。追い詰められて精神が壊れるまでやらないでくれ。」

音楽制作というのは無限に改良や改善ができる反面、正解がない。
血を吐きながら続ける悲しいマラソンが出来てしまう作業なのだ。
しかもマシモは弱音を吐かない男。彼との付き合いはもうずいぶんと長いが弱音を吐いたシーンを見たことがない。
なので逆に心配だった。
ギターソロのレコーディングで初めてマシモが煮詰まっているシーンを見た時はさすがにヤバいと思った。
かといって妥協して良いと思えないものにGOサインを出すのもマズい。
こちらの状況など聴く人達には関係ないからだ。
「バンドの状態が悪かったんです。だからこんな音だけど勘弁してね!」
とミュージシャンが言って納得してくれるファンは存在しない。

指示をすればするほどマシモを追い詰める、かといって妥協すればお客さんが離れていく。
このせめぎあいの中で作業は進んでいった。
疲れ切ったマシモが、
「ビジネスホテルに泊まってMIX作業しています」と報告を受けた時は本気で心配になった。

普段のレコーディングより3倍以上時間をかけた。否、かけなければ全員ぶっ倒れていた。
体力的にも金銭的にも。
そしてようやく完成したのがTrial by Shadowsである。

有名配信プラットフォームならほぼすべてダウンロードすることができる。
マシモが心血を注ぎあらゆるものを犠牲にしてできたアルバム。
る。
心ゆくまで堪能していただきたい。

CDの形で手に入れたい人は是非11月16日のワンマンライヴへ。


いいなと思ったら応援しよう!

twintail yas
サポートいただければツインテールの活動がより円滑に動きます! それはつまりジャパニーズヘヴィメタルが動くということだ!