バンドと難聴
昨日のアーカイブです。
視力ならレーシック手術などで無理やり視力を上げることができる。
ところが聴力はそうはいかない。
映画『サウンドオブメタル』でも描かれているが、手術してインプラントを埋め込んでも音が聴こえるようになるわけではない。
脳に音が聴こえているように錯覚させるだけ。
つまり、感じるのは今まで聴いていた実際の音ではないのだ。
映画で表される復活した音は、ただの雑音。
これはバンドマンとしてはとても怖いシーンだった。
今、突然音が聞こえなくなったら?
ドラムの音を感じられないのでリズムを取れない。
喉は正常でも自分の声が聴こえないので音程を取ることもできない。
死を伴う病気やケガを除けば最悪の事態だろう。
他の器官と違って、少しずつ耳が弱っていくのを感じられないのも恐ろしい。
突然、無音の世界がやってくる。
音楽を仕事にしている以上、普通に生活する人よりは耳に負担をかけている。
かといって仕事量を減らすわけにもいかない。
音楽が好きだから減らしたくないしね。
そうなると予防をしていくしかないだろう。
・音楽に接するとき以外は耳を休める。
・バンド練習は必ず耳栓をつける。
・ヘッドフォンやイヤフォンになるべく頼らない。(スピーカーで聴く)
・車で移動時、音楽を聴かないor最小音量で。
・音楽を一切聴かない日を設ける。
これらをやっていかないと長く音楽をやっていけないだろう。
音楽を何歳までやるということは考えていないが、自分がこれからやりたい事の量を考えたらかなりの年月が必要になる。
さあこれから!というときに無音の世界に堕ちてしまったら目も当てられない。
運命というものは大体これからというときに邪魔してくるものである。
サウンドオブメタルはヘヴィメタルの映画と思って観たら考えさせる映画だった。
自傷行為、共依存や人との別れなどバンドマンが嫌でも経験することがあるので若干辛い映画ではある。
これと『レスラー』を見たら誰も夢を追わなくなるかも。
2つの映画のラストは、恐らくハッピーエンドなのだけれど。
とりあえず、みんな耳を大切にね。