LORDS OF CHAOS(ネタバレ注意)
昨日のアーカイブです。
ブラックメタルの始祖といわれるノルウェーのメタルバンド、メイヘムの事件を描いた映画です。
とにかく血が出ます。
血みどろです。
最初はデッドというカリスマヴォーカルが棺桶の中で寝ているシーンがあったりとちょっと面白いのですが、だんだん内容は凄惨になっていきます。
この映画の恐ろしいところは、ユーロニモスがなんとなく言った「ぶっ壊せ」や「殺せ」などの言葉をメンバーが本気にして実行してしまうこと。
身内の中では誰でもそういうことは言う。
しかし本気で言っているわけではない。
しかしインナーサークルの場合、ユーロニモスの何気ない一言でどんどん破滅に向かう。
しょーもないオス社会のマウントの取り合いによって。
動画でも話したが、僕はメイヘム界隈やインナーサークルの人たちは本当に悪魔崇拝主義者の集まりだと思っていた。
雑誌の内容やネットの記事でしか知りようがなかったからだ。
この勘違いこそ、ユーロニモスの何気ない一言を信じてしまったメンバーと同じではないか。
冷静に考えると悪魔崇拝することのメリットがあまりにも少ない。
今のシステムを壊して新しい悪魔の秩序を世界中に広げるという理念を持ちながら、バンド活動をするというのはあまりにもまわりくどい。
ジュラル星人じゃないんだから。
どう考えても勉強して大学を出て官僚になったり与党政権に入って内部から侵略する方が早い。
しかも実際に秩序が破壊されたらバンド活動どころではなくなるわけだし。
バンドとして目立つには周囲との違いを見せなければならない。
そこで悪魔という言葉を使ったのではないだろうか。
お金を稼いで酒を飲んで女を抱きたい!と思うのが9割のバンド結成の理由なのだから。
本気で世の中を刷新しようと思っているバンドは歌詞の世界にしか存在しない。
愛よりも破壊という言葉の方が心に響く。
天使よりも悪魔の方がカッコイイ。
ベビーフェイスよりもヒールを応援したい。
思春期の人はもちろん、誰でも心の中に秘める衝動。
そういう心理を元にブラックメタルは誕生した、と僕は思っている。
ある意味純粋な青年達が道を踏み外してしまった物語。
そういう悲劇の映画でした。
最後にメタリカとLORDS OF CHAOSのコラボPVです。
なんと公式!すげぇ!