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赤ちゃんの「模倣」を使った社会的交流

「模倣」にハマっております。

以下の論文の感想とまとめ

J. Nadel, “Imitation and Imitation Recognition: Functional Use in Preverbal Infants and Nonverbal Children with Autism,” In: A. N. Meltzoff and W. Prinz, Eds., The Imitative Mind, Cambridge University Press, Cambridge, 2002, pp. 42-62. doi:10.1017/CBO9780511489969.003

顔馴染みのある2-3名の乳児がどのように遊び/模倣し、社会的交流を図っているのか??

簡単に内容を見てみると…

18か月以降に社会的交流の中で「模倣」が利用されるようになり、30か月頃にピークを迎える。

では、どんな場面で「模倣」が起こるのか??

それには決まったルーティン、エピソードがありました。

1.自分の持っているものと同じような物を他の乳児に差し出す(または見せる)。

すると、ほとんどの場合その物を受け取り、使い方を模倣します。しかし、模倣のinitiator(模倣の創始者)からの提案をpartnerは、拒否することもあります。このような場合には、反対にinitiatorは、自分が持っていた物を離してpartnerの行っている活動を模倣します。

2.模倣の要求がなくても、乳児は他の乳児の真似をして、同じ物を同じように使う。

模倣される側(initiator)は、模倣者(partner)の動きを見て、すぐに自分が模倣されていることに気づきます。すると、模倣される側(initiator)は、さらに新しい活動を模倣者(partner)に提案します。

これらのことから、乳児には模倣を介した順番交代(turn-taking)役割交代(role-switching)といったルールがあることがわかりました。

要するに、乳児は模倣をするのも楽しいし、(模倣)されるのも楽しい!と感じていることです。特に同じ乳児と繰り返し同じおもちゃや環境で遊ぶという設定/状況を加えることによりshared attentionの役割を示すようです。shared attentionをどう訳すのが正解かがわかりませんが、私は「参照枠」みたいなことかなと思っています。

新しい遊び/環境の中で、すぐにinitiatorの模倣の提案をpartnerが再現できるとは限りません。発達の緩やかな子どもたちとの関りでは、shared attentionを上手く利用して、段階的/発展的に順番交代(turn-taking)や役割交代(role-switching)を行うことで、模倣行為が発達的に変化するのかな…と。

また面白そうな論文を探します。

前回の記事はこちら↓↓



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