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大人の「逆模倣;being imitated」が子どもの共同注意行動を促進する
またまた「模倣」の話…。
くどいですかね??まぁ面白いのです。
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今回、読んだ論文はこれです。
Shauna Ezell, Tiffany Field, Jacqueline Nadel, Rae Newton, Greg Murrey, Vijaya Siddalingappa, Susan Allender, Ava Grace:Imitation Effects on Joint Attention Behaviors of Children with Autism;Psychology 2012. Vol.3, No.9, 681-685 Published Online September 2012 in SciRes
大人の動きを子どもが模倣するのではなく、子どもの動きを大人が模倣する「逆模倣;being imitated」の効果を示した論文です。
まぁ要約のみ…
大人の逆模倣が言葉を持たない就学前ASD児の共同注意行動に及ぼす影響を調査しています。
ここでの共同注意行動とは、
Referential looking(大人がしている/注意を向けているある対象を見る;二項関係。大人の注意をある対象に向けるために対象と大人を交互に見る;三項関係。)
Gaze following(視線追従:大人が見ているある対象に自分も視線を移動させて注意を向ける)
Gesturing to the adult(大人と一緒に指差しやジェスチャーを見せる)です。
で、大人に子どもたちの行動を全て同じ物ですぐに真似るように指示されるグループ(模倣群)と子どもたちの行動に対し、すぐに反応はするが非模倣的な行動で反応するグループ(偶発的応答群)に分けて比較検討しています。
介入期(上記のような介入)とコントロール期(自由に遊ぶ)でそれぞれ結果をみると、
模倣群は有意に介入期のReferential lookingが多くなり、コントロール期にはGaze followingが多くなりました。要するに、積極的に逆模倣をすると介入期だけでなく、「自由遊びの時間にも大人の動き/行動を見ている」と考えられます。なんか気になる存在?になるのかな。
まぁ普通に「逆模倣;being imitated」をしてもうまくいかないと思います。やっぱり子どものやっている遊び/行動にしっかり反応してあげたり、盛り上げたり、合の手を入れる?的なこと等、子どもと楽しく過ごせる/遊べるスキルが大事です。保育士さんの関わり方は、とても参考になります!