心臓に毛が生えている理由
米原万里さんのエッセイ。どの話も「漢字が多い」という表現で伝わるだろうか。時の如く固い文章が続くという意味ではなく、しっかりとした内容という印象という意味なのだが。そうかといって、固い内容なのかと言われれば全然そうではなく、クスッとするところがふんだんにある。そして含蓄に富んだ話がたっぷりと掲載されている。
親戚か友人か隣人か
読売新聞
花より団子か団子より花か
各種新聞 他
心臓に毛が生えている理由
三章堂ぶっくれっと 毎日新聞
欲望からその実現までの距離
日本経済新聞 他
ドラゴン・アレクサンドラの尋問
マミフラワーデザイン 日本婦人団体連合会 他
対談 プラハ・ソビエト学校の少女たち、その人生の軌跡
初出は各章ごとに異なり、読み終わって確かにそれぞれに合わせた内容で記述されているんだな、と思った。幼少期の記憶、プラハの学生時代、同時通訳として活躍された頃、両親の記憶。
特に、両親についての話は、世代が違う自分には想像しかできないが、かなり苛烈な時代に活動されていた親、親族をどう見ていたのか、そんな時代を経て今何を思うか。
プラハ・ソビエト学校の同級生たちのその後を追った「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」。自身の著書について対談が載っている。
子供であっても、一人一人が国を背負っているという意識を持っているのは、中央アジア(東欧ではない)の各国からさまざまな理由(隣接する国、政治状況、そしてその根底にある宗教的思想)があるからこそ。それは彼女の中で離れたのち皆どうなったかという、謎として残り、数十年経ってその答えを探す。
たどり着くまでの経緯、かつての同級生たちの話はどのようなものだったのか、これは気になる・・・・。
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街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな