この夏の星を見る
平安時代モードから一気に1000年後のお話。
この夏とは、まさに2020年。この本を読む人ならみんな体験したあの夏のこと。理由も意味もわからないまま、自粛とマスクをし、ただ状況が変わることをじっと待つだけの夏。
ドキュメントではないのでそのものの説明を克明にしているわけはない。後年、未経験の人が読んでどのくらいわかってもらえるだろうか。しかし、だからこそあの理不尽さ、人はどのように行動するのか、を書き残し、それについてどう思ったかを書き残しておくことが大切だと思ったのではないか。
派手な伏線回収で読ませる話ではなく、あのタイミングの中学・高校生がオンラインでつながってゆくところは、社会インフラとそれを使う人の意識を変えたことを表していると思う。
地上での出来事がどんなことであっても、それでも地球は周り、星は瞬き続けるその対比も良いと思った。
「白辻村」さんタッチで、3か所での活動を散らかることなく描かれているので450ページ越えでも一気に読むことができた。(その分睡眠時間が削られてしまうのはやむなし・・・)
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街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな