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Photo by
masumiyutaka
ないものねだるな
久々に阿川佐和子さんのエッセイ。
時期的にコロナを挟み、ご両親が亡くなられるということがあり、そんな時期のエッセイでありながら、そこはやはり阿川さん、ユーモアを忘れずついつい読んでしまうお話が並んでいます。
ご本人曰くの悪友ダンフミさんとのネタで結婚の話は数々出てきたが、ここにきて周りが皆驚くご結婚をなされて、エッセイにも登場するようになったことが1番の変化なわけで。
冒頭からその旦那様と軽井沢でのダンスについて。相方はこっそり練習しているがそこは素直にいけないわけで、阿川さんは色々な方に誘われ踊り出す。そしてついには引っ張り出すわけですが・・・
コロナ始めのマスクをつけるのかつけないのか、外出先で予備のマスクが見つからない、ちょっと咳をするだけで、周りの人が引いてゆく、熱はない、味はするか、匂いはどうと、どれもこれも3年前に誰もが経験したこと。喉元過ぎれば、とよく言われるが、皆すっかり忘れてしまったように過ごしている。そんな思いでもこうしてエッセイに載ると、読み物として残る。
昨年から中央アジア、ロシアに興味を持ち、書籍を探してみると、その時代、何があったかはニュースに残り、資料として、何人が罹患し、どのような政策がとられたかはあっても、実際の生活は見えてこない。旅行記や、そこに住み日々を綴ったエッセイを読むと、著者の視点で物事が垣間見える。今読むと、共感が、1000年後に読むとその時代の人の考え方が残るのだと思う。
エッセイの読みやすさは書き方だけでなく、いろいろ読んで合う合わないを探すところも面白さだとおもう。さて、次はどれを読もうかな。
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