写真の人にはならないぞ
今から5年前の出来事
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実家に帰る前に夫の希望であちこちに寄ります。運転手は君なので逆らえましぇんし(笑)
松之山の「美人林」ブナの芽吹きが最高潮の時です。
ブナの芽吹き色って美し過ぎます。春の野山は見飽きないし、岐阜とはちょっと違う川と木々たちにほっとします。
そのあと花火で有名な小千谷市片貝へ。夫の大学時代の友達Yさんに会いに行きました。
頻繁に会うわけではありませんが、奥さん共々仲良くさせてもらっていました。
正直なところ、私は不自由な所を見られて心配かけたくなかったし、実際に田舎のお家って段差多いので行きたくないなぁと思っていたのです。
でも久々だしね。
ご挨拶して居間に通していただくと……
「こんなことになってしまって」
とポツリ。
真新しい祭壇に奥様の遺影が…。
絶句でした。
今年の一月だったそうです。
メールのやり取りもしていたのですが、触れることはなく、私たちは知らないままお邪魔したのでした。
長い間、看護師をされていて元気な方でした。59歳。
泣けて泣けて、でも余り泣いても申し訳ないし。
奥さん!いかんよ!ほんとに!
「今年は退職で、その頃仕事辞めて、これからは楽しもうかと話していたんだ」
「あれが逝ってしまって、もうそう仕事しても仕方ないから、畑やるだけで」
「でも土は癒される」
一言一言が胸に沁みわたる。
御暇させて頂くのも椅子から夫に立たせてもらい、正に介護状態な姿を見せながら、お別れをしました。
車の中で。
「お父さん、私は介護されながら生きるわ。SNSで世界を楽しみながらね」
応えられない写真になってはいかん。
夫がYさんに会いに行きたかったのも思し召しかもしれませんね。
もうすぐ祭壇を片づける所でしたし。
高速に乗ると美しい夕日です。
新潟特有の景色に癒されながら、Yさんの寂しそうな顔や遺影の笑顔が浮かんで来て、夕日が霞みます。
明日は私が友達に会い、弟家族も来て、甥っ子も来て賑やかに、浮いた祖母(爆)の五十回忌です。
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私は現在も介護を必要としながら、充実した人生を過ごしています。
あの頃よりも、開き直った感があります。
両親は昨年と今年、相次いで他界。
写真の人になりました。
^_^