大野ギャラリー「小磯良平作品コレクション」
先日、広島市にある大野ギャラリーの「小磯良平作品コレクション」を見に行ってきました。
はじめに
大野ギャラリーについて
大野ギャラリーは、広島市にある株式会社大野石油店の本社内にある小磯良平の作品だけを展示しているギャラリーで1998年に開館しました。
大野石油店の現会長 大野輝夫氏が約20年かけて収集した359点の小磯作品のうち、約100点を常時展示しています。入場は無料ですが、毎週水曜日しか開館していないため注意が必要です。
今回訪れた理由
私の近代日本洋画好きは小磯良平から始まったと言っても過言ではないのですが、この大野ギャラリーのことはつい最近まで知りませんでした。
でも、知ってしまったらこんな夢のような場所に行かないわけにはいきません。
ちょうどJALが片道6600円のセールをやっている時だったので、早速取って行ってきました。
展示概要
現在の展示は次の4章で構成されています。
第1章 女性像 ~気品漂う女性たち~
第2章 東京芸大教授時代 ~冒険的な試行~
第3章 赤坂迎賓館壁画 ~小磯芸術の集大成~
第4章 静物
必ずしも時系列というわけではないですが、
第1章から順を追って見ていくことで、小磯作品の初期から晩年までの画風の変遷を見て取れるようになっています。
特に第3章では、赤坂迎賓館の壁を飾っている2枚の作品のエスキース(下絵)が数多く展示されていて、とても見応えがあります。
残念なことにギャラリー内は撮影禁止でしたので、個々の作品については、2020年に小磯記念美術館で開催された展覧会「至高の小磯良平 大野コレクションのすべて」のチラシを見て下さい。
今回の展示の中で一番印象に残った作品は、チラシのメインビジュアルにもなっている《化粧する舞妓》です。
このチラシを最初に見た時に「なんでこれなんだろう」と思ったのですが、実物を見ると抜群に出来がいいのです。
出来がいいと言っても、ちゃんと描かれているのは顔と髪だけなのですが、コンパクトを覗く彼女の眼差しの描写がまるで生きているようで、そこから目が離せなくなってしまいます。
あとがき
大野ギャラリーへは、大野石油店本社の正面玄関から入って受付でギャラリーに行きたい旨を伝えると、記帳をした後に入構証を渡されエレベーターまで案内してくれます。
鑑賞後は入構証を返すため受付に戻っていざ帰ろうとすると、周りにいた社員さんが口々に「ありがとうございました」と声を掛けてくれ、「お礼を言うのはこっちなんだけど」と思いながら、とても気分よく帰って来れました。