母と過去へ行ってみた
スイッチを入れて母の居室へ
先日母の施設に行った。
相変わらずベッドにポツンと座っていた。
ところで、私は母の部屋に入るとき少しだけテンションを上げて入る。そして自己紹介をすることにしている。
こんにちはー
姉ちゃんと思ってるだろうけど、娘の〇〇だよ。
ま、どっちでもいいや。とりあえず来たよー!
(母は私を自分の姉だと思っている)
すると母はここでかなり笑う。
ここで笑ってくれたらその日の母の調子はかなり良い。
そんな定番のクダリをすませ、母の直近の様子を感じとる。笑えるのか沈んでいるのか。
そういえばこのところ他の入居者さんの悪口をあまり言わなくなってきた。これは良いことでは?
さて話は変わる。
その日私は母と見ようと思いクリップしていたコンテンツがあった。
NHKアーカイブスの回想法ライブラリーというもの▼
そもそも、回想療法とはこのようなもの▼
詳しくは
▲こちらはココファンさんのサイトですが、私にはわかりやすかった。興味がお有りの方はどうぞ
(※📞に触れない様にご注意ね…)
過去の良かった時代に遡ろう
なるほど、良い点の裏には注意すべき部分もある。
しかし、注意すべきと言われるポイント、本人の良くなかっただろう時代には当然だけど遡るつもりはない。
さて、母の父つまり私の祖父は生前は国鉄に勤務しており、山陰地方を転任していた。この頃の話をする母は楽しそうだったので、昔の山陰地方を見てみることにした。
次々でてくる母のリアクション
あらここ知ってるわよ。
大山にはよく行ったけどこんなところがあったのね。
あら、あなたは鳥取砂丘行ったことなかったの?
梨、毎年食べたわね〜などなど。でるでる!
やはり大昔のことは記憶に残っているようだ。
疲れない程度の短い動画で会話がとても広がった。
しかし母のツボは少し変だった
温泉場面でアラレもない状態のままのおじさんを見ては「あらららだめじゃなーい」と大笑い。
さらに、商店街のノボリに現在もあるお薬の名前を発見し「あら、この薬こんな昔からあったのね」などと言っては「あぁそこは関係なかったわ」とひとりツッコミをしている。
50年前の様子を少しずつピックアップして一つの映像作品が出来上がっているようなものだが、母は自分が今見ているのは過去の映像だと理解できている。
二人でそんな事をしていたらあっと言う間に時が過ぎた。
母にもなかったことにしたい年代というものもあるだろう。そこを回避しつつまた見てみようと思った。
これ、話のネタに良いと思った。
NHKアーカイブス回想法で検索すると
《貸し出しDVD》と出てきてしまいます。
このアーカイブスライブラリーは介護施設等で使われているのか…それとも私が見たのは実はそれのほんの一部なのか。一部だとしても、このぐらいの情報量で充分だと感じました。