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薄明かりの絵画(19世紀ヨーロッパ美術編)

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#象徴主義

連載10/12 象徴主義と唯美主義

象徴主義 象徴主義は、1857年にフランスの詩人、シャルル・ボードレールが『悪の華』を発表したことに始まるといわれます。1860、70年代は、ステファヌ・マラルメとヴェルレーヌが象徴主義を牽引しました。象徴主義は、ロマン主義とは対照的な立場であり、「芸術は、間接的な描写のみによって表現可能な真実を表すべきである」という理念の下、自然や、写実ではなく、精神主義、想像力、夢を重視しました。隠喩的で、暗示的な表現が好まれ、特定の物やイメージに象徴的な意味を付与しました。これらは文